民法改正によって不動産賃貸借はどう変わるか?

chintai-keiyakuみなさん,おはようございます♪
今回は,朝の勉強会(PAL研究会)で聞いた内容から,ややまじめな話です。
でも,「賃貸借」という誰にとってもとても身近な話
についてお話しします。

みなさんもマンションに住んだり,事務所は建物を借りていたり・・
反対に,自分が貸している,ということもあるでしょう。
家族,親戚の方が借りている,ということはあるのではないでしょうか?

民法改正によって,これまでの扱いに大きな変更があります。


まだ,成立していませんが(しばらく成立するのにかかりそうですが),成立する見込みが高いと言われています。
特に「不動産を貸す側」の方は,事前準備も大切だと思いますので,情報をお伝えします!


1 連帯保証人は金額の制限が要る

成人となった息子が一人暮らしする,というとき,親がマンション賃貸借契約の保証人をする,ということがありますね。
今までは,その場合,息子さんが家賃を滞納すれば,どこまでも・・・親はその滞納家賃を支払う義務がありました。
しかし,民法改正案が成立すると,制限されます
最大限で100万円までしか負わない(極度額の定めと言っています)と決めておかなければ,その「保証契約は」無効=なかったこととして,保証債務を負わなくて良いことになります。
不動産の大家さん(オーナーさん)は,改正後,特にご注意下さいね。


2 賃借人修繕権の明記

建物を借りている人は,もし,建物の設備が壊れたとしても,原則として勝手に直すことが出来ません。
なぜかというと,建物は貸主(大家さん)のものだからですね。
しかし,これまで,賃借人の方から「なかなかトイレが壊れたのを直してくれない,雨漏りを直してくれない
といったご相談を受けることもありました。
そのような場合に,賃借人が自分で直すことができる,と記載されることになりました。
これで,緊急の場合には,賃借人が直すことが出来るようになりますね~
ただ,大家さんとしては,賃借人が直したけれど,その後,修繕費を多額に請求されるなどトラブルにもなりやすいです。
古い建物のため,とても安い賃料で,貸しているような場合には,修繕を誰がするか,費用をどちらがするか,記載しておく必要がありますね。
 

3 任意規定と強行規定

修繕をどちらがするか,原状回復(賃貸借契約終了時に元の状態に戻すこと)をどちらが,どの範囲でするか,は原則として,賃貸人(大家さん),賃借人で決められます。(これを任意規定と言っています)
これに対して,保証人の点は,これと異なる合意が認められない,という強制力のある規定なので,いくら,保証人が自分ですすんで,「どこまでも保証します!」と言っても,合意することが出来ません(これを,強行規程と言っています)
もっとも,任意で決められるものであっても,民法改正によって,通常損耗(使用によって,当然に経年劣化すること)は大家さんが持つ,とされるので,原則以外のことを決めるには,合理的な理由が必要になってきますね。
特に,賃貸人は,事業をしている情報・知識のある方,賃借人は,情報力が乏しいとされる「個人」の場合には,「消費者契約法」によって,任意規定でも「無効」とされる可能性があるので,注意が必要です。
このあたりは「事業者」の貸主(大家さん)は,顧問弁護士に相談するなどして,契約条項に注意して下さいね!


また,改正案が成立して,具体的な施行日が決まったら,情報発信したいと思います!

離婚・相続・不動産問題に力を入れている木下貴子がお届けしました♪
不動産の賃貸借に関わる方,特に不動産オーナーさんにとって,「今後民法改正で注意すべきポイント」がわかりますように!

最後まで読んで下さってありがとうございました!

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり20年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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