多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

ストレスに弱い人の特徴と対処法は?日本人が特に注意すべきこと

ストレスに弱い人の特徴と対処法は?日本人が特に注意すべきこと

いつも読んでいただき,ありがとうございます♪
今回は,私のメルマガ読者さん(男性)が教えて下さった書籍「心を強くするストレスマネジメント」(東京大学教育心理学科卒,心理学博士榎本博明著)を読んで,気づいた「ストレス」をうまく管理して,健康で気持ちよく過ごすためのポイントをお伝えします~

書籍にも書かれていますが,厚生労働省の患者調査(2014年)でも,うつ病などの気分障害で医療機関にかかる患者数は増え続けており,過労死の多発も,問題となっています。

なぜ,心が折れる人が増えているのでしょうか・・?
日本人特有の文化によって,増加してしまうストレスとは?
同じ出来事を経験しても,ストレスにやられる人とやられない人いるのはなぜか?
ストレスに弱い人の特徴は?
ストレスに潰されないための具体的な対処法は?

気づいたことを3つ,お伝えします。

1 おもてなし文化がはらむ危険性

心が折れる人が増える理由として,職場環境による環境要因の他,個人要因がある。
同じような職場環境でも,ストレス症状がひどく出て苦しむ人もいれば,そうでない人もいる。

なので,注目するのは,個人のストレス対処能力

日本人の場合,「おもてなし」の文化がストレスに深く絡む。
欧米のような「自己中心の文化」であれば,店員などの労働者も「自分のため」に働くため,「お客様扱い」による過度なストレスはかからない。
一方,日本のような「間柄の文化」では,「お客様扱い」が横行して,労働者に過度なストレスがかかる・・・

「納期を早めろ」と言われた場合,欧米なら無理な場合,即座に「できません」と言えるが,
日本では,相手の立場や気持ちに配慮しなければならず,無理をしてしまいがち・・・とのこと。

なるほど!確かに,相手を配慮できるって,日本人特有の素晴らしい特徴なのだけれど,それがストレスに繋がりやすい,と知っておくことは重要だと改めて思いました。
・・最近私が本当に大切と感じる,まずは「自分を愛する」「自分を大切にする」という意識が,日本文化の中では特に意識しておくことが大切と思いました。
みなさんは,「相手のために」無理をして仕事をして,しんどい思いをした,という経験はありますか?

2 ストレスに弱い人の特徴

同じ出来事の経験をしたり,同じような職場環境にいたりしても,ストレスにやられてしまう人とやられない人がいる。
その違いは,やはり個人のストレス対処能力の違い。

ストレスに弱い人は,ネガティブな出来事ばかりに目を向ける傾向がある。
誰もがポジティブな出来事もネガティブな出来事も経験しているはずなのに,落ち込みやすい人,イライラしやすい人は,特にネガティブな出来事ばかり目を向け,ネガティブな出来事ばかり思い出しては反芻する心理傾向がある。

相手の視線をネガティブに受け止めやすい。変に思われているのではないか,気持ちを傷つけてしまったのではないか,嫌われているのではないか・・・と考える。
トラブルを起こしがちな人は,「バカにしてる」などと勝手に敵意を感じ取って怒り出す。見下される不安があって,攻撃行動を示しやすい。

うちの子ども達や夫は,とてもストレスに強そうな気がする一方・・・私は弱めだな,と感じることがあります。
私の場合,ネガティブな情報からは出来るだけ離れて,物事の良い面の方を意識することは出来てきていると思うのですが・・・
子ども達や夫に比べて,「相手の視線」を気にしすぎている,というのを改めて思いました。

相手の気持ち,視点を意識できることは,自分の良い面としてとらえてはいるのですが(うちの家族はどちらかというと,それは苦手なようですが,それがダメとは思っていないところが素敵です!),気にしすぎて自分がしたいこと,が出来なくなってしまったり,勝手に劣等感を感じるのは避けたいところです!
相手がどう思おうが,「私は私」。完璧なんて初めからないから,どんな私も大丈夫,それを最近は,意識するようになってかなり楽になった気がします。

みなさんは,日常生活で幸せを感じられていますか?
周りの目が気になること,ありますか?

