相続でもめないために,今できること~Part3.Vol2

igon-fumanいつも読んで下さって,ありがとうございます!
今日は,久しぶりに本業の弁護士としてお役に立てるお話をします。

またまた,しばらく続編を放置しておりました。。。
相続でもめないために,今できること~Part3」
「相続紛争の現場で,何が問題となっているのかを知ろう!その2」 です。

相続の法律相談をし,さらに事件を受任すると,どんな背景で「相続紛争」が起き,どんな点で解決が難しくなり,相続紛争が長引くのかが,とてもよく分かります。


もめない相続」は,税理士さん,司法書士さん,など他の士業や信託銀行などのサポートによって,「遺産分割協議書」が作られ,整理されていきます。
どうしても,親族や他士業では解決できない場合に,相談されるのが弁護士なので,弁護士のところには,もめてしまっている事案ばかりが集まります。
相続でもめなくなったら,弁護士の仕事がなくなりませんか?」
・・と心配して下さる方がいらっしゃいます。

しかし,みなさんが少しずつ注意すれば,相続紛争は少なくなるでしょうが,離婚などと同じように「なくなる」ということはないように思います…
なぜなら,介護をしている長男の立場,離れたところにいる娘の立場などによって,考える「公平な相続のあり方」は違うからです

むしろ,相続紛争が起こっても,どの点でもめごとが大きくなるのか分かっていて,その点に注意されていれば,紛争の争点を少なくできます。結果として仕事量も軽減されますので,弁護士にとってはとても有り難いことだと私は思っています。
ということで・・・なぜ,紛争が生じ,どうして泥沼化しているのか,お伝えすることが,相続紛争に関わる弁護士の使命だと思っています。
私も,もちろんそうですが
実際に相続でも,離婚でも紛争事例を見ながら,こういう点に気をつけていこう,と弁護士は自分の生活に自然と活かしていると思います。
事例を書くことで,紛争の現場をイメージしてもらいたいと思います!
私が実際に体験した事例を基に組み合わせ,分かりやすい形に変えて,2つ目のケースをお伝えします。

 

ケース2 年の離れた長男さんと五男さんのケース

ケース概要

長男さんと五男さんは,歳が20歳以上離れていました
父は,生前,自分で事業をしており,相続財産の約9割はその事業に利用していた土地。

長男さんは,自分が事業(家業)を手伝ってきたから,土地の大半は自分が取得するべき,と主張して,寄与分も主張。
五男さん(会社員)は,父は自分に将来事業を任せたいと言っていたし,会社が休みの日は家業を手伝ってもきた,長男には子供もいないから,○○家の事業は途絶えてしまう,長男はもう歳も取っているし,体調も良くない,だから,自分が取得するべき,と主張。

長男さん,五男さんともに父名義の家(別の場所)に住んでいたため,「特別受益」の算定も問題となった。
(*特別受益は,お父さんから,ただで家を使わせてもらった,という意味で利益を得ている,ということです)
母は,長男さんの近くで住んでいましたが,五男さんに父(夫)に関する相続分を譲渡した。

調停,裁判,審判の経過

このケースでは,一審の遺産分割調停では解決できず,審判となり,高等裁判所での審判もでましたが,最高裁判所に異議申立をされた事例です。
さらに,相続分の譲渡について,母の判断能力があったかどうかが問題となり,遺産分割調停とは別に裁判もすることになりました。

この事例は,最終的判断が決まるまでに10年以上かかってしまいました・・・
(私が弁護士として直接関与した事件の中では,最長記録です)

相続紛争が大きくなった理由,紛争が長期化しないための対策

大きな紛争となった根本的な理由は,亡くなった父の意思が「遺言書」の形ではっきり現れていなかったから,ということですね。

長男さんが,事業を手伝ったことが分かる資料(寄与分)や,どのような形で父名義の家を利用してきたのか,なども明確なものがでてきませんでしたので,この点(特別受益)も紛争を複雑にしました。

また,母の判断能力があらそわれましたので,判断能力の低下が予測される事案では,父だけでなく,母についても「遺言書」「任意後見」などで予め対策をしておくと良かったと思います。

まとめ(次回予告)

みなさまの,今のご自身,ご両親,お知合いの方には,

  • お父さんが事業を承継する人をはっきり決めていない
  • 事業に関与している相続人が2人以上いる
  • 最近,父,母の判断能力の低下(認知症)してきたような気がする

ということはありませんか??
もしあてはまれば,亡くなられる前にもめない相続のために対策をされた方がいいと思います。
次回は,「相続紛争の現場で,何が問題となっているのかを知ろう!その3」について,書きたいと思います♪
弁護士は紛争がないとお金にならない・・・
人のもめごと,人の不幸,不都合でお仕事をいただいている・・・という点があるのは確かです。
紛争を解決すれば,心が軽くなった,助かったと言っていただけるので,お役に立てているという実感はあります。

でも!やっぱり,弁護士はできることなら一生関わり合いたくない職業だ!と言われるのは淋しすぎます…

なので,「相続でもめないための対策」で役に立ちたい!弁護士に関わって欲しい!

みなさまも,できるだけ「もめごと」そのものを少しでもへらしたいはず・・・ですよね。

しつこいですが,相続でもめなくなっても,是非「もめない相続のための対策」で多治見ききょう法律事務所にご依頼下さいね(笑)!!

今回のブログが,「あ,うちも相続対策,必要かも!」と考えてみるきっかけとなりますように…

最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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