相続でもめないために,今できること~Part3.Vol3

 

049いつもお読みいただき,ありがとうございます!
今日は,本業の(?)弁護士としてお役に立てるお話をします♪

またまたまた,しばらく続編を放置しておりました。。。
「相続でもめないために,今できること~Part3」
相続紛争の現場で,何が問題となっているのかを知ろう!その3」 です。

5月21日に,不動産・相続総合無料相談ー多治見で相続の法律相談をしました。
少しずつですが,早めに「もめないための相続対策」が浸透してきていることを実感します。
とても嬉しいです~♪
事案の一つは,若くして亡くなられた夫の不動産の名義が,自分(妻)と子ども達3人の共有となっているというものでした。
自宅不動産(敷地)も他の子どもさんとの共有となっていて,そこに,長男さんと同居されている…という事案でしたので,今後生じる可能性のある紛争についてお話しし,具体的な相続対策を検討してもらえました♪

弁護士は,どんな背景で「相続紛争」がおき,どんな点で解決が難しくなり,相続紛争が長引くのかが,とてもよく分かります。
もめない相続」は,税理士さん,司法書士さん,など他の士業や信託銀行などのサポートによって,「遺産分割協議書」が作られ,整理されていきます。
どうしても,親族や他士業では解決できない場合に,相談されるのが弁護士なので,弁護士のところには,もめてしまっている事案ばかりが集まります。
「相続でもめなくなったら,弁護士の仕事がなくなりませんか?」
・・と心配して下さる方がいらっしゃいます。
しかし,みなさんが少しずつ注意すれば,相続紛争は少なくなるでしょうが,離婚などと同じように「なくなる」ということはないように思います…
なぜなら,介護をしている長男(妻を含む)の立場,離れたところにいる娘の立場などによって,考える「公平な相続のあり方」は違うからです。
むしろ,相続紛争が起こっても,どの点でもめごとが大きくなるのか分かっていて,その点に注意されていれば,紛争の争点を少なくし,結果として仕事量も軽減されますので,弁護士にとっても有り難いことだと私は思っています。
ということで・・・なぜ,紛争が生じ,どうして泥沼化しているのか,お伝えすることが,相続紛争に関わる弁護士の使命だと思っています。
私も,もちろんそうですが
実際に相続でも,離婚でも紛争事例を見ながら,こういう点に気をつけていこう,と弁護士は自分の生活に自然と活かしていると思います。
事例をかくことで,紛争の現場をイメージしてもらいたいと思います!
私が実際に体験した事例を基に組み合わせ,分かりやすい形に変えて,3つの目のケースをお伝えします。

ケース3 離婚・再婚などの複雑な相続関係

(ケース概要)

自分の息子は結婚して,妻との間に子どもができました。
しかし,その後,息子の夫婦仲は悪くなり,離婚しました。
息子夫婦の子どもは,妻が引き取り,その後,まったく交流はなくなりました。
息子は,病気がちで働けず,父である自分と妻(母)がひきとって,同居し,生活費も負担しておりました。
ところが,突然,息子が病気で亡くなりました。
自分たちが亡くなった後のため,と思い,残してきたわずかな息子の資産(預金)は使わずに残りました。
息子の資産から,私たちに返してもらうことはできないのでしょうか??

(交渉の経過)

このケースでは,息子さんの相続人は,あくまで息子さんの子どもです。
従って,息子さんの預金は相続人である息子さんの子どもしか解約手続きが出来ません。
その時点で,息子さんの子どもは,まだ未成年でしたので,交渉は親権者である母(息子の元妻)とすることになりました。
このケースでは,離婚時にある程度財産分与として元妻に財産を渡していたこと,どの金融機関にどんな預金があるのか,まったく元妻側は把握しておらず,自分で手続きをするのが困難であったことなどから,生活費をご両親が負担してきたことにも一定程度理解をしていただけ,預金(遺産)の約半分程度をご両親に渡すことを了解してもらえました。

