いつも読んでいただき,ありがとうございます。突然ですが,あなたにもしお子さんがいらっしゃったら,「なんでうちの子は主体性がないんだろう・・もっと積極的に勉強したり,授業でも積極的に発言して欲しい!」と思ったことは無いでしょうか・・?
今回のテーマは,多治見市の教育委員をさせていただいている立場でもあり,中学生と小学生を育てる母でもある立場から学んでいる「主体的な」生き方,学び方です。
(写真は,先日教育委員としての研修を受けた岐阜市のメディアコスモスです。人間の創造物ってすごい!見た目がきれいでワクワクします!)
その研修資料にも記載されていましたが,本年から実施されている新学習指導要領では,「主体的・対話的な深い学び」の実現に向けた授業改善が必要とされています。
「主体的」って,そもそも何でしょうか・・?
文科省の定義はあるのだけれど,分かりやすく一般的な意味を考えると,「言われたからやる」「嫌々やる」ということではなくて,自ら考えて,興味を持って,ワクワクしながら自ら進んで「積極的」にやる姿,ということだと思っています。
大人になったら,誰かから「勉強しろ」と強制されることはほぼ無くなる中で,自分のよりよい幸せな人生のために何を学んだらいいのか,自分で選んで進んで,積極的に学べる人になって欲しい・・と親として,また,多治見市の教育に関わるものとしても思っています。
そこで今回は,私の息子と娘から学んだ先生の素晴らしい教え方が,子どもに自信を与え,主体性を与えてくれることについてお伝えしたいと思います。
私の子どもたちの話を聞いて,先生の指導方法で,子どもたちが主体的に学習に取り組む意欲は全く違ったものになる・・・
改めて先生の力ってすごい!と思いました。
私のように母親,父親としても,子どもが自信を持って自らワクワク学習に取り組むためのヒントにもなると思います~
子どもが授業が楽しくなるのはどんな時・・・?
先生のこの声掛けで私の子どもは自信を持って,手をあげられるようになりました!その声掛けとは?
娘(中3)があの先生の授業は「神」という,その授業の内容は?
子どもに自信をつけさせ,学習意欲を高め,主体的に取り組んでもらうための秘訣・・
気づいたことを3つ,お伝えします。
1 発言を具体的に拾ってくれる(息子の話)
現在小学5年生の息子。
今年から普通級になりましたが,昨年までは支援級に所属していて,発達障がいがあります。
その担任の先生T先生の話。
国語の授業「なまえつけてよ」
主人公と対役は誰か?という質問で,うちの息子は,迷いながらも,他の子たちとは違う登場人物を「この人だと思う」と発表。
(普通そうでしょ,というのとは,違う考え方をするのが,うちの息子の特徴でもあります,(笑))
その時の先生の言葉・・・
「○○君の発表はとても良かった。良かった点は2つあります。
一つは,他の子とは違う一人だけの意見でも勇気を持って言えたこと。
そしてもう一つは,違う意見を言ってくれたことで,他のみんなの議論が深まったこと。」
息子が帰ってきてから,とても嬉しそうに話してくれた。
「国語の授業が楽しい」
「先生が,~って言ってくれたんだよ」
この話を聞いて,私はとっても嬉しかった。
息子は比較的,他の人と違うことにあまり抵抗はない方なのだけれど・・
先生がこういう風に息子の発言を具体的な意義づけをして「拾ってくれた」おかげで,
より自信を持って発言できるようになった・・
授業が楽しくなった。本当にありがたい。
きっときっと,他の子どもたちも,
「あ,どんな意見でも言っていいんだ!」と勇気を持てたと思う。
もしこれが・・・
「いいえ,違いますね」
という受け答えや,
「(無言で)他に意見がある人いますか?」
という受け答えだったらどうだっただろう・・
・・二度と発言したくなくなったかもしれない。
主体的に取り組むには,自分の意見を受け入れてもらえる,
聞いてもらえる楽しさを知ることからかな・・と思った。
私も,親として,子どもたちの発言を出来るだけ,具体的に拾って,褒めていけたらと思う。
みなさん自身,この先生の声掛けで勉強が楽しくなった!という経験はありますか?
