
「信じ・・られない」
これは最近私に起きたこと。今でも思い出すと呆然とする。
弁護士として25年以上の経験の中でも,驚きの判断だった。
・・こんな理不尽なことが許されるのか?
・・裁判官によって,こんなに判断が変えられてしまうのか?
・・こんな判断をして,「子」に何かあったら責任取ってくれるのか?
日頃,離婚調停,面会交流調停などの事案に弁護士として関わっていると,「子どもの意思」「気持ち」が大切にされていないと感じることが多い。
そういうときが,私にとっては一番「怒り」を感じてしまう場面だな,と改めて思った。
・・とてもしんどい。めっちゃ相手を責めたくなってしまう!!!
私の法律事務所で相談される方からも「なぜ,こんなことが許されるのか」「納得できない」と話をされることは多い。
こういうとき,どうやって気持ちを切り替えていったらいいのか?
つい,他者を批判したくなってしまうとき,どうしたらいいのか?
私自身も久しぶりにしんどいな・・と感じることに遭遇したので,改めて,こういう場合の乗り越え方について考えました。
しんどいとき,「怒り」で他者を責めてしまいがち・・だけど,それって結構ハードでしんどい。
もっとできれば「優しく」「易しく」乗り越えたい。
今回ご紹介する本「感謝脳」は,少し前に読んだ本なのだけれど,精神科医の研究結果である科学的なデータと事例に基づいて共感できる2人のタイプの異なる著者の共著。
こういう場面で「やさしく」乗り越えるためのヒントになりそうと思いましたので,ご紹介します。
理不尽すぎる!と思うときに,どうやって「感謝」で乗り越えられるの?
しんどいとき,悪口を言って解消しようとすることは有効?
「感謝」って,そもそもどういうときに感じるの?感謝の仕組みは?
「感謝脳」の中で,「感謝」を使って,逆境を乗り越えていくためのヒントになるかなと思ったこと,3つお伝えします。
1 悪口は脳にダメージを与える
「誹謗,中傷の言葉をぶつけあい,傷つけあいながら生きていくのか」
「親切と感謝の中で,互いに癒し,励まし合いながら生きていくのか」
「あなたはどちらの世界で生きたいですか?」
本の最初の場面での問いかけ。
ドキッとした。
「SNSが普及し,非常に便利なところもある一面,SNSが殺伐とし,時に凶器となる令和の時代」
私は,やっぱり「親切と感謝」の中で生きていきたい。
東フィンランド大学の研究によると,世間や他人に対する皮肉批判度の高い人は,認知症のリスクが3倍という結果になったとのこと。
悪口を言い続けていると,ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌する。
コルチゾールは記憶の保存に関わる海馬の神経を破壊し,過剰なコルチゾールは前頭前野の神経ネットワークのつながりを40%も破壊する。
悪口を言うことで,認知症を発症するほどのダメージを脳に与えるとのこと。
寿命も縮む。
悪口が感謝の効果を相殺する。
・・だから,やっぱり「悪口」は自分のためにも言わない方がいい。
弁護士の書く文章,特に「裁判」などで戦う文章は,どうしても相手を攻撃する,相手の言動を非難するものになりがち。
親権争いなどであれば,相手が「親権者」として不適切という主張をすることも求められる仕事。
・・そのために,ある意味では相手方の「悪口」を言う場面も避けられなくて・・時々しんどいなと思ったりする。
・・自分の脳への攻撃もしているから,なんですよね。
私のような仕事をする場合は,それを上回るほどの「感謝」をすることが必要だな・・と思った。
「もやもやした気持ち」「怒り」をため込むことは良くないと思うから,抑え込む必要はないかなと思う。
私の尊敬する斎藤一人さんが教えてくれているトイレの中とかで「うるせえ!くそばばあ」「うるせえ!くそじじい!」と叫ぶことは許していいと思ってる。
あとは・・誰にも見せない日記の中に書くとか。
少なくとも,人に発信するSNS,だれかれ構わず話す,は注意しよう,と改めて思った。
2 逆境への感謝
「感謝」にはの3つのステージがあるとのこと。
- 第1ステージ:親切への感謝
(例)何かしてもらったらありがとう,親切にされた,何か貰ったらありがとう。 - 第2ステージ:日常への感謝
(例)当たり前のことにありがとう,起きて歩ける,食べられる,眠れることにありがとう。 - 第3ステージ:逆境への感謝
(例)何が起きてもありがとう,怪我,病気,ピンチでありがとう。
・・今の私の状況は「逆境」。こんなつらいこと・・あるの?という気持ち。
私のところに来る相談者もこの「逆境」と感じていらっしゃる場面がとても多い。
こんな状況で「感謝」できることなんてない!と言われることも少なくない。
「逆境」にも感謝できると,乗り越えていけるのだろうけれど・・
第3ステージということもあって,それは簡単ではないのだろうな・・と改めて思った。
最近ありがたいことに第2ステージの「日常への感謝」はできるようになってきた気がする。
・・ふとご飯を食べているときに「幸せだね」「ありがたいね」と言えるようになってきた。
・・けど,第3ステージで「感謝」するのって,まだなかなか難しい。
抽象的には「逆境」だからこそ,気づけた幸せへの切り替えの道筋・・って感じかな。
