多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

男が離婚を決意する瞬間とは?

男が離婚を決意する瞬間とは?

114いつも読んでいただき,ありがとうございます。
前回は,私の両親の「変化」に沢山の「いいね」をいただき,嬉しかったです!

さて,今回は,以前書いた「女が離婚を決意する瞬間」の続編です。
私は,普段,女性側の離婚相談を多く受けています
しかし,「(相手である)女性の気持ちが分かるかと思って」という理由で,男性の離婚相談を受けることも実は結構多いのです。
女性から離婚相談を受けるとき,「まさか夫から離婚の話をされると思わなかった」「離婚したくない」と言われることもあります。
男性がどんなときに「離婚」を考えるのかを知れば,女性も離婚することを避けられるのではないかな……と思っています。

夫が不貞行為(浮気)をした上に「離婚したい」と言っている…という事案もありますが,その夫に浮気した理由を尋ねると,夫婦の不仲が原因,と言われることも多いです。
…もちろん,そのような理由で不貞行為が許されるわけではありませんが,もし,避けられる方法があったら…

と,いうことで,今回は,女性のみなさんに,「夫婦円満生活」,「彼氏と仲良く過ごす」,そのコミュニケーションに役立ててほしい!

どんなときに男性が離婚を考えるのか?

妻の浮気が原因の場合もありますが,今回はそれ以外で,3つの場面をお伝えします。

1 親との折合いが悪い

  • 結婚当初から,将来は自分の親と同居することを伝えていたのに,同居しようとしない
  • 「あんたの親はおかしい」と言い,子供を自分の実家に連れて行くのを妻が嫌がる…
  • 自分の親のところに行くのを嫌がる

夫にとって,自分の両親との関係は,婚姻を続けていくかどうかについて,大きな問題のようです。
私自身,自分の親のことを夫が悪く言うのは嫌なものです。
「うちの親は○○だから困る!」と自分ではいっても,夫に「そうだよね,おまえの親は○○だから,最悪!」と言われると,腹の立つものです。
…やはり,自分の親の悪いところは分かっていても,自分はその「血」をひいた人間で,親のことを根本的には嫌いになれない…
なので,自分で言っておきながら,相手(夫)に言われると,「あんたに言われたくない!」と思うような気がします。
ご相談者の夫は,「うちの両親は事業の失敗もあって,借金も多くて,これまで僕が払ってきたから,妻はそれが気にくわなくて…」などと言われることもあり,自分自身の両親に問題がある,と感じている場合も多いです。
しかし,それを,妻に言われてしまい,自分の両親を嫌われるのは,耐えられないようですね。
妻側が,夫の両親との折合いが悪くて離婚を決める場合も多いのですが,妻は夫自身は愛しており,離婚したくないと思っていても,夫側で自分の両親と上手くやってくれない,という理由で離婚を決めることも多いようです。

夫が「うちの両親がさ…」と愚痴っぽく言っているような場合は,単に同調するのではなくて,「でも,そういう両親のおかげで,今のあなたがあるわけだから,嬉しい」「でも,そう言っても,○○のお母さんは,こんないいところがあるよね」とかフォローするような言葉も必要なのかも知れません。

折合いが悪くなった原因をご主人が考えて,対処できることがあれば対処することも大切だとは思います。
妻としては,夫は「自分の親と何とか上手くやって欲しい」「夫は親を愛している」という意識を持って,言葉かけをすることが大切ですね♪

2 人格的非難をする

妻のみなさん!夫に

  • 「こんな給料しかもらえないの?」
  • 「上司に頭下げるしか能がないのね」
  • 「あなたは,お金さえ稼いでくれればいいから」
  • 「セックスのことしか頭にないの?」

などと言ったことはありませんか?

男性は,自分が「男」としての存在価値を否定されることに深く傷つくようです。
なので,こういう言葉は,女性が思っている以上に心に深く残るようです。
…男性には,その場で「何を言ってるんだ!」と反論できる方と,全く反論せず,心の中に貯めてしまう方といるようです。
心の中でためてしまった場合,夫が深く傷ついていることも理解していない妻が,ある日突然夫から「もう耐えられない,離婚したい。絶対意志は変わらない」と言われた事案もありました。

…ですから,「能力がない」「お金以外には一緒にいる価値がない」「動物的だ」などと少しでも感じさせてしまうような言葉は,「離婚」を考えていないのであれば,言わないように注意した方がいいと思います。
もしも,「もう少し給料がもらえるようにしてほしい」「もう少し配慮した性交渉をしてほしい」という気持ちがあったら,どういうふうに伝えたら,夫がそういう気持ちになるのか,考えて話せるといいですね。

「今の仕事は,早く帰ってきてもらえて,私は一緒に過ごす時間が沢山あって嬉しい。でも,今度は娘が高校になって,お金もかかるようになるから,もう少し生活費が増えたら助かると思う。どうしたら,私はその助けができるかしら?」とか…(難しいですね)

妻が働かずに「生活費が足りない」と言い続けると,「なぜ妻は働かないのか」と不満に思う夫もいるようです。
反対に,妻には専業主婦として子供に接してほしい,というご主人は,どうしたらいいのか,自分で考えてくれるかも知れません。

「好きだよ」「愛している」と妻が日頃から言いつつ,一方でこのような「非難」をしていたケースで,夫から「離婚」を求められた,という事例もありました。
「愛」の言葉よりも,「非難」の言葉がもつ力のおそろしさ,を感じます。

女性の皆さん,「男性の誇り」を傷つける発言をしていませんか?