もしあったとしたら・・・それはなぜだと思いますか?
2 分かりやすい言葉で書いて褒める(娘の話)
息子の話をしていたら・・・
以前の理科の先生H先生の授業が神的だ,と話し始めた娘(中3)
なぜ?と聞くと説明してくれた。その1つ。
H先生は,ノートにまとめを書いていると,回ってきて,一人一人見てくれる。
そして,〇を書いてくれて,「天才」「スーパー天才」と書いてくれたりする。
人(声をかける生徒)によって,言う内容も違う。
途中でとまっていたら,「こうゆうことがあるやん。するとどうなる?(とヒントを与えてくれて)」
分かると,「それを書けばいいんやって」と後押ししてくれる。
先生が〇を書いてくれると,ああ,発言して大丈夫なんだって思える。
だから,手をあげられる。
そして,「スーパー天才」とか書いてもらえると嬉しい(自己肯定感が上がる,と表現してた!)
ぶつぶつほめながら回ってくれるから,周りの生徒も気づいて,「ナニナニ。何書いたの?」という会話になって,自分で説明すると,「わ~すごいね!」と他の生徒からも褒めてもらえる。
殆ど生徒たちの手が挙がらない授業がある一方で・・・
H先生の授業は,全員の手が挙がることも少なくなかったとか。
自分が図を書いてまとめていると,「マジ素晴らしい」と言って,テレビ画面に映してくれる(ICTの活用かな)
安心して発言していい,と思えたら,やっぱり子どもって主体的に手をあげていけるんだな・・
一人一人違う点を見つけて褒めてくれると,「自信」につながる。
自信がつくと,積極的に授業に関わっていける・・
自分のことを見ていてくれる,「承認」してくれると,書いたりするのも,発言するのも楽しくなる。
「手を挙げて!」と言われても,間違っていたらどうしよう・・と思いがちで,手を挙げにくい娘。
安心して,書いたり,発言できる場の雰囲気なら,子どもたちが自ら進んで行動できるのですね・・・
こういう先生の授業はありがたいな~
私も親として,具体的に子供たちのすることを見て,〇をうったり,他の家族に「ここがすごいよね!」という声掛けをするのも大事だなと思いました。
子育て中の父母のみなさん,お子さんは,積極的に手を挙げられるタイプですか?
先生のどのような声掛けがあったら,勇気をもって手を挙げられそうですか?
3 ツールの準備と考える時間(娘の話)
H先生の神的授業の要素,その2。
娘にさらに,「なぜ,先生の授業は他の先生とは違って,いいんだろう?」と重ねて聞くと,次々出てきた。
黒板のまとめが分かりやすい。
後で,振り返るときに,そのままノートを見れば,何をやったかが分かる,という。
「どこが,他の先生とは違うんだろう?」とさらに聞くと・・
図や写真も多く拾って,色も使う。分かりやすい。
実験も図があるので,ビフォアーとアフターの様子がどこが違うのか,分かりやすい。
結論だけを淡々と言わない。なぜそうなるのか,自分で考えさせてくれる。
プリントも穴埋め形式で,自分で考えながら,最後に埋めていく。
実験が思い通りにいかないこともあるけれど,それもなぜそうなったのかも含めて解説してくれることで,
意識がバラバラなまま,最後の結論に行かず,納得感がある。
「実験結果違うけど~」というところで思考が止まってしまわず,みんなが理解できる。
先生がまとめを書いた後に,さらに自分なりにまとめる時間をとってくれる。
まとめを書いているときに,どうやって考えたのかを聞かれる。
「こうやってこうなったから?」と質問されることで,振り返って深く考えられる。
・・色々要素はあるけれど,まとめると,どうしたら生徒が自分で深く考えることが出来るのか,
思考の過程を後にも振り返られるのか,を考えて先生が資料を準備してくれていること,そして,考えるための時間とツール,声掛けをしてくださっているのが分かります。
やっぱり,相手に主体的に深く考えてもらうためには,そのための資料,ツールを準備することが大事なんだな,
と改めて思いました。そのような先生がいてくれることに感謝!
