多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

楽しい!多治見市個人情報保護審議会!マイケルサンデル氏の目指す社会?

楽しい!多治見市個人情報保護審議会!マイケルサンデル氏の目指す社会?

いつも読んでいただき,ありがとうございます。shomen20-61
今回は,11月20日に多治見市個人情報保護審議会がありましたので,その報告をします。
私は平成25年1月から多治見市の個人情報保護審議会員をさせていただいています。

・・ところで,「個人情報」とはなんでしょうか?
「個人情報」とは個人が識別されるような情報です。例えば,住所,氏名,生年月日,本籍などといった情報です。法人の情報は入らないわけですね。

個人情報を利用することによって,多治見市は多治見市民のうちのどの地域の人を相手に,あるいはどの年齢の人(高齢者なのか,子どもなのかなど)を相手にして,よりよいサービスが出来るのか考えられます。

しかし,何の制限もなく,多治見市が多治見市民の個人情報を利用出来ることになると,こちらが要望したわけでもないのに受けたくない連絡が度々多治見市からくる,などといったことにもなります。
そこで,多治見市が持っている個人情報を適切に管理し,利用することが必要となりますね。

多治見市では個人情報の取扱に関し、「多治見市個人情報保護条例」で定められています。この条例によって個人情報の収集等の目的を超えた利用(目的外利用)が出来る場合が決められています。
その中には,「個人の生命,身体,健康又は財産に対する急迫の危険を避けるためやむを得ないと認められるとき」など個別に利用出来る場合が定められたものもありますが,それ以外の場合については「審議会の意見を聞いて公益上特に必要があると認めるとき」とされています。
そのため,この判断をする「多治見市個人情報保護審議会」があり,私もその委員をさせていただいています。

・・と前置きが長くなりましたが,多治見市以外の他市では審議会などの意見を通さずに個人情報の利用をしているところも,実際存在します。多治見市は,丁寧に,時間のある限り,審議会を通してから個人情報の利用をしたい!という気持ちが伝わってくるので,やっぱり素敵な街だと思います。

そのため,割と頻繁に審議会が開かれます(笑)にもかかわらず,お忙しい方々が集まって,真剣に議論します。
それが私は大好きです!!
個人情報を利用できた方が,確かによりよいサービスをすることができます。しかし,やはりサービスをするために必要最低限度の個人情報保護の利用,という観点は私はあって欲しいと思っています。
例えば,住所,氏名に比較すると,本籍,生年月日,病歴,思想などはそれを利用しないと行政サービスに支障が出るのか,出たとして,それを利用することによる不利益がどんなことがあるのか,その不利益,危険性よりもサービスをしてもらうことの方が利益となるのかなど丁寧に考える必要があると思います。

この情報は要らないのではないか?削れないですか?などというと,せっかく準備して下さった多治見市の職員の方にお手間をかけ,とても申し訳ないのですが,みなさん,真剣に議論する様子が私は素敵だな,と思います。
自分たちだって,他に仕事もあるのだからはやく終わった方がいいし,審議会の開催も少ない方がいいはずなのに,しっかりやるべきだ!という各委員さんの強い意識を感じます。

私は,違う意見を互いに議論をすることで,本当の意味でよりよい結果が生まれると信じています。あこがれはマイケル,サンデル氏です(笑)!!
これからも,この役割を担わせていただいている同じ仲間(先輩方ですが)との議論を楽しみたいと思います。
最後まで読んで下さって,ありがとうございました!