
「事業承継時,14億,スタッフ20人の会社から38億,70人の会社へ」
そういうすごい実績がある女性社長さんなのだけれど・・・
そういうタイトルではなくて「老舗つっぱり棒メーカー跡継ぎ娘の挑戦」というタイトルで,私たち受講生と同じような立ち位置で話してくれた竹内香予子先生。
少し前になりますが,令和7年7月11日,私が入会していた「とうしん青年経営者クラブ」にて,2015年につっぱり棒の業界トップシェアメーカー「平安伸銅工業」の三代目社長に就任した,竹内香予子先生の講演をききましたので,シェアします♪
三人娘の三女。当初は家業に対してポジティブな感情を持っていなかった先生。
でも,先代である父の病気がきっかけで,家業に関わるようになり,その後,改革によって,冒頭のような実績も挙げた。
それまでにどんな順番で,どんなことをしたのか,何が失敗して,何は成功につながったのか・・最後まで,どんな話になるのかワクワクしながら聞けました!
特に,起業する一代目の経営者とは異なり,事業承継する経営者, 後継者としての工夫の仕方,は印象に残りました。
どのようにしたら,頭打ちになり,ジリ貧で事業縮小していくような状況から回復できるのか・・?
これまでの言わゆる昔ながらの成功哲学,男性的な成功方法とは異なる「ヒント」もたくさんあったので,紹介したい!と思いました。
既にある「事業」を変革させながら成長させていく♪そのためには・・・
正しい経営計画,経営戦略を立てることことこそ大事,は誤り?
後継者が自分らしい経営をしながら成功することは可能?
新しい市場を作ると売上げは上がる。新しい市場のつくり方は?
私が自分らしく働きながら,後継者も業績を上げていくために必要!と感じたことから3つを絞ってお伝えします。
1 エフェクチュエーション
ちょっと,大雑把な説明,私なりの把握になるのだけれど・・
これまでは,目標,商品を売りたいターゲットを定めて,そこに向かっていくように経営資源を配分する,という経営戦略が主流だった。
そのために出来るだけ正確な経営計画,経営戦略を立てることこと大事。
でも,これだと予測が不確実な場合や使える資源をあらかじめ限定してしまうことから行き詰ってしまうことがある。
そうではなく「手段」,今持っている資源から考える。
それが「エフェクチュエーション」なのかなと思った。
香予子先生は老舗つっぱり棒メーカーの後継者だから,既にこのつっぱり棒の「技術」「資源」がある。
これをどう活かしていくのか・・から考える感じ。
なるほど!
これって,女性経営者には特に向いているかも。と思った。
不確実な計画を実行可能な計画のように思いこんで,大きな借金も抱えて事業を展開していく。
結果として大成功することもあるのだけれど,リスクも大きくて,一歩踏み出すのが怖い。
狩猟民族の頃の役割は,女性は守る側だったこともあるのかな,と個人的には思っているけれど,こういう多額の借金,負債を抱えながらのスタート,多額の負債の保証人になるのは怖い,という話は女性の方から聞くことが多い。
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」の書籍も紹介して下さったので,読んでみたいと思います!
2 自分にしかできないこと
「自分にしかできないこと」で「必要とされていること」。
確かに,自分だけしかできないことでも,必要とされなければ商売にはならないし,必要とされていることをやっても,他の誰でも出来ることと思われたら,選んでもらうことが出来ない。
香予子先生は,今ある「つっぱり棒」をつくる技術に自分の「強み」を分析して掛け合わせていた。
産経新聞社に入社して,メディア関係の仕事をしていた香予子先生。
婦人向け雑誌の仕組みや,どうしたらメディアに取り上げてもらいやすいか知っていた。
・・確かに,だからこそ,テレビなどのメディアにもたくさん取り上げられていて,紹介されている。
あとは,「仲間を巻き込む力」とご自身の持つ「強み」としてあげられてた。
だから,新商品の開発も社内,社外の人と話し合いながら,進められてた。
このあたりは・・先代の社長さんとはタイプが違うかも,とお話を聞いていて思った。
こういう直接仕事につながる,と思えるような「強み」「特徴」でも,それを元々持っている技術にかけ合わせれば,その人らしいアイディアにつながるんだな・・
最近やっと気づいた私の強みって文章を書くこと。これが好き。多分話すよりも書く方が好き。
弁護士の仕事とあまり関係なく,これまで興味をもって経験してきたこと・・・
子育て,公的機関で働くこと,経営者通しの集まり,勉強会への参加。神社巡り。話し方の研究。
人間関係,コミュニケーション,人の心を動かすこと。「ハラスメント」「支配」の構造。
法律業務,裁判所の業務とかけ合わせたら「自分にしかできないこと」につながるかな,と思った。
私の大好きな斎藤一人さんが言ってた,「レモンをもらったらレモネードを作る,梅があったら,梅干を作る」という話を思い出した。
そのままで使うのは難しいものも,ひと手間工夫とアイディアを加えれば美味しいものになる。
3 新しい市場(文化)を作る
