子供の「脳」は肌にある~スキンシップが子に与える影響

いつも読んでいただき,ありがとうございます!
今回は,引き続き力を入れている研究テーマ「夫婦」「親子」関係を円滑にするためのスキル
離婚,面会交流など家庭問題を取り扱う上で,知っておきたい親のかかわりが子どもにどのような影響を与えるか,についてです。
「子供の「脳」は肌にある」,「愛撫・人の心に触れる力」(山口創著)を読みましたので,スキンシップが子どもに与える影響についてシェアします。

この内容を知っておくことで,結婚していてこれから子育てをされる方,
やむなく離婚することになりそうだけれど,まだ育てていくべきお子さんがいる方は,
どのようにお子さんに関わり,触れ合うとお子さんの脳に良い影響を与えられるのか,のヒントが分かります。

また,私たち弁護士や調停委員さんのように,離婚などの夫婦関係の調整に関わる者が離婚調停などで,どのような技術を磨き,どのような点を意識して聞くと当事者の悩みを理解できるのか,

そして,どのような「話す内容」に力を入れて話していくと,
裁判所に紛争の背景を説得的に説明できるのか,
面会交流ではどのようなことを意識して話すべきか,のヒントが分かります。

今回読んだ書籍も,以前にこちらでご紹介した元家庭裁判所調査官,飯田邦男元家裁調査官が
「夫婦や家事紛争を理解する上で大変有益で参考になる本」
「スキンシップやハグがいかに大事かを説明したもので,親の子どもへの関わり方について教えてくれる本」
として紹介して下さった書籍です。

飯田先生が紹介して下さった本を読んで思うことは,
私ももっと自分の子どもたちが小さいときに知りたかった!ということです。
小さいお子さんがいらっしゃる方には,特にぜひ知って欲しい!と思いましたので,お伝えしたいと思います。

スキンシップは人間の脳にどんな影響を与えるのか?
母親,父親のスキンシップで子供に与える影響の違いは?
スキンシップが育てる○○の心,スキンシップで癒される○○の心とは?

をお伝えします♪

1 スキンシップが脳に与える影響

人間に最も近い哺乳類「サル」の実験によると・・

母親から引き離されて育ったサルは,睡眠障害が生じたり,
免疫系など身体面の障がいが現れたりする。

そして,体を丸めると言った抑うつ的な行動が増加し,
体温,心拍,脳波までも異常が現れてしまう。

他のサルの表情の理解が困難になり,
他のサルに対して過度におびえたり,逆に攻撃したりというような「社会性」の異常がみられ,
性行動にまで障害が出てくる。

これは,生まれて間もない時に,「触れる―触れられる」という経験なく育ったために,
仲間との付き合い方,適切な距離の取り方を学べなかったから。

実験結果によると,肌への柔らかい刺激が
免疫系の回復・身体の機能を正常に働かせるために必要だったとのこと。

父親であっても,母親と同じような柔らかいスキンシップが出来ればいいのかもしれないけれど,

やはり,こういうスキンシップは女性である母親が得意とする部分も多いと思う。

そう考えると,もし離婚したとして父親が子供を引き取ることになったとしても,

出来るだけ母親とのスキンシップが保たれるような環境,面会交流はとても大事に思った。

もっとも,もっとビックリしたのは,母親自体も,もともと「母性本能」があって,
あったかいスキンシップをすることが出来るわけじゃなくて,

自分自身もそういうスキンシップを子どものときに受けてきたからこそ,
出来るようになるとのこと。

そのために,母から隔離して育ったサルは,自分が母親になったときに,
子どもを荒々しくはねのけたり,突き飛ばしたり,蹴飛ばしたり,
もしくは全く無関心になってしまったということ・・・

「虐待の連鎖」と言われるのも,こういう背景があるんだな,と改めて思いました。

だから,温かいスキンシップが出来るような親,大人になるためにも子どもの頃のスキンシップ,

特に母親が得意とするような優しく触れるスキンシップが重要なのだと思った。

みなさんは,スキンシップが子どもさんの脳,大人になったときの社会性にどれだけ関わるのか,知っていましたか?

