発達障がいの子を持つ母が1番求めているもの~ロータリー子育てコーチングセミナー

いつも読んでいただき,ありがとうございます。

今回は,先日多治見西ロータリークラブ主催で開催された発達障がいの子を持つ親御さんや教育関係者の方などその支援者の向けのセミナーでパネルディスカッションのパネラーとして参加したので,そのシェアをします。
私自身発達障がいの息子を持つ親としてジタバタした経験もあり(今も継続中ですが,笑),改めて発達障がいの子を持つお母さんにとって,どのような支援があるといいのか考えるきっかけとなりました。

講演者として参加くださった野田聖子議員も言われていたけれど,障がいの子を持つ夫婦は離婚することも多い・・・
これは私も相談の中で,とても感じていることです。

その背景には,発達障がいの子を持つお母さんのとても苦しい状況がある・・
どうしたら,そのようなケースでもお母さんを支援し,離婚を回避することが出来るのでしょうか。

私たち発達障がいの子を持つ親が,一番うれしいサポートとは何でしょうか?

気づいたことを3つ,お伝えします。

1 まずは「言葉」「法律」ありき

野田聖子議員のお話。
ご自身のお子さんのことを飾らない言葉で話してくれた。

妊娠中から告げられた子どもの障がい。産むかどうかを聞かれた。
仮死状態で生まれた息子さん。17本のチューブを付けられ,13回の手術をしたのち,自宅で生活するようになった・・

毎日,朝起きると「息してる?」と尋ね合うのが夫婦の会話だった。
毎日,いつ亡くなってもおかしくない。本当の意味で「命の大切さ」に比べたら,些細なことは気にならなくなった,とのこと。

今から10年以上前のこと・・・

平成17年に施行された「発達障害者支援法」。
制定を進めたのは野田議員だったとのこと。(知らなかったです)

当時,野田議員を支援している方の子どもさんが発達障がいを持っていた。

でも,当時「発達障がい」という概念が無くて,まだまだ「世話のかかる子」「落ち着きのない子」として,
世間に言うのが恥ずかしく,その支援者さんも野田議員には発達障がいの子がいることを隠していたとのこと。

小児科の医師にかかれば,「発達障がい」と診断してもらうことはできるけれど,
一般社会の概念として「発達障がい」という言葉は浸透していなかった。

しかし・・・そのお子さんが暴力事件を起こしてしまい,野田議員に報告せざるを得なくなった。

そのとき,野田議員は,「発達障がい」がどういうことなのかを伝え,
早期発見,早期支援を責任をもって国が進めるため,法律を作ろう,と思ったとのこと。

「法律を作る,という形で私は出来ることをしている」と野田議員は言われていました。

・・なるほど!と思いました。
私たち弁護士は,議員さんたちが作ってくれた「法律」を武器にして戦うことになります。

「法律」が無ければ,どのような「権利」「義務」が発生しているのか曖昧で,「~してください」と誰かに請求することは難しい。
「セクハラ」,「パワハラ」も法律上の根拠が明示されるようになり,義務が明確化してきた一方,
「モラハラ」は言葉としては次第に浸透してきているものの,法律上の規定はないため,まだまだ難しい部分があるのが実態。

まだ,当時は世間一般に知られていなかった「概念」を法律で明文化することで,知らせていく・・・
どの機関が何をすべきなのかを法律で定めていく・・

法律で制定することで,すぐに一般社会の人が知るわけではないけれど・・
まずは,国が守るべき規定に定めることで,行政機関に発達障がいを持つ親,そして本人はサポートを求めていいんだ,ということがはっきりする。

もっと前だったら・・・うちの子をも学校や周りの人に理解してもらうのはもっともっと難しかったと思う。
周りの働く母に聞いてみても,10年前には「発達障がい」という概念が知られていなかったから,自分もなぜこうなのか分からなかった,
子どもをほったらかして,甘やかして育てているのではないか,と先生にも言われた,という話も聞く。

働く母はもともと負い目もあるから・・この言葉でさらに傷つく。
父は何も言われないのに・・母ばかり言われるのはなぜでしょう・・・

改めて「法律」を作ってくれたことに感謝しました。

法律での支援。まずは,「発達障がいとは何か?」を法律で定義して,「言葉」化してもらえること・・・
それによって,やっと他の子らとの違いが分かってもらえる一歩になる・・・

誰にでも出来ることじゃないけど,発達障害を持つ子の母にとって,とても重要な基盤だと思いました~

みなさんは,「発達障害者支援法」知っていましたか?