エフェクチュエーションの考え方で今ある「つっぱり棒」の技術を使って商品開発をしていた香予子先生。
スタッフさんの意見も取り入れて,これまでなかった小さな隙間にも入るような「つっぱり棒」の商品開発もした。
けれど,これだけでは,今既にあるホームセンターで自社が持っている「一区画」で何を売るのか,その選択肢が広がるだけ。どんどんマイナーチェンジ,ニッチ商品となるだけで,売り場そのものを広げることにはならない。
これは既にある「顕在化した」顧客のニーズに対応していたから。
コモディティ化した技術≒枯れた技術をどう使うのか,「新しい用途(使い方)」を考えるのが大事。
新しい市場,新しい文化を作る。
例として,ウオシュレット,水泳帽をあげていた。
ウオシュレットの「水が噴き出す技術」というものは元々あったコモディティ化した技術。
でも,それをお尻を洗うことにつかうという「用途」「文化」はなかった。
水泳帽子も,「繊維を編み込む技術」というのは元々あった技術。
でも、それを泳ぐときに被る防止として使うという発想はなかった。
今では当たり前のように水泳時には水泳帽子をかぶるけれど,以前はそんな「文化」はなくて,だからこそ爆発的に市場を拡大した。
香予子先生の会社「平安伸銅工業」で大きく売上げを伸ばした商品2つ。
「DRAW A LINE(ドローアライン)」
→黒を基調とするつっばり棒を使って,ルームライトスタンドなどオシャレな空間を作る。
これで,ホームセンターではなくて,インテリア,家具の売り場,市場で売る。
元々黒いつっぱり棒って,色々研究されても売れなかった・・というから,発想がすごい。
「LABRICO(ラブリコ)」
→DIYのための商品。つっぱり棒におしゃれなカラーの「突ぱりキャップ」を使って壁を傷つけずに収納スペースを作る。
DIYに慣れていない方や女性でも手軽に作れて、また安全面でも確かなものを目指している。
これだと確かに賃貸マンションでも壁を傷つけずに収納スペースをオシャレに作れそう!
違う市場で売るために,これらの商品の価格は高くしやすく,利益率は,従来の「つっぱり棒」よりかなり高い。
比較される対象,競合の価格が変わるから・・・なんだなと思った。
この話が一番印象に残った。
「法律」の使い方をどう広げていくのか・・?
もしかしたら,少しだけど「離婚調停での話し方」を学ぼうという新しい文化作ることのお役に立っているかな。
もう少し,違う市場でもこの大好きな「法律」を使ったスキルが気楽に使えるよう考えていきたいな・・と思った。
「新しい市場のつくりかた」の書籍も紹介して下さったので,こちらも読もうと思う。
まとめ ふわふわ
・・今回ももしかしたら,失礼かもだけど,私が香予子先生から受けた印象は「ふわふわ」。
「つっぱり棒」の商品自体,響きは固いけど(笑)
従来の堅い感じの経営者の話,「上から目線の話」ではなくて,「七転び八起き」としての今の状況をお話しします,という柔らかな感じの話し方が素敵だった。
38億まで伸びたけれど,正直に今は32億となって足踏みしている感じの話もされたところも素敵!
もちろん,しっかりと経営の勉強もされていて,論理的ではあるのだけれど,何と言っても!「えらそう」じゃない。
講義の途中で「手を振ったり」・・勝手に親近感を感じた。
これからは,こんな感じの経営者が増え,成長されていくのかなと思った。
それまでの仕事をやめて,香予子先生の会社に入社し,仕事を支えている旦那さんとの関係,家庭,プライベートの在り方も素敵だった。
『見方を変えれば親の会社という基盤があるのはすごく恵まれていて、ありがたいこと』
ファミリービジネスに対して当初は否定的だった香予子先生に旦那さんが言った言葉。
「その基盤を生かすことは私にしかできないこと」。
これ自体が,香予子先生の持っている「強み」なのかも。
色々と他で掲載されている情報をみると,社長になってから「妊活をする」と言って出産,育児期間中にスタッフにこれまで自分がしてきた仕事を任せたりもしてた。
大きな目標を立ててそれを目指す,というよりも,着実に一歩ずつ,身の回りにある資源を生かしながらできることをチャレンジし続けていく感じ。
もちろん,売上を上げるために行った色々なチャレンジの失敗も紹介して下さっていた。
行動はしないと進まないし,失敗ももちろんある,と改めて思う。
失敗が致命的な痛手とはならないように,撤退LINEを決めて,小さく始めていくことも大事。
私が約10年間お世話になった「とうしん青年経営者クラブ」の卒業式となる講演会で,またまたとっても素敵な女性講師の先生のお話を聞けて,嬉しかったです♪
(冒頭写真は,新しく選任された林航会長との記念お写真にしました♪)
今後もますます「とうしん青年経営者クラブ」が発展されますこと,祈念しております~~
このブログを読んで下さった経営者,リーダーの方にとって,事業承継時の改革,業績アップのためのヒントとなりますように,そして,すべての皆様にとって,人生を楽しみながら,自分の強みと資源を活かして,ワクワクしながらお仕事するためのヒントになりますように…
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!