2 母親とは違う父のスキンシップの与える影響

著者の行った実験。

学生に子供のころに父,母とどのようなスキンシップをしてもらったかの調査と
親への愛着タイプ(安定型・アンビバレント型・回避型)を判定する心理テストを実施。

その結果,
母親とのスキンシップが多かった学生は,
安定型になる傾向が高く,アンビバレント型になりにくという結果が出た。

「安定型」は,比較的容易に他者と親しくなれるし,
人を頼ったり人から頼られたりすることも気楽にできる。
自分が見捨てられるのではないかと心配することもないし,あまり親しくしてくる人に対し不安を覚えることもない。
・・理想的,と思われる愛着タイプ。

「アンビバレント型」は,他者がいやいや自分と親しくしてくれているのではないかと思うことがある。
恋人が本当は私を愛していないのではないか,私と一緒にいたくないのではないかと心配になることがしばしばある。
他者と完全に一体になりたいと思うが,それが時々結果的に相手を遠ざけてしまうことになる。
・・のめりこんだり,嫉妬したり,感情の起伏が激しいタイプ。

一方で,父親とのスキンシップが多かった場合・・・
母親のタイプに関わらず,回避型になるのを防ぐ傾向が見られた。

「回避型」は,他者と親しくなることは,何となく重荷。
人を心から信頼したり頼りにしたいすることがなかなかできない。
誰かか必要以上に親しくしてきたり,
恋人からちょうど良いと感じている以上に親しくなることを求められるとイライラしてしまう。
・・他者への不信感が強く,親密な関係を持つことに不安や怖れを抱きやすいタイプ。

父とのスキンシップが多いと,この「回避型」になりにくい,つまり,
「人と協調して何かをしていく能力」が伸ばされる,ということ。

母親とのスキンシップは,自分が受け入れられ大切になれているのだという自信を高め,
その温かさから「人は信頼できるものだ」と肌で学ぶのに対し,

父親とのスキンシップは,世の中に意識を向け,
人と協調して自分を出したり引っ込めたりするような社会性を伸ばす・・・

この違いは,母のスキンシップが抱っこ,添い寝,母乳を与えるなどの
「世話」としてのスキンシップが多いのに対し,

父とのスキンシップは,「あそびをする」「泣いているときに抱きしめたり,
頭をなでる」などの「コミュニケーション」としてのスキンシップが多いからとのこと。

高校生に行った調査では,いわゆる「キレやすい子」は,
乳児期の母親とのスキンシップ不足が影響している,とのこと。

・・なるほど,と思いました。
やはり,父親と母親にはそれぞれ得意なスキンシップがあり,
その結果が子どもに与える影響も違う。

両方共のスキンシップが子どもにとっては大事なんだな,と思いました。

もし,離婚した場合・・・今は面会交流をネット環境を接続して行うことも出来ると思うし,
その意味では色々な方法が増えてきたと思うけれど・・

やっぱり,直接肌を触れ合う体験も大事だと改めて思いました。

みなさんは,父親と母親のスキンシップで子どもに与える影響の違い,知っていましたか?
父親とも母親とも十分なスキンシップがお子さんにはありますか?

3 思いやりを育て,不安を癒す  

これまでのお話で,

スキンシップが,体の健康状態までに影響し・・・

将来人間関係を築いていくために大きな影響を与えることが分かったのだけれど,

スキンシップをすることで具体的に得られる,望ましい「心の在り方」は何か。

 

その1つが,「思いやり」

「思いやり」の気持ちは「思いやられること」でしか生まれない。

子どもは,泣いたり笑ったりしたときに,

親がオムツを変えて不快を取り除いてもらったり,
笑いながら触れてくれたりして,心地よく感じる体験をする。

これを通じて,人の気持ちを「思いやる」という感覚,基礎が持てる,ということ。

 

そして,スキンシップは心の傷,不安も癒す。

マイアミ地方をハリケーンが襲ったため,こどもたちが,
PTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しんでいた。