3 認知的複雑性を高める

では,どうしたら,ストレスに潰されないように出来るのか?具体的な対処法は?
この書籍では,色々なポイントが挙げられていますが,その中の一つ。

「認知的複雑性を高める」こと。「認知」とはものの見方,のこと。
物事を一面的にしか見ることが出来ない→認知的複雑性が低い(単純)
物事をいろんな角度で多面的にみることが出来る→認知的複雑性が高い。

認知的に単純な人は,ものごとに白黒つけたがる人で,ストレスの影響を受けやすい。
認知的複雑性が高いと,物事を多面的に見たり,相手の立場に立って捉え直したりすることが出来るので,ストレスに強くなる。

心の中に「クッション」を持つのが大事。
クッションがないと,直ぐパニックになり,攻撃的な反応をしたり,ひどく落ち込んだりする。

上司からきつく叱られた時,認知的複雑性が低いと,
「あんないい方しなくたっていいじゃないか(反発してやる気喪失)」
「もうだめだ,見捨てられる(悲観的)」になる。

認知的複雑性が高いと,
「言い方はきついけど,上司としてはこっちに仕事の改善を促さなきゃいけない立場だし,嫌なことも言わなければならないんだろう」
「改善すればきっと見直してくれるはず」
「期待があるから厳しいことを言うんだろう」とポジティブに受け取める。

認知的複雑性が高いと,自分を見るにもいろいろな角度から見ることが出来るため,長所や短所など自分の特徴を沢山上げることが出来る。
認知的複雑性が高いと,落ち込んだり鬱になったりしにくいばかりでなく,風邪もひきにくいことが研究により明らか。免疫力が高く,ウィルスが侵入しても発病しにくい。

弁護士の場合,仕事上,自分(こちらの主張)が絶対正しい,相手は間違っている,と白黒つけようとする方向になりやすいのですが,これを日常でも行っているとストレスに弱くなる。
あなたはそう思うんだね!私はこう思う~と,多面的に相手の立場に立って捉え直したり出来ること,意識していこうと思いました♪
自分がふわっふわっのクッションを持っていることを思い描いて,厳しいな,と思う言葉を言われたり,出来事に遭遇したときも,ふんわり軽く「見方」を変えていこうと思いました。

みなさんは,Aという「言葉」を聞いたら,すぐBと反応してしまうこと,とか,ありませんか?
自分の特徴,沢山上げられそうですか?

まとめ ストレスとうまく付き合う

「スマホ脳・一流の頭脳から学ぶ脳を縮める行動,脳を成長させる行動」でも記載され,この書籍でも書かれていますが,インターネットでは,攻撃的な言動も多くみられ,その使用が攻撃性を助長し,ネガティブな心理も助長するとのこと。

なので,現代は,意識して行動しないと,ストレスによる悪影響をどんどん受ける,ということになります。

一方で,「ストレス」は,全てが悪いものではなくて,「科学的に証明~若々しく長生きするための行動」で紹介したように,適度なストレスは,意識して,上手く付き合えば,体にとって良い場合もあり,今回の書籍でも,ストレスを活かす方法のご紹介もあります。

リスザルを使った実験では,段階的に「ストレス」にさらされることによって,レジリエンス(回復力,立ち直る力)が高まることや,幼児期に軽いストレスにさらされたリスザルの方がストレスの無かったリスザルよりも青年期になってからの好奇心が強く,レジリエンスも高いことが確認されている,とのこと。

なので!「ストレス」を感じる出来事があっても,悪いものと捉えすぎないで,多面的に捉えて,ゲームのような感覚で,これからの攻撃力,防御力が上がった~と考えたり,
あえて,「ストレス」を感じるようなチャレンジを意識的,段階的にちょっとずつしてみる,というのも,いいかなと思いました。
そうすることが,突然の大きなストレスが降りかかったときも,対応力,レジリエンスの強化に繋がるかなと思いました。

私の場合は,これまでとても真面目だったので(!)とにかくあまり真面目に考えすぎず,相手がどう思おうが,私は私,を唱えながら,軽い気持ちで,過ごそうと思います。
今は,とりあえず,相手のことを勝手に思いすぎて,我慢して言うのをやめる,というのをやめる(分かりにくいですが)をチャレンジ中です。
周りの目がとにかく気になりがちだったので・・・まずは,そこから始めたいと思います♪

離婚,別居なども,ライフイベントのストレスを数値化したものでは,配偶者の死亡,会社の倒産,親族の死に次ぐかなり高いストレスを受ける原因のようですので,普段私も関わることの多い離婚などの問題を抱えている方にも,この書籍で書かれているような上手くストレスを解消する方法が少しでも使えるといいな,と思います。

これからも,自分自身の子ども達,家族,友人のため,
そして,弁護士として,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,
母としても,自分自身も周りにいる家族や友人も「幸せに生きるための方法」「軽く,楽しく,健康的,心豊かに生きる方法」学んでいきたいと思います。

メルマガの読者さんの情報からも学ばせていただいて,本当に感謝しています。ありがとうございます。
この本は他にも,ストレスに潰されないための具体的な対処法の他,お子さんのレジリエンスを高めるための誉め方の注意点なども,たくさん書かれていて,実践的なので,お勧めです!
引き続き,研究報告,活動発表,致します!

それでは,
このブログを読んで下さったストレスを感じて辛いなと思う会社に勤める方,経営者の方,離婚に関わる問題などを抱えるお父さん,お母さんたちが,ストレスを活かしながら,上手く付き合って,解消していくための方法として一つのヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!