
大変そう・・というのもあって,失礼ながら,働きたい!と今の若い人たちが思うことがあまり想像できない八百屋業界。
にもかかわらず.働きたい!と若い人たちが応募してくれる,それが株式会社八百鮮さん。
「社員がドヤ顔して自信満々で仕入れしてる。楽しそう!」「社員の声がめっちゃ大きい。笑顔いっぱい」「社長もカッコいい!」
・・実際に働いている様子を撮影したYouTube動画を見て,私が思った感想。確かに,こんなところで働けたらカッコ良い。
1月30日,多治見商工会議所が主催した講演会で,28歳で15坪の店を立ち上げ,現在では大阪,名古屋に複数店舗を展開する株式会社八百鮮,八百屋業界の常識を覆し,売上高は58億円に到達した敏腕経営者である社長の市原敬久先生の講演をききましたので,シェアします。
テーマは「人材不足時代を打破『効果的な組織戦略』企業が今,知っておくべきこと」でした。
お話を聞いて,私のような一人職人の事業主のような方にも,多くの職員がいらっしゃる中小企業経営者の方にも,役に立つ!と聞きながらワクワクしました。
お客様から「あなただから」「あなたの店だから」という理由で選ばれるには?
人はなぜ働く?どんな働き方なら,この会社で働きたい!と思う?
この店で買いたい,この店で働きたい,と思ってもらうために社長がやるべきことは?
私自身も,やっぱり「木下先生だから」お願いしたい,と言われたいな,と改めて思いましたので,3つを絞ってお伝えします。
1 ○○で1番
八百鮮さんは,「八百鮮」という名前で八百屋(スーパー)の都市型小型店舗を経営している。
コンセプトは,「八百屋」を日本一かっこよく。
また,「たこ一(たこいち)」という名前で関西を中心に中規模店舗も経営している。
コンセプトは,「たこ一」を関西一強く。大阪で魚を買うなら「たこ一」と認識をされる。
以前,教えてもらった元船井総研トップコンサルタントの柳生先生も言っていたけど,この「○○で1番」っていう言葉は,人を惹きつけるな・・と改めて思った。
何(どんな商品,どんな売り方)だったら,「どこ」でだったら,1番になれるのか・・考えるのって大事だなと思った。
八百鮮さんの場合は,大規模スーパーと売上金額で戦っても勝てないことを前提に,小規模店舗でもできる指標として,坪あたりの売上を1000万円以上(業界平均は300万円),生鮮食品の構成比85%(業界平均41%)と具体的な数字で確認,説明できるようにされていました。
そのために,在庫を持たない,惣菜はやらない,練り物などの加工品もやらない,などを決めているよう。
顧客の立場だったら・・
同じ商品を買うなら,「1番」のところで買ってみたい・・
働く先なら・・
どうせなら「1番」の会社で働きたい。
私の場合は,職人的経営なんだけど,自分も好きで熱意も持ってできる分野,そして他の弁護士はあまり力を入れていなさそうな分野を追求したいな,と思って離婚調停に力を入れた。
まずは,この分野で多治見市内では1番になれたらいいな,と思った。
数字的にどうなったら「1番」というのが,まだ分析できていないな・・と気づいたので,ここは意識が必要かも。
みなさんは,何で,どこで,1番ですか?
2 「かっこいい」とは
冒頭にも書きましたが・・
八百鮮さんは,ここで働くのって「カッコいい!」と思える場所。
あなたじゃなくてもできる仕事なんだよ・・とか,
マニュアル通りにとにかく正確にやればいい・・とか,
そういう言葉は,働く者にとってはやる気が下がる言葉。
でも,八百鮮さんで働いている方の動画を見ると・・
仕入する際に,市場に売っているレタス全部を店長が買って売る姿も映っていたりして,本当にこんなに買って大丈夫なの?売れるの?とか不安になるんだけど・・
そこをサラッと買っている様子が「お!度胸ある!カッコいい」って感じさせる。
現場の人が自分の頭で考えて買う。権限も与えられている。
コンビニや大規模スーパーと違って,一律の仕入れではない。
それぞれの「個店」で考えて,その日最適なものを仕入れる。
大きな魚(ブリ)を裁く女性職員の姿もあった。
なんか,やっぱりカッコいい!