逆境時にどうやって,「感謝」するのか・・これは具体例は本で紹介されているから是非読んでほしい。
・・自分の場合に当てはめてみると,このつらい経験をしたからこそ分かったことは何か。
「世の中にはやはり,自分の思い通りにならないことが沢山ある」
「自分が思っている「子の利益」と人が思う「子の利益」は一致しないことも多い」
「少し離れた裁判所の視点で見ると,代理人という視点とは違うことが見えてくる」
「この経験をふまえると,同じ場面でどのような選択が考えられるか,選択肢が広がる」
「やはり,子どもの意見を裁判所の手続きでも確実に反映するための仕組みづくりが必要だ」
この「逆境」の経験があったからこそ,良かったと言えるように行動していきたいな・・と書いていて思った。
3 感謝を感じる「心理学的4つの条件」
「感謝」ってどうしたらできるようになるんだろう・・
そもそも,「感謝」の気持ちってどういう場面で湧き上がるのだろう。
それがもう少し分析,分解して「言葉」に出来たら,「感謝」を意識的に感じられそう。
この本では,「感謝」を感じるための条件を紹介してくれている。
人が感謝を感じるには心理学的な条件があるとのこと。
それは,以下の4つ。
- 恩恵の認識
自分が受け取った良いこと,恩恵が自分以外の人や自然界など外から与えられたと理解していること。 - 恩恵の価値認識
自分が得たものや享受している恩恵の価値を高く評価し,認識していること。 - 恩恵の好意認識
恩恵をもたらした相手の優しい気持ちや好意を感じ取れていること - 見返りの不要認識
その「良いこと」は義務ではなく,見返りを求められていないと感じられること。
こういう条件があるときに,人は自然と「感謝」できる。
2の第3ステージは,そのまま受け止めれば,①~④を感じ取るのが難しいからこそ,ちょっと無理やり見つけ出す感があるかも,と思った。
この中で私がなるほど,と思ったのは特に4つ目。
これは,その相手がギフトや情報を与えてくれたのは何かを期待していたわけではなく,義務でやっているわけでもないと認識した時。
例えば友人がギフトや情報を提供してくれた後にお礼に何かちょうだいと言われたら少しとまどう。
でも,ただ何も期待せず自分のためにやってくれたらその心遣いにとても感謝できる・・
・・確かに。見返りを求めずに何かを提供されたときって・・本当にうれしい。自然と感謝できる。
親が子にかける愛情も,子が親に示す愛情も・・多くは見返りを求めているのではなくて,ただただ相手のために何かしたいからしてくれてる。
そういう時,相手からの愛情を感じて「嬉しい」「幸せ」を感じる。
子どもが示してくれる無償の「良いこと」に対して「感謝」を感じているっていう意識はなかったけど・・それは身近な存在だから何となく「当たり前」と思っている分,単に「嬉しい」「幸せ」と表現されることが多い。
でも,少し離れた関係,「他人」「第三者」だと「ありがたいこと」「感謝」することって思えるのかも。
でも,親,夫,妻,子・・という身近な存在でも,自分以外の人が自分のために無償でやってくれる「良いこと」って当たり前じゃない。
これに気づけると,第2ステージの日常に「感謝」出来る一歩かも。これが分かると・・夫婦,親子関係も悪くなりにくいと思った。
まとめ 小さな一歩から
今書いていて,「多治見ききょう法律事務所」の事務所ソング「小さな一歩」を思い出した。
しんどいときこそ・・「小さな一歩」から思い出そう。
特に「逆境」のときにその物事そのものから「感謝」出来ることを探す事って・・なかなか難しい。
少し戻って,他の「日常」で感謝できることを探したり・・・
もっと戻って,「あ~○○さんにあんなことしてもらったことあるわ!」と明確にやってもらって嬉しかったことを思い出したり・・
それでも「感謝」を探すのが難しかったら・・・
「人目が気になる,人に合わせがちなあなたが楽になる3ステップ~母ちゃん,丁寧道,ありがとうの教科書(武田双雲さん)」で書いたような物を丁寧に扱ったり,「(周りにあるものを一つ一つ指差ししながら)○○がある」と認識していく,というのから始めてもいいかなと改めて思った。
今の自分に出来ることから一歩ずつ。
ちょっと私も今ダメージを受けているから(これまでもそういうことはあったんだけど)・・
こういうときこそ,無理せず今できる小さな一歩からやっていこう~
このブログを読んで下さる方の誰かが「逆境」を乗り越えていくためのヒントになったらいいな。
うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,そして自分自身の子ども達,家族,友人のため,弁護士として,母として,幸せに生きるための方法,考え方についてお伝えしていきたいと思います。
また,研究発表,致しますね!
それでは,
このブログを読んで下さった皆さまにとって,逆境を乗り越えていくためのヒント,日々「親切」感謝」をメインに穏やかに生きるヒントを知って,自分自身の脳も傷めないよう意識して気をつけていきたい方,幸せに生きたい,妻,夫や子との関係を良いものとしていきたいと考えている方のヒントとなりますように。
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!