その子らを2つのグループに分けて,1グループにはマッサージを定期的にし,
もう1グループにはリラックスのためのビデオを同じ時間見せた。

その結果,マッサージを受けたグループだけが,PDSDの症状も
抑うつ状態も非常に軽くなった,とのこと。

・・スキンシップは,不安な心,精神的なストレスも癒してくれるのですね。

離婚,という経験は,ライフイベントの中では,配偶者の死に次いでストレスのかかる体験。
親の離婚,と考えた場合,子どもたちにとってもやはりストレスのかかる体験だと思います。

なので,ご本人はもちろん,子どもたちも大きなストレス,
不安を解消するためにスキンシップを取ることは大事だと改めて思いました。

ご相談の中で,離婚の話合いが続いている最中に,お子さんが不安定になり,
不登校気味になったりしてしまうことも多く聞くので・・・

それが全ての解決策になるわけではないけれど,
そういう場合にはスキンシップを多めにすることも大事かな,と思いました。

みなさんは,スキンシップが思いやりの心を育てること,知っていましたか?
不安やストレスを解消するために,スキンシップを使うといいと知っていましたか?

 

まとめ 人間関係を温かくするスキンシップ

夫婦関係を円満に保つにもスキンシップはやはり重要。

著者の「最も印象に残るスキンシップ」の調査で,母親の書いていた言葉。

「(夫の)ちょっとしたやさしさに深い感動を覚えます。『坂を登るときに差し伸べてくれる手。』『自分で揉んでいる肩を,そっと後ろから揉んでくれる手』そんな小さな優しい気持ちに,深く感動するのです」

・・確かに私もいろいろつらいことがあったときは,

夫が優しく触れてくれる手,背中を抱いてくれる手にすごく癒される。

こういうさりげないスキンシップに優しさや愛情を確認する・・・

70過ぎた母親にもいまだに抱きしめてもらうこともあるなあ・・・

最近は,娘や息子とを抱っこして癒されることも・・・(笑)

中2の娘も今は思春期で普段は私が触れることも嫌がることが多いのだけど,

自分に不安があるときは,何となくベタベタしてくれるのを感じる(喜!)

私の友人の中には,必ず最後に握手をして別れる人(男子)がいるけど,

やっぱり肌のふれあいがあると,すごく心が温かくなる気がする・・・

 

以前,先輩でいつもお世話になっている司法書士の加藤健治先生が

「最後に握手して,肩をたたいて「大丈夫だよ」と言ってあげるととご相談者が安心する」

というような話をされたので,

やってみたら,ご相談者が涙を流されて,すごく勇気づけられた,
弁護士の先生がこんなことをしてくれるなんて・・って言われたなあ・・

最近ちょっと照れがあったり,嫌がらないかなという恐れもあってやっていなかったけれど,

またやってみようかな・・と思ったりしました。

スキンシップ,触れ合うことは,「言葉」だけでは伝わらない愛情を伝えたり,

相手の心の傷を癒す力がある,人間関係を円滑にする力がある,と改めて思いました!

離婚手続き中で心を痛めている方を法律問題の解決だけでなく,

心も癒しながら進んでいけるよう,マッサージなどで心を癒せる方との
連携も必要だなと思います。

私自身も今,夫婦間カウンセラーとしてのスキルを勉強して,

法律知識だけでなく,さらに心にも寄り添える弁護士になれるようにスキルアップ中です!

スキンシップについても,取り入れていきたいな,と思っています~

みなさんは,心を癒し,人間関係をよくするスキンシップ,意識的にしていますか?

それでは,このブログが読んで下さったみなさまが,子どもに触れることの大切さに気付き,
ストレスや不安をうまく乗り越えるためのヒントとなりますように。

そして,夫婦関係の紛争に関わる方にとって,子どもの健全な発育のためにどのような触れ合い,交流が必要なのか,を考えるヒントとなりますように。

家庭生活の心の充足,人間関係をよくするスキルは,
仕事での力の発揮に直結すると感じています!

なので,仕事で成果を出すためにも,この夫婦関係,親子関係,
人間関係を円滑にするための研究を続けていきたいと思います!

これからも,親子,夫婦関係にとって大切なこと,心を癒すスキル,磨いていきます!!
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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