 

2 でも異質なわけじゃない

一般社団法人 スポーツアカデミーの代表理事倉石宗範先生のお話。
春日井市の幼稚園で障害を持つ子のクラスの支援,特に運動の支援をしていた先生。
今も,学校向けに障害を持つ子でも楽しめる体育指導の指導をして下さったりしています。

グレーゾーンのお話が印象的だった。

真っ白なスライド。

「これは何色?」
「白」

そこから本当に少しずつ黒を混ぜていく・・・

するとある地点で「これは灰色」と感じる。

でも,その「灰色」と感じる地点は人によって実は違う。

発達障がい,グレーゾーンって実はこういう「捉え方の違い」

Aさんがみたら,B君は本当にいわゆる「普通の子」かもしれないけれど,
Cさんがみたら,「グレーゾーン」と感じることもある。

・・そう考えると,発達障がいとそうでない子との差はくっきりと明確なわけじゃない。

「発達障がい」を持つ子は,他の多くの子が出来ることを同じようには出来ないし,感じ方も違うから・・
その意味で言葉で「発達障がい」を定義してもらって,特別な支援をしてもらえるのはありがたい。

でも一方で,他の子と全く違う「異質な存在」じゃないんです・・

「あいつは変だから」って異質なもの,避けるべきものとして扱われるのは発達障がいの子を持つ親としてはとてもつらい・・

真っ白と真っ黒を比べたら,確かに全く違うのかもしれないけれど,
気付かないかもしれないけれど,本当はみんな誰一人同じ人はいない。

学校という集団生活の中では,あまり違いが目立たないかもしれないけど,少しずつ違っているはず・・・

個性が際立っていて・・・迷惑を確かにかけるかもしれないけれど,あなたのお子さんと同じように「人間」です。

外でも大きな声を出したり,じっとしていなかったり,食べ散らかしたりする子供を制御しきれないんだけど・・・
育てている母も,子育ては確かに完ぺきじゃないかもしれないけれど,一生懸命しつけもしているつもりですし,頑張っている母なのです・・
ホント,誤解されやすいけど,放置しているわけじゃない・・・

(先日も喫茶店で息子が椅子をガタガタさせて,後ろの席の人に露骨に迷惑そうな顔をされてつらかった・・・です。

謝っても,黙ってうなづかれただけだった・・)

発達障がいって,身体障碍の場合と比べると,ぱっと見は「普通」に見られるだけに,理解してもらうのは難しいな・・と改めて実感。

(以前感じた理解してもらうことの難しさは,こちらに書いています)

私は自分の子どもが発達障がいってわかってからは,周りで騒ぐ子供たちとその親御さんにとっても温かい視線を向けられるようになったけど,
それまでは,大変なのかも?なんて,確かに想像もできなかった・・・

なので,そういう母子もいるんだ,ということが広まっていって,多くの人に理解してもらえることだけで,
発達障がいの子を持つ母としては,とてもありがたいことだと思いました。

みなさんは,「発達障がいの子」に対してどのような印象を持っていますか?
みなさんは,騒ぐ子を止められない母に対して,「何か理由があるかも?」と思ってみてくださいますか?

 

3 コミュニティ

私と倉石先生伊藤敬子先生らで行われたパネルディスカッション。

伊藤敬子先生は,愛知県内の幼稚園や保育園の子育て支援の場などで発達障がい児のリトミックや,
身体の緊張をほぐすタッチケアなどの活動をされている。

その中で,伊藤敬子先生が,同じような立場のお母さんの話を聞いて,救われたお母さんの話をしてた。
確かに,自分だけじゃなくて,同じように悩んでいるお母さんがいることが分かること,
そして,そのお母さんが乗り越えてきた道のりを知ることが出来ることはありがたい!