このケースは,大変運が良く,調停をせずに解決できましたが,遠方に住んでいらっしゃったので,話をし,書類のやりとりをするために弁護士が出向くことになりました。
もし,一切渡さないと言われたら,裁判によっても預金の一部をもらうことは,かなり難しい事案でした…

(相続紛争が生じる理由,紛争が生じないための対策)

このケースのポイントは,「相続は上から下へとされていく」「必ずしも年齢の順に亡くなるとは限らない」という視点が抜けていた,ということにあります。
(この視点が抜けているため,問題となってしまったケースは,不動産・相続総合無料相談ー多治見で山村不動産鑑定士が別の実例を挙げていますので,参考にして下さい)
そのため,「病弱な息子を見捨てた妻に息子の遺産をあげなければいけないのか・・・」という不満が残ってしまいました。

対策としては,息子さんが先に亡くなってしまう場合も予測して,息子さんの預金の使い方を考えたり,息子さんに「遺言書」をかいてもらうと良かった,ことになりますね。
他にも,離婚・再婚・養子縁組などをしたり,兄弟相続になるような場合には,相続関係が複雑になり,紛争が長期化している実感があります。
長男が実家の全ての遺産を相続したけれど,妻との間に子どもがなく,先に死亡してしまった場合には,最終的に長男の実家の資産は,なんの縁も無い長男の妻の兄弟・姉妹に相続されてしまうので,長男家のご兄弟が不満に思う…というケースも良く聞きます。

まとめ(次回予告)

みなさまの,今のご自身,ご両親,お知り合いの方には,
□前妻(夫)との間に子どもがあったが,前妻が引き取って,後妻の子どもとの間には全く交流は無い
□前妻(夫)との間に子どもがいるかどうか,よく知らない
□妻との子以外で,認知している子がいる
□養子縁組をしている子がいたが,交流は無かった
□離婚した息子(娘)を実家の父母が面倒を見てきた
□異母,異父兄弟間の関係が疎遠,よくない
□自分たち夫婦の間に子どもがいない

ということに,当てはまる方はいませんか?
もしあてはまれば,「もめない相続」のために対策をされた方がいいと思います。

前妻の子が父から「会いに来るな」などと言われ,養育費ももらえず生活してきた,というような場合には,父が亡くなった後,亡くなった父への恨みから,後妻の子に対する対応も厳しくなり,相続紛争が非常に悪化するケースもあります。
離婚,再婚,養子縁組など親族関係に大きな変動があると,相続は複雑な関係となってきます。
親子関係,兄弟関係が悪化したり,疎遠になりがちなのが,この事例とも言えます。
一方で,結婚は一回のみ,子どもはいない,というような一瞬,単純そうな相続関係は,兄弟が相続人となるため,複雑になり得ます。
夫,妻のどちらが先に亡くなるかで,最終的にどちらの兄弟に相続財産がもらえるかが違うので,夫の先祖伝来の土地をなぜ妻の兄弟が受け取るのか・・・などの不満が生じるのです。
次回は,いよいよ,このシリーズ最終回(の予定)「ポイント4 相続でもめそうな事例でとるべき対策~実践編」について,書きたいと思います♪
弁護士は紛争がないとお金にならない・・・
人のもめごと,人の不幸,不都合でお仕事をいただいている・・・という点があるのは確かです。
でも!やっぱり!紛争現場を体験している者としては,なんとしてでも,亡くなってしまう前,相続が始まるより前に,気づいて欲しい!!!
弁護士は,人のもめ事でお金をもらっている,出来れば一生つきあいたくない人種だ!という印象を少しでもなくしたい!!!(←本気です)

弁護士に早めに相談しておいて良かったわ,弁護士って是非とも付き合っておきたいよね(これは無理か…(笑))となったらいいな・・・
しつこいですが,相続でもめなくなっても,是非「もめない相続のための対策」で多治見ききょう法律事務所にご依頼下さいね(笑)!!

今回のブログが,「あ,うちも相続対策,必要かも!」と考えてみるきっかけとなりますように…

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この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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