多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

多治見で1番有名な女性経営者の妙手~ヤマカグループ加藤智子さん

多治見で1番有名な女性経営者の妙手~ヤマカグループ加藤智子さん

いつも読んでいただき,ありがとうございます。

今回は,私が地元多治見市の女性経営者として尊敬する
ヤマカ株式会社,ヤマカ陶料株式会社,ヤマカ興産株式会社という
「ヤマカグループ」社長の加藤智子さんのご紹介です♪

智子(さとこ)さんは,地元多治見市の女性経営者としてはおそらく1番有名であり(木下調べ),
岐阜県中小企業団体中央会レディースクラブ初代会長,全国レディース中央会副会長,
岐阜県女性の活躍推進検討委員会委員長をされるなど,

岐阜県,全国でも女性の活躍,女性経営者を引っ張る活動をされています。
そして,グループ会社としては,創立120周年を迎えた100年企業です。

(ホームページはこちら https://www.ymk-toryo.co.jp/

私が多治見ロータリークラブでご一緒させていただいている智子さん,
3つの会社を切り盛りする女性経営者として,ずっと,どうやって経営をされてきたのか気になっていました・・
やっと,ロータリーのインターシティーミーティングでお話を聞くことができました!

智子さんが先代の夫から1982年に事業を承継してから37年。
事業承継のコツ,特に女性が事業を引き継いで成功するためのコツ,
という意味でもとても興味がありました。

そのコツは,ひと言で言うと・・

誠意と判断力。

かなり久しぶりの「地元企業が日本を変える!」シリーズ~

智子さんのお話から,私なりに女性経営者,事業承継で成功するためのコツを分析してみましたので,
みなさまも参考にしてもらえたら嬉しいです♪

 

その1 迅速な判断力!

智子さんは,3代目社長であった夫の死亡により,社長となられました。
当時,会社は4つあったそうですが,悩んだ末,陶器製造部門をである会社をたたむ決断をされたそうです。

多治見は陶器の街であり,陶器の製造というのは,地元の会社にとって,思い入れがあります。
なので・・・なかなか切り捨てることが難しい部門です。

しかし,智子さんは,その決断について,「多治見の人ではないので諦めが早い」と謙遜して話されていました。
当時は色々と反響も大きく,ご主人であれば,しなかっただろう・・とも周りから言われたそうです。

でも,その決断があったからこそ,現在もヤマカグループが継続できたのではないか,と思いました。
一度,決めたことを方向転換して早期に撤退するということは,なかなか難しいと実感します。

これまで頑張ってきた自分の存在を否定されるような気持ちになったり,関係している職員,取引先などのことを考えてしまうから・・のように思います。
しかし,それが出来ないために,倒産に至る地元陶磁器産業の会社を私も弁護士として,見てきました。

改めて「捨てる」という決断の大切さを感じました。
しかし,「諦めが早い」という,おごらない表現も奥ゆかしくて素敵です♡

私も,色々とチャレンジをしていきたいと思っていますが,ダメと思ったら,撤退する勇気を持ちたいと思います!

 

その2 誠意,一生懸命!

智子さんが,事業承継をした当時,労働組合との深刻な係争が続いていたようです。
しかし,智子さんは,ご自身がしっかりと夜まで話合いの現場に立ち会い,
一生懸命に誠意を持って話をする,ということを続けたそうです。

その結果,会社の閉鎖に伴い,退職する職員についても,
通常よりも上乗せして退職金を支払うなどして,円満に閉鎖することが出来たそうです。

智子さんが承継した当時は,2代目社長である義父が存命だったようですが,般若心経を唱えた上,義父に閉鎖の気持ちを相談し,理解も得て,進めたという話もされました。


また,智子さんは,私の身近なところでは,家事調停委員をされていたり,私が今させていただいている多治見市教育委員会の委員(岐阜県の教育委員会会長も)もされていました。
国際ソロプチミスト多治見初代代表,多治見ロータリークラブ会長などもされてきました。(他にも多々あります)

その中で,あまり「役職」が多くなると,順番に前の役目は断ってきた,というお話をされていました。
その理由は,与えられた仕事は全力投球したい,「真剣」に,「一生懸命」やりたいので,ということ。

判断力,決断力がありながらも,独善的に進めていくのではなく,周りの方と誠実に対話をし,いつでも「真剣」に取り組む姿を尊敬しました。

義母や夫の介護についても,食事を病院まで届けたりする「優しさ」「あたたかさ」もお話の中から感じ,女性としての料理,労りなどの力の強さにも驚きました。


私は・・・智子さんの様に美味しい食事は作れないし,着物を自分でキレイに着られたりも出来ないけれど,
せめて,誠実で優しく,かついつでも真剣に与えられた仕事はやりたい!
子育ても,家事もする以上は真剣に・・・

社長が真剣に取り組む姿,周りの人と対話し,誠実に答えようとする姿は,周りの方々,スタッフにも応援してもらえる気がします!