3 自由がない

  • 「あなたは,私の言うとおりにしてればいいから」
  • 「お小遣いはこれから,○○円で」
  • 「毎日,夕飯食べるかどうか連絡して」
  • 会社に何度も連絡してくる
  • 「貯蓄はこうすべき」

…男性にとって,「自由」はとても大切なことのようです。
ずっとこのまま子供と妻のためにお金を稼いで渡しつづけて,老後に自分の好きなことをするための財産が全く残っていないかと思うと恐ろしい,自分のためにもっとお金を使いたい,このままで人生終わりたくない,と思う夫の話もよくききます。

妻からすると,夫は責任感が無い,自分のことしか考えていない…という話になるのですが,夫にとっては,自分が大変な思いをして頑張っているのに,自由にお金が使えない,というのは「離婚」を考えるほど重要なことのようです。

もし,夫が,子供や妻のためにお金を使ってもらえたら,自分も幸せ,と思えるのであれば,気持ちも違うのではないかな,と思います。
お金の使い方を妻が「子供の塾代」「食費」「貯蓄」などと一方的に決めるのではなく,夫の希望も聞きながら,夫も楽しめる方法で使えるといいですね。
離婚の際に,妻がお金を管理していて何に使ったか分からない,残っていないのなら,浪費だ!と言われることも多いので,妻がお金を管理しているときは,普段からどんなことにお金を使っているのか,夫にも「収支」を理解してもらっておくのも重要だと思います。

ここには,夫が,妻や子どものために稼いできてくれるのが「あたりまえ」という気持ちがあるような気がします。
…なので,離婚した場合は妻の生活費はもらえないこと,養育費の金額などを伝えると,生活するのが本当に大変なことにきづいて,驚かれる場合も多いです。

夫がいないと,電球を変えることも,ちょっとした庭の手入れをすることも,ゴミ捨てをすることも…実は大変かも知れません。
妻の皆さん!一度,夫がやってくれていて,助かっていることを具体的に思い起こして,感謝を伝えてみて下さいね♪

男性はあまり,家庭のことを他の人に相談しない方が多いですが,周りの方で,男性と話をしているときに「妻が全然分かってくれない…」と思っている,と感じたら,「○○さんって,素敵な旦那様ですよね,それでも,奥様と子供さんのために頑張っている,すごいですよね」と伝えてもらえたら嬉しいです。
他の人であっても,聞いて,自分のがんばりを認めてもらえることで,かなり気持ちが楽になることもある,と相談していて思います。

まとめ 夫婦円満のために

離婚相談の中で感じるのは…
夫も妻も「あたりまえ」になってしまうと,相手の気持ちに気づけない…

  • 家事・育児を妻がするのは「あたりまえ」
  • 夫が稼いで,生活費を入れてくれるのは「あたりまえ」
  • 相手の親と上手くやれないのは「あたりまえ」
  • 自分の親と上手くやってくれるのが「あたりまえ」

お互いに「あたりまえ」と思っていることが,相手にとっては「あたりまえ」ではないので,不満が出て,離婚問題も出る…

離婚問題がこれだけある,ということは,やはり,「あたりまえ」ではなく,やってもらえているということが本当は「ありがたい=めったにない」ことなのですね!

以前私が,離婚について講義をした際,受講してくれた方が,「ありがとう」の反対は,「あたりまえ」ですね,と言ってました…
夫婦の間で相手がやってくれていることについて,「あたりまえ」になってしまっていないか,振り返ってみるといいですね!
自分のために,だれかがお金を稼いできてくれる,家事をしてくれる,って考えてみれば,すごいことですよね。
…そして,それぞれが得意分野で仕事(役割)を分担した方が,家族生活として効率もいいですね!
誰がどの役割をするのかは,その夫婦,家族のあり方によって違うと思います。
周りの女性経営者で夫婦関係も円満だと思われる方は,夫が家事,育児に協力しくれていることに感謝を伝えるのが上手だな,と感じます。
このブログを読んで下さった皆さまが,夫の「お仕事」「やっていてくれること」のすごさ!!に気づき,「お仕事」のやりがいを感じる一言をかけていただけますように…

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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