私も事業主,経営者として,やはり,スタッフや依頼者の方にもどうしたら求める効果が出るのか,常に考え,準備をし,必要な道具(ツール)を使っていくことが重要なことも改めて実感しました。
親としても,子どもに深く考えてもらえるような教材を選ぶこと,その教材を使ってさらに学びを深めるために
「なぜそう考えたのか?」と声掛けをしていくことなども重要だと思いました。
この点は,教材選びを夫が「主体的」にやってくれていて,私では思いつかないような面白くて,学びを深めるものを選んでくれているので,ありがたいな・・と改めて思いました。
みなさんご自身は,どんな教材だとやる気が上がりますか?
どうしたら,子どもが自分で考える時間を持つためのサポートが出来そうですか?
まとめ 主体的で自信を持てる子を作るには?
やっぱり思うのは・・・
「主体的になりなさい」「手を挙げなさい」「自信を持ちなさい」
という結論を求める命令だけでは,子どもたちは決してそうなってはくれない・・ということ。
そして反対に,自然と主体的になり,自信を持てるのは,
関わる大人であるこちらが,そのようになるように意識的に行動し,声掛けをしているから・・・
それをしてくれている先生方が多治見市にいてくださっていることを改めて知って有難く思いました。
親だけでは,こういう声掛けをするのは限界があり・・
他の生徒の意見を聞きあったり,褒めてもらいあったりできるからこそ,自信につながる。
我が子の自信や意欲を高めて下さる学校の授業や先生の存在には,本当に感謝しています!
「どうしたら,相手(子どもたち)が進んでやってくれるのか・・?」
「そのために,自分は何をしたらいいのか・・?」
を「主体的」に考え続けることが,子どもたちを育てる「教育」に関わる大人のスキルとして大切なのですね。
でも,こういう「主体的」な考え方が出来る大人になるには・・
その前に自分自身が「主体的」になれるような言動を他の大人からしてもらった経験がいる・・
だからこそ,子どもの頃に自信を持てる体験をすること,主体的になれる教育をしてもらえることって,
本当に大切なのだな,と思います。
以前はやはり,どちらかというと「正解は必ず一つ」「一方的に教える」という部分もあったと思いますが,
これからは,息子の先生がしてくれたように,様々な意見があって,他の人の意見も聞くことで,より自分の考えを深められること,そして,「その時自分はどう思うのか」を考える訓練をしていくことは,今後の社会を生き抜いていく力として大切なのではないかなあ。
あと・・個人的にこれをしてもらえるとうれしいな,と思っているのは,
子どもたちの「ボケさえも拾う」というスキルです(笑)。
ふざけすぎてはいけないのかも知れませんが・・
H先生は,生徒がわざとボケた発言であっても,「いいね~。違います(笑)」という感じで,一旦は拾ってくれるそう。
そうしてくれると,本当にどんな発言でもしていいんだ!という場の雰囲気が出来て,安心して発言できると思う。
私も子どもたちが何かを私に話しかけてくれたら・・
とりあえず,「違うよ」と否定から入ることをせず,「なるほど!面白いね」から入っていけたらいいな,と思っています。
仕事で関わるスタッフ,依頼者の方々に対しても,否定から入らない,無視(スルー)をしない,を意識していきたいな,と思っています~
これからも,自分自身の子ども達,家族,友人のため,そして,弁護士として,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,母としても,自分自身も周りにいる家族や友人も「幸せに生きるための方法」学んでいきたいと思います。
子ども達や身近な先生方から学ばせていただいて,本当に感謝しています。ありがとうございます。
引き続き,研究報告,活動発表,致します!
それでは,
このブログを読んで下さった教育に関わる先生方が,子どもたちが自信を持ち,主体性を持って行動できるようになれるよう,主体的で深い学びをするための方法として一つのヒントとなりますように。
また,子育て中のお父さん,お母さんが,子どもが自らやる気になって学び,自信を持てる子になるために何をしたらいいのか,具体的に考えてみるヒントとなりますように。
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!