多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

私の人生を変えた息子の言葉

私の人生を変えた息子の言葉

2019年のGW,サンフランシスコでのこと。
10連休を利用して,私たちは,アメリカ観光に来た。

夫と,小学校4年生の息子,
当時,中学生の娘の4人。

10時間ほどのフライトを終えて,
到着したアメリカ。

滅多に来られない遠いアメリカ。
色々な体験をしたい。

大自然が見られる大人気のツアー
ヨセミテ国立公園のツアーに
私たちは参加した。

大自然を散策するツアーで
たくさん歩いた。

まだ歩くの・・・?娘が私に聞く。
娘は足が疲れたようだった。

朝早くから出かけて,
宿泊ホテルに戻ってきたのは,
夕方6時過ぎころになっていた。

身体が重い・・
なんとか,ホテルの部屋について,
それぞれ自分のベットに座り込んだ。

・・おなか空いた。
とにかくなにかご飯が食べたい。

近くに,パスタ屋さんがある
みたいだよ,と私。

スバゲッティは苦手。
食べたくない,という娘。

ホテルのベットに座ったまま,
じっとうつむいて話さない。
全く動こうとしない息子。

アメリカっぽい美味しい肉が食べたい。
どこがいいのか,スマホで
調べ続けている夫。

私の話,聞いてるの・・?

時計の針の音だけが
チクタク,チクタク響いた。

気付けば,ホテルに着いてから
30分以上が経っていた・・

・・もう,限界・・

「なんで,みんな自分勝手なことばかり言うの?」
「集団で行動してるんだから,合わせようとしないと
何も決まらないよ!」
「いつも,私が合わせてばっかり。しんどい」

・・いつになく,叫んでしまった私。
叫びながら,涙がどんどんあふれて流れた。

そのとき,ベットから息子が滑り降りて,
私のところに駆け寄ってきた。

そして,戸惑うような目で
泣いている私の顔をしばらく見つめた。

「お母さんも,我慢しなくていいんだよ」

ベットに座っていた私にふわりと
腕を回して抱きついた息子の言葉。

・・そうなんだ,私,
「我慢」してたんだ。

気づかなかった。

でも,そうか・・・
私も,我慢しなくても,良かったんだ・・
自分の気持ち,意見を言って良かったんだ。

子どもの頃,親の喧嘩をずっと見てきた。

いうことが納得できず,反抗すると,
暴力をふるわれる。

泣いている母。

私は,「うまくやろう。」
お母さんが笑顔でいて欲しい。
私は殴られたくない。

相手に合わせれば,大丈夫。
相手が何を望んでいるか分かれば,
それを満たしてあげれば,うまくできる。

・・ほら,私は出来てる。

だから,私はお父さんにも
嫌われていない。
お母さんも,笑顔でいてくれる。

学校の先生にも,好かれた。
先生が望む「優等生」の像が
分かっていた気がする。

そう,いつだって,
私はみんなの気持ちが分かるから,
合わせることが出来る。

これで,誰も喧嘩しなくて,
穏やかでいられる。
簡単なこと。

・・でも,そうなんだ。

本当は,我慢してたんだ。

自分の気持ちも,言いたかった。
本当は分かって欲しかったんだ。

息子をきゅっと抱き返しながら,
目から涙があふれ続けた・・

「そうだったんだ。自分の気持ち,
言ってもいいんだね。
教えてくれて,ありがとう。
今まで,ごめんね。」

———–

みなさま
おはようございます♪

弁護士の木下貴子です。

このエピソード・・・

それまで気づけていなかったけれど,
自分の「言葉」「行動」を選んでしまう
「原因」があったのだということに

私がハッと気づいた出来事です。

(以前私の無料メルマガでお伝えしたエピソードですが,最近「子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本」を読んで,思い出したので,改めてブログでも紹介したいなと思いました~。この書籍からの学びはまた改めてご紹介したいと思います)