何よりも,自分の苦労,つらさを心から分かってもらえるのがありがたい・・

なので,そういうことを分かり合える「コミュニティ」が大切。

私は,自分の子どもが発達障がいだと分かってから,確かに色々と相談したい,と思った。

隙間時間で調べたり,知人に聞いたりして情報を集めた。
(当時の奔走していた状況はこちら↓のブログに書いています)

読むのがおススメの本 https://tajimikikyo.com/?p=1634

発達障がいと分かる前に母親の責任を重く感じていたこと https://tajimikikyo.com/?p=1554

どこに相談したか https://tajimikikyo.com/?p=1568

岐阜県でおすすめの医療機関 障害名の誤解 支援で嬉しかったこと https://tajimikikyo.com/?p=1596

そのころ,発達障がいの子を持つ親のコミュニティも紹介してもらった・・

そして,そこに行こうと思ったこともあったけれど,
仕事が忙しかったり,土,日はむしろ子どもたちと過ごしたい,というのもあったりして参加することはやめた。

でも,発達障がいの子がいて悩んでいる,ということはこのブログやメルマガでも隠さず伝えてきたことから・・
コミュニティとは言えないかもしれないけれど,色々な情報を教えてもらって共有できた。

相談に来るお母さんから,うちの子も発達障がいがあるけれど,夫が理解してくれない・・

「出来るはず」と思って,厳しく注意するから子供が怖がっている・・

先生は「大人の発達障がい」ってどう思いますか?私はカサンドラです・・

という話を聞いて,身近な人が発達障がいの場合にどのように影響を受けるのか実感した。

相談を受ける中で,自分自身の気持ちも理解してもらっている気がして,癒された。

旦那さんが気持ちが分からない人でつらい,発達障がいだと思う,という医療関係者の方からは,

先生はお子さんのうちに発達障がいが分かったから,これから丁寧にケアしていけるので大丈夫ですよ,と励まされたり・・

職場のスタッフもお母さんばかりなので,ただただ話を聞いてもらったこともあった。

・・・そういう意味では,私にとっては仕事の依頼者との関係,職場が「コミュニティ」そのもので,
そこで発達障がいの子を持つ子育ての大変さ,つらさも理解してもらえていたと思う。

でももし,主婦として過ごしていたら,本当に気持ちを共有してもらえる場がなくて苦しいと思う。
唯一の便りは父親でもある夫なのだろうけれど・・

まだまだ日本の社会で,ゆっくりと妻の話を聞いて,つらさを共有できる旦那さんは多くない,と相談を受けていて実感する。

・・・だから,そういうときには,やっぱり気持ちを共有できる人がいる「コミュニティ」に所属するのは大事だと思う。

みなさんは,つらい気持ちを分かってくれる仲間がいますか?

こんな時はどうしたらいい?と聞ける環境がありますか?

まとめ 心とスキルの分かち合い

セミナーに参加して思ったのは,発達障がいの子を持つ母が一番怖いのは「孤独」かな・・ということ。

父である旦那は忙しくで子育てに参加してくれないどころか,話さえ聞いてくれない・・

一人で朝から晩まで子どもを看ている・・

「子育ては母親の仕事だから」

・・こう言われると,突き放された感じがするのは私だけではないと思う。

私もだけど,多くのお母さんはこう思ってると思う。

子どものことが大好き。自分以上に大切。

子育ては母である自分が1番責任をもってやっていくしかない。

・・そんなこと,言われなくても分かってる。

でも,それを人から言われたら・・本当につらい。

私の母がよく言う言葉。

「あんたは母親なんだからやって当たり前。私の子じゃない」

・・めっちゃ手伝ってもらっている母だから,こういわれても仕方ないんだけど,

子育てって母だけが責任を負わないといけないことなの?

「私だって頑張ってるつもりだよ!