お客さんにも,「カッコいい」と声をかけられている,って言ってた。
カッコよく働くって,やっぱり今の若者にとっては特に魅力的なんだろうな・・と思った。
「かっこいい」とは,「愛される」×「憧れられる」×「尖る」と分析もされていて,どうしたら「かっこいい」力が上がるのか,さらに分かりやすくなってた。
他に仕事があっても・・子供連れで困っているお客さんをみかけたら,声をかけて,スッと買い物かごをもってあげる,とか。迷ったら,どっちが「カッコいい」かで判断する。
私も自分がどう働きたいのか・・
私のところに来てくださる依頼者の方をどんなふうにサポートしたいのか?って改めて考えてみた。
私が大事にしている価値観・・
「かわいい」「しなやか」でも「芯は強い」そんな生き方を自分もしたい・・し,そんな生き方をしていきたい人をサポートして行きたいな,と思った。
自分にとって大事なことを人の意見に振り回されず,ちゃんと自分で決めたい,そういう「決める」ためのお手伝いをしたい。
みなさんは,どんな風に働き,どんなふうに生きたいですか?
どんな生き方をしたい人に,サービス(商品)を提供できそうですか?
3 発信すること
人材不足を打破するための方法。
これからはますます深刻になる人材不足問題・・
市原社長は,とにかく「発信」を大事にしてた。
採用ツールとして①インパクトある採用サイト,②YouTube(月3本,社員のリアルを発信),③X(旧Twitter)で社長のリアルを発信。
採用サイト→公式LINEに登録→YouTube動画を見てもらう→店舗面接という流れも出来ている。
採用サイト,周りから引かれるかもという意識は捨てたインパクトある感じが素敵です♪
https://yao-sen.co.jp/saiyou_tokusetu/
YouTube動画▼面白いから見てみてね!
https://www.youtube.com/channel/UCFUxpe27o7mqa73qjEpS2Sg/featured
だから,仕入れのように朝も早い仕事だと分かっていて,仕事の内容や働く人のイメージもちゃんと分かって採用に応募してくれる。
発信するのって,恥ずかしい。
色々な誹謗中傷にあうことも・・ある(実証済み!)
でも!発信しないと,やっぱり選んではもらえない・・
選んで欲しい人に,出会える可能性を捨ててしまう・・
だから,どんな思い(理念)でどんな感じで仕事をしているのか・・?
この会社で働いたら,どんな働き方ができるのか・・?
この会社の商品を買ったら,サービスを利用したら,どんな気持ちになれるのか・・?
これからも,自分なりにめげずに発信を続けたいな,と改めて思いました。
Xは使いこなせてないな・・と思ってますが,YouTubeは続けていこう。思いを込めて。
みなさんは,これから働く先を考えている人に,この会社で働きたいと思ってくれるため,どんな発信していますか?
まとめ 言葉化すること
市原社長のお話全体を通じて感じたことは,定義を明確にして,さらに分解して説明している,ということ。
経営理念は「日本に,鮮度を」
「八百屋」の異分子となるために必要なこと。ひと言でいうと「優れるな,異なれ」。
必要なのは,「逆張り」と「独自性」
「逆張り」の要素は,「生鮮特化」「属人化」「思考性」・・それぞれの意味もさらに言葉化する。
「独自性」の要素は,「狭小地出店」「個性重視」「専門性」・・それぞれの意味もさらに言葉化する。
「かっこいい」とは「愛される」×「憧れられる」×「尖る」と分解して,それぞれ社員の評価要素としているところも。
「言葉」って抽象的だと,人によって受け止め方も違う・・伝えたつもりで全然伝わっていない,違う意味にとられていた,ということはとても多い。
けれど,あまり,細かくしすぎると,「かっこいい」って何だろう?って具体的な場面で自分で考えられなくなってしまうし,インパクトとしては弱くなって,頭に残りにくくなる。
上手く分解しながら言葉化して発信することによって,本当に一緒に仕事をしたい人と出会える。一緒に仕事ができる。
本当に選んで欲しいお客さんから,選んでもらえる。
どんな相手に自分(自社)を選んでもらいたいのか‥が言葉として明確になると,相手に伝わって,選んでもらいやすくなる。
その為には,まず,自分自身(自社)がどんな人(会社)になりたいのか・・も言葉化することが大事なのかも,と思った。
離婚調停での話し方,のような「言葉」にして伝えることを私はとっても大事にしているので,これからも,伝えたい思いを言葉にするお手伝い,その研究も続けていきたいと思いました!
このブログを読んで下さったみなさまが,自分自身,自社がどうなりたいのか,どんな人から選ばれて働いてもらいたいのか,どんな人から選ばれてお客さんになって欲しいのか,考えるヒントとなりますように,
そして,経営者の方にとって,人材不足と言われる世の中でも,選んでもらえる会社となるためのヒントになりますように…
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!