 

その3 甘えずおごらず

智子さんが事業を承継した際「あんな女に出来るのか」「女だてらに・・・」と言われることも多かったようです。
今では,表だっては少なくなりましたが,実際には耳にしますから,
37年前の当時でしたら・・・もっとずっと多かったと思います。

1社を閉鎖すると決めたときには,本当に逆境で辛かった・・と言われ,

その際に優しい言葉をかけて下さったことは一生忘れない,と言われる一方,
反対に厳しい言葉を頂戴したことも・・・まだ忘れられない,と言われました。

智子さんは,私がロータリーに入会したとき,
「あなたは私の後輩だから」と優しくほほえんで,言葉をかけて下さいました。
私が多治見ロータリーでは智子さんに次いで2番目に入会した女性会員だったからだと思います。

自分の知らない世界でドキドキしていたときに,雲の上の人と感じていた方から声をかけてもらえたこと,
とても勇気がわきました。優しい方だな・・と。ああいう女性経営者になりたい,と思いました。


智子さんは今回のお話の中で「女だからと言って,甘えてはいけない。」
けれど「謙虚さを持って,おごってはいけない」というのが信念と言われました。

甘えない,というのは,労使交渉に自分自身が誠実に,真剣に取り組む姿からも分かりますが・・・
「謙虚さ」というのも,
普段,私自身にかけてくれる言葉や周りのかたにかけていらっしゃる言葉からも,とても感じます。

私はいわゆる「いいとこ」の娘ではなく,「庶民」かつ,
これまでこの分野に不勉強でしたので,文化的素養やマナー不足を感じます・・

しかし,それでも「あなたは間違っている!」と上から指導するような言い方ではなく,
優しく励ましてもらえることに,智子さんの「謙虚さ」「優しさ」を感じます。

あとは,それに甘えず,文化的素養,マナー,も徐々にですが身につけていきたいなと思いました。

何よりも,人が苦しいとき,不安なときに勇気が出るような言葉をかけられる自分でありたい・・・と思いました!
甘えず,おごらない姿は,目上の人からも後輩からも,そして同僚からも応援してもらえそうです!!

 

まとめ

智子さんは,夫が存命中は,専業主婦をしていたそうです。

ところが,夫の死亡に伴って突然に4社の会社の社長となった・・・と言われます。
経営者としての経験が全く無い中で役に立ったのは・・「人脈」だったと言われました。

ロータリーもその一つでしょうが,
商工会議所,法人会,中部経済同友会連合会など幅広いつながりをもつことで,
何気ない会話から多くのヒントももらい,
多くの役に立ったと言われました。


今では,全国的に活躍をされ,国から「紺綬褒章」の授賞,中部経済新聞社から顕彰などもされています。

多治見駅前に「クリスタルプラザ」を建設し,地元駅周辺の活性化にも力を入れて下さっています。
そして,このとき建築するための借入れは,経営者(智子さん)の個人保証無しで貸してもらえる,という条件でお願いしたそうです・・

女性の事業承継では・・やはり個人保証が外せること,心の平穏のためには必要そうです。
そしてそのためには・・・会社の経営が順調であることが必須,と改めて思いました・・

私はまだ自分も「ギラギラ」しているので,同じようにこれから利益を上げていこうとする企業のサポートをしつつ,
智子さんの様に,文化的素養,誠実さを身につけ,「人間力」を磨いていきたいな・・と思います!


私は,やっぱり・・多治見が大好き!
大好きな多治見市に住み,地元で仕事もしつつ,常に都(笑)や世界の新しい情報を知り,友人達とも交流を増やしていきたい!と思いました。

このような企業,女性社長が地元多治見市にいて下さって,改めて嬉しく思いました。
しかも,事務所からあるいて3分の距離に事務所があるのは嬉しいことです!
智子さんに知り合えたご縁に感謝し,ますますの発展を期待しています!


地元企業から成功のヒントを学び,地元企業を応援する「地元企業が日本を変える!」シリーズ,
久しぶりに書きました!

このブログを読んで下さった皆様が「突然の事業承継の際に意識すべき判断力」「女性経営者が成功する方法」に気づくヒントとなりますように。


最後まで読んで下さった誠意ある皆様(笑),心よりありがとうございました!