これ以上頑張れって言わないでよ。

あんた(母)は,うちら娘が何の問題もない子で楽ちんだったから,そういうこと言えるんだよ」

・・と言ってしまうこともある。

野田議員が言ってた言葉。

うちは旦那から何度も離婚を切り出されたことがある。

「あなたは外ばっかり出ていて,いいね」と。

普通の家庭とは反対です,と・・

男性だって,もし一人きりで障害のある子の育児を任されたら疲弊する・・

離婚だって考えたくなる・・

私も自分が働いていて,外に出る機会も多いからまだ何とかなっていると思うけれど,

障がいのある子の子育てを全部ひとりで担っていたら,とても耐えられない・・と思う。

孤独で,重い責任とこれからどうなっていくのだろう,という大きな不安を背負って・・

気持ちを共有する仲間もいっしょにサポートしてくれる仲間もいないのが,私はやっぱり1番つらいと思う。

・・だから,私たち発達障がいの子を持つ母親が,一番うれしいサポートは,

私たちを「孤独」から救ってくれることだと思う。

まずは,心の孤独から。

発達障がいってどういうことで,どんなことが大変なのか,理解してくれようとすること。その場所があると救われる。

そして,どうしたらいいのかわからないという技術(スキル)の孤独も救って欲しい。

こうしたらいいよ,という具体的な情報の共有。

(私は情報コミュニティとしては,リタリコ発達ナビをよく利用しています)

そして,実際の手助け。

母が休息をとるためのレスパイト支援とか,ちょっと子供を預かってくれるサービス。

一人でやったら重すぎることも・・・

心とスキルで分かち合ってくれたら本当に頑張れる。

・・本当は母が一番助けてほしいのは旦那さんだと思う。

なぜって,あなたの子どもでもあるのだから。

旦那さん以上に子育ての責任を分かち合える人っていないんじゃないだろうか・・

お母さんは,自分の子なんだから,基本的に自分の責任で子育てしなきゃって思ってるから,

ホントは他人には相談しにくい・・・

同じ親として,チームとして助けてほしいって対等なイメージで言えるのはホントは旦那さんだけじゃないかな・・

うちの場合は旦那にそれが言えているから助かっているけれど・・・

旦那にはとても言えない・・理解してもらえない,というお母さんもとても多い。

「俺は仕事があって忙しい」そういわれると聞くと・・

相談を受けるたび,とても苦しくなる・・

「みんなみんな,私よりもずっと頑張ってる!ホントに。」

相談を受けるお母さんにそういうと,とてもホッとされる,泣かれることも多い。

 

私は仕事してるから,朝から晩まで一緒にいるわけじゃないけど,帰ってからの短時間でも一緒にいたらめっちゃ疲れてしまうから・・・

想像したら,本当にその大変さ,分かりますから,心の底からお伝えできる。

 

・・そう,これは私自身が人から言って欲しい言葉なのです・・

お母さんは自分が1番子育てに責任を持たないといけないと思ってるけど,

だからといって全てをまかせないで欲しい,ってホントに思う。

子どものことはもちろん大好きではあるけれど・・・

やっぱり子育てから離れられる時間,ホッとできる時間があるからこそ,頑張れる。

これが伝わるといいなあ・・・

そうしたら,こういう事案での離婚も避けられる気がします・・・

(もちろん,しっかりと子育てを分かち合っている旦那さんもいらっしゃいますが,まだまだ少数だと実感しています・・)

これからも,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,

そして自分自身の子ども達,家族,友人のため,弁護士として,

母として,母子ともに「幸せに生きるための方法」学んでいきたいと思います。

また,野田議員もロータリーがこういうことを取り上げてくれたことを喜んでいただけたようなので,嬉しく思いました。
ロータリーの活動の優先的課題として「母子の健康」があり,今回のテーマを取り上げてもらったのですが,
本当にこういう母親の気持ちを理解してもらって共有してくれようとする活動はありがたいと思っています。

心の健康が体の健康につながりますので,これからも母子を孤独にしないため,

私自身も多治見ロータリーに所属するロータリアンとしても活動していけたらと思います。

引き続き,研究報告,活動発表,致します!

それでは,

このブログを読んで下さった女性の方,特に発達障がいの子を持つお母さんが,孤独から抜け出して,少しでも笑顔で子育てできるためのヒントとなりますように。

また,教育関係者の方々,周りのこのようなお母さんがいらっしゃって,是非そういうお母さんを助けたい!というお優しい方々にとって,どのように支援したら母子ともに幸せに過ごせるお手伝いが出来るかのヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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