このとき初めて,
自分が合わせれば何とかなる,
と無意識に続けてしまっていたこと,

その限界を感じることが出来,
息子の言葉で,解放され・・
「自由になれた」のでした。

このエピソードを通じて
私が当時気づいたのは,

自分自身の言動には,
自分でも気づいていないような,
「原因」が隠れていることがある,
ということです。

その原因が,
心の奥深いところ,
経験から生まれていて,

絶対に譲れないような
「価値観」から来ていることも・・・

自分の言動の「原因」が分かれば,
言動も変えることができます。

私は,意見が衝突することを怖れず,
大好きな人たちにも,
自分の意見を言っていい,
ということに気づき,

「話す内容」,「行動」を変えました。

大切な誰かと意見が衝突し,
自分の気持ちが分かってもらえなくてつらい,
と感じたときには,

相手が「なぜ」このようなことを言うのか
なぜ,このような行動をするのか
・・に思いをはせてみるのと同様に,

自分が「なぜ」このようなことを言うのか
なぜ,このような行動をするのか
・・にも,一度思いをはせてみると,

ハッ,と気づくこともあるのでは,と思います。

自分の「言葉」や「行動」の原因に気づいたことで,
私は娘から,「すごく柔らかくなった」と言われ,
子ども達や夫との関係も,以前よりもずっと,
気楽で楽しいものになりました。

相手方の言動の原因だけでなく,

自分自身の言動の原因も
本人も気づいていない
幼い頃からの親との関係,

友人,同僚,上司など人間関係のほか,
障がいなどが理由になっていることもあるの
なのではないか・・と改めて感じています。

自分自身の言動について,
「原因」に思いをはせ,理解して,対応すること,
自分と相手の譲れない部分を理解することで,
これからの「話し方」が変わります。

「話し方」が変わることで,
相手方の感じ方・対応が変わり,
これまでとは,関係も変わってきます。

もちろん

相手方に「モラハラ」と
言われる言動がある場合,

こちらが変化するだけで,
相手方の対応を変えるには
限界があると思っています。

けれど,

相手方と離れて生活し,
自分自身の言動を変えることで,

面会交流や養育費などについて,
これまでとは違う形での関係構築が
出来る可能性がある,と私は思っています。

離婚調停や面会交流調停をしている方が,
本当にのぞむ結果にたどり着けますように。

「意識して」選択した「言葉」
そのとき,伝えないといけない最も大事な「言葉」を

相手の心に響く
自分の言葉で伝えられるよう
サポートできたら嬉しく思います。

お互いを知ることで,
夫婦円満であり続けたり,

壊れかけていた夫婦関係も
早期に修復していけます。

また,離婚後であっても,
関係を再構築するための
ヒントになると思いますし,

新しいパートナーが出来たときや
大切な子どもとの関係についても

関係構築のヒントにもなると思いますので,
知ってもらえたら嬉しいです。

また,さらに
子ども達や夫との良い関係構築を
するために必要なことに気づいたきっかけ,

娘に言われた「言葉」から,
なぜ私がそのような「言動」をしていたのか,
その原因を知って,さらに自分でも驚いたことを
お話できたらと思っています。

もしかしたら,女性,妻の立場,
モラハラ被害を受けたという立場の方も,
自分が変わることで

これからの温かい人間関係の構築に
ヒントとなることがあるかもしれない,と
感じる方には,読んでもらえると
嬉しいです。

元妻,女性にとっても,
元夫,男性にとっても,

面会交流や養育費などを通じて
離婚後も関わりを持つことを
避けられない場合に,

少しでも,お互いの関係が
以前よりも楽なものとなるため
のヒントになったら・・
と思っています。

これからも,私は,
お子さんにとって良いと思える
面会交流や養育費の
在り方とは何かを,

同居親,別居親の方,

それぞれの立場の方が
これまでとは違う視点で
考えてみることができるよう,

自分が出来ることとして,
これまでうまくいっていると思える実践例や
それぞれの立場の方が感じていること,

自分自身が母親として,また,
両親の紛争下で育った子どもとして
感じてきたことなども含め,
発信していけたらと思っています♪

私のように・・
気づいて変わろうとしていらっしゃる方,
これからも応援し続けたいなと思います。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!