子どもに引き継ぐための事業承継3つのポイント

17306_800856056666369_8156084666132237685_nいつもお読みくださり,ありがとうございます!
今週は,桜が満開に近づき,色々な花が咲き出して,それだけで,ワクワクする感じがします♪
ついに私も弁護士をして15年になりました!4月はまた,年度始めで「始まり」の時期…
私も,4月から公的な「事業承継」に関わる仕事につけることになり,すごくワクワクしています!
・・・「始まり」ってとても,ワクワクしますね!
今回は,地元多治見市で経営者が集まる早朝勉強会(6時半スタート!)PAL朝食会で税理士の西川正起先生が「相続と事業承継」をテーマに話してくれました.

その中から,「子どもに引き継ぐための事業承継3つのポイント」をお伝えします。

私は,弁護士として15年の間に100件以上の倒産現場を見てきましたが,「倒産の原因」として,事業承継の際に,顧客が離れてしまった,同じ取引条件で付き合ってくれなくなった,運転資金が借りられなくなった,などの理由があがっていたことも多いです。

大好きな地元の企業が「事業承継」をきっかけに「倒産」してしまうのはとても悲しい。
…今回のお話が,「事業承継で失敗しないために,何に気をつけたらいいのか」「最も大事なことは何か」のヒントになったら,と思います。

1.事業承継者を誰にするか

事業承継で,最も大事なことは「事業承継者を誰にするか決めること」だそうです。
20年前には8割以上が息子,娘が承継していたが,今は半数以下に減っています。
その中で,まずは「誰に」事業を承継させたいのか…むしろ,数少ない子ども達の誰に承継してもらえるのか,ということを早期に決めなければいけません。
…そう言われてみると,事業承継がうまくいっていると感じる地元企業はこどもが小さい頃から,誰を承継者にするか,ということを明確に決め,その子どもに「経営者」としての心構えを伝えてきたと言われます。
長男なのか,次男なのか,娘婿なのか…
弁護士として関わっていると,一端,決めた承継者を後に変更することで,もめてしまった事例に遭遇することも多いです。
もし,子ども達がみんな違う仕事をしたい!ということであれば,親族外への承継(他の役員,M&Aなど)を検討しなければいけません。
「誰に事業承継をさせるか」が決まらなければ,対策は打てませんね。
…みなさんは,事業承継者を誰にするか,決めていますか?

 

2.現金化しやすい遺産を残す(遺留分対策)

「子ども」に事業承継をさせる,と決めた場合に大事なポイントの2番目は,「現金化しやすい遺産を残す」ことだそうです。

確かに,弁護士として相続問題に関わっていると,事業承継者にすべて遺産を引き継ごうとしても,他の相続人に不満が生じ,もめてしまうという事例にとても多く遭遇します。

遺言書」である程度調整は出来ますが,「遺留分」の問題があり,全てを事業承継者に渡すことが出来ません…
事業に必要な不動産や自社株に対して遺留分減殺請求をされ,解決までに時間がかかると,本来の事業に支障も出ます。
私自身関わった相続問題では,10年以上解決にかかった事例も経験しています。
問題を難しくするのは,事業承継者が引き継ぐ財産が「自社株」「不動産」のような事業には絶対必要だけれど,お金には換えられない物のためです。
他の相続人は,「現金」で「遺留分」相当の遺産をもらいたい,と希望します。
このとき,すぐにお金になる資産(現金・預金など)を遺産として残しておくことが重要となります。
遺留分の対策をするには,「保険」を利用することも,有効です。節税効果は薄いですが,「遺留分」対策としては,養子縁組しておくことも考えられますね。
「遺留分」の対象となる『遺産』と相続税の申告の対象となる「遺産」は違う,というのもポイントです。
ここでは,詳しく説明するのが難しいので,「法律問題」はやはり,弁護士に相談するといいですね!
…みなさんの「遺産」は分割(現金化)が難しい,不動産,自社株だけになっていませんか?

3.節税対策

第1,第2ポイントを解決したら,最後のポイントは「節税」です。
確かに「事業承継」する場面では,すぐに運転資金が借り入れないことも有り,出来るだけ手元に「現金」を残す必要があります。
…その意味で,「節税」も重要です。
ただ,第1,第2ポイントがしっかり対策できていれば,ある程度何とかなりそうなので,優先順位としては後になりますよね。
これには,「保険」,「退職金」を有効に使うということが印象として残りました。
また,3年10ヶ月以内に「未上場株式(自社株)」を会社に譲渡することで節税対策になります。
…しかし,やはり「節税対策」は税理士さんが専門です。
弁護士が中途半端な知識で「節税対策」を説明するのは,良くないので…
弁護士とも連携が取れていて,事業承継の重要なポイントを理解している税理士さんに是非相談して頂きたいと思います。
…みなさんは,事業承継の問題を全体的に把握している税理士さんを知っていますか?

4.まとめ 失敗しない事業承継は連携が必要

事業承継には,「法律問題」の他,「税金問題」があり,弁護士だけでも,税理士だけでも全ての問題を適切に処理することは出来ない…と思います。
また,そもそも事業承継は,なによりも「人的」問題,経営者のマインド,ノウハウの引き継ぎも重要となります。
このあたりは,弁護士など「士業」だけでなく,「経営者」として事業承継を経験した先輩のノウハウも必要だと思います。
どこに相談したらいいのか分からない,というのは勿体ない。

…私も最近まで,「こんな相談機関があったんだ!」と知らなかったことが沢山ありました。

例えば,中小機構中部では,無料の経営相談をやっていて(0570-009111,電話料のみ負担)事業承継のご相談も出来ます。他にも,商工会議所の会員であれば,商工会議所で弁護士などの専門家を無料で派遣してもらえる制度も利用できます(私も岐阜県で専門家登録しています)。各地に「事業引継ぎ支援センター」「よろず支援拠点」など公的な支援機関も沢山あります。

事業承継は漠然と考えているけれど,相談するとお金がどれくらいかかるのだろう?」と心配なみなさまも,「経営」「法律」「税務」などに連携の取れた公的な相談機関を利用して,「事業承継」を考えてみてはどうでしょうか?
私も,自分一人で総合的な解決をすることは不可能ですが,信頼できる仲間と沢山知り合うことができ,連携することで解決できる,と信じています。
誰に相談したらいいのだろう,という方は,とりあえず私に相談して下さいね(笑)。対応するのが適切なのは私ではない,という場合には,最も適切な方,適切な支援機関をご紹介したいと思います!
今回のお話をしてくれた西川税理士は,とても分かりやすく事業承継のポイントを伝えてくれました。ありがとうございました!!

このブログが,「事業承継を考えている」「事業承継を考えている経営者のお手伝いをしたい」という個人,支援機関,専門家の方々のお役に立てますように…

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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