多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

動かない人が動きたくなる魔法のリーダーシップ~ぎふしん青年重役会

動かない人が動きたくなる魔法のリーダーシップ~ぎふしん青年重役会

023いつも読んでくださって,ありがとうございます!
7月7日に取引させていただいている岐阜信用金庫「ぎふしん青年重役会」東濃支部主催の講演会(恵那市の恵那峡グランドホテルにて)に参加しました!
テーマは「動かない人が動きたくなる魔法のリーダーシップ」,講師は株式会社アビリティトレーニング代表取締役「木下晴弘」先生です。
先生は,以前は灘高などの超難関校に合格するよう導く関西大手進学塾の講師をしていて,生徒からの支持率は驚異の95%以上という方でした。
関西人らしい,笑いありのテンポ良い話の展開,感動的な映像など,本当に面白く,最後まで聞かせてもらいました。

子育て,リーダーとしてのあり方について,自分の経験に基づく,感動的なお話でした!
どうすれば,リーダーとして人を動かすことの出来る人間になるのか…

そのなかで,お役に立ちそうな話を3つ報告をします!

会社のリーダーがどんなことに気をつけたら職員が動いてくれるのか」「親や先生はどんなことに気をつけたら子どもは動いてくれるのか」…という方に,参考になったら嬉しいです!

1 何のために(目的・役割・使命)

木下講師が進学塾の先生時代に,同じテキスト,同じ講師の授業なのに,クラス毎で合格率に大きな差が出るのはなぜなのか不思議に思っていたそうです。
合格率は,進学塾が生き残るためにはとても大切なこと。
そこで,調べてみたところ,合格率が高いクラスは,生徒が「全員で合格する,という共通の目的に向かったチーム」になっていたそうです。
つまり,ある科目で得意な生徒が苦手な生徒に教えたり,漫画を持ってきたら,先生に報告するのではなく,「一緒に合格しようって誓ったじゃないか!漫画をしまうんだ」と生徒同士で注意したり…ということが日常的に起きていた,のでした。
合格後の夢は違っても「仲間として合格する」という共通の目的が出来た,というのが重要なのですね。

みなさんの会社でも,職員それぞれ,表面的に見えている「働く理由」は違うと思います。
自分が生活するため,家族を養うため…など。

でも,給料払うためには,会社が誰かの役に立つ必要がある→うちの会社は○○ということで,役に立っていく会社→あなたは○○が得意だから,△△という役割で力を貸して欲しい,と共通の目的・自分の役割・使命を意識してもらえるとチームとして成果を出せそうですね(目的・役割・使命の重要性は師匠の柳生先生も言っていますね)

リーダーの仕事とは,「相手の長所を見抜き,これこそが自分の生まれてきた役割である」と気づかせること。
その人が自分の生まれてきた役割に気づき,それが働く(勉強する)目的になったとき,過度の管理は不要となる…

確かにぬかりない「管理」は無理だし,それでは,管理していなければ,動かない職員(子ども)となってしまいますよね…
やはり,ここでも「組織」には,目的意識の共有が大事,という話がでますね。
その目的は自分目線の目的(就職する)→他の人を幸せにする目的(働いて家族,住む人を幸せに)に変わっていくと,「終わりない目的」となって成長していける…

社長,リーダーの皆様は,会社の目的が明確になっていますか?
スタッフの「長所」を見抜いて,役割に気づかせられていますか?

 

2 組織はノームで動く

ノーム」とは,「組織において暗黙のうちに了解されているルール」だそうです。
つまり,就業規則のように,「書かれていること」ではなく,実際に「やっていること」「そうあるべきこと」。
なので,就業規則で9時出勤となっていても,実際にはみんなが9時10分過ぎにしか来ていなければ,ノームは「この会社は9時10分過ぎまでに来れば良い」というのが「ノーム」です。

リーダーシップとは,会社(組織)にとって,「肯定的なノームを作り出すこと」
それに大切なのは,リーダーが一度口に出したことは「絶対に実行する」「従わなければならない」を徹底する,とのこと。
先の出勤事例でも,まずはリーダーが実践し,実践していない職員には,徹底的に指導していくこと,が必要だそうです。
これは「壊れ窓理論」と言われていますが,ほんの少しだけでも,窓が壊れてしまうと,そこから次々に壊れていく…最初が肝心ということのようです。

でも,それじゃあ,やっぱり「管理」「規律」していかなければならないの?という疑問がありませんか?
…木下講師は,組織の目的を共有するには,二つの床が必要で有り,その一つは「規律」≒ノームであると言っています。
ノームは,最初は支持命令があるでしょうが→制度(インセンティブ)→文化(例えば,先進国の社会では裸では歩けない,というような,この会社ではこうしないと恥ずかしい,という組織文化)と段々自律的な形にしていくことが大事とのこと。

他方,その大前提として,「愛ある人間関係」が大事だと言っています。
これは,同じく塾の講師をされていた「ビリギャル」の著者も言っていましたね。
have(テストで100点取った!)より前に→do(頑張って勉強したこと)→より前に「be」(いてくれることそのもの)をいつも承認してあげることが大切。
そうでなければ,辛いことがあっても立ち直る力が続いていかない…そうです。
「お母さんは(社長は),僕が成績が良くなかったら愛してくれないの?」と思うと,長期的に見た場合に成長は難しい…・

組織でも,「愛ある人間関係」「規律ある文化」の二つの床が必要で,これによって,「目的を共有」する地盤が出来るのです!
…私は,特にスタッフのみんなに対して,「規律ある文化」「beの愛を伝えること」が抜けていたかな,と思います。

社長,リーダーの皆様は,スタッフに「一緒に仕事が出来て嬉しい!」「うちの会社に来てくれてありがとう!出会ってくれてありがとう」を伝えられていますか?
社長,リーダー自ら,会社の文化として守るべき規律,守れていますか?伝えられていますか?

 

3 自分が源泉

組織でノームを作るにはどうしたらいいのでしょう?
…「文化にする」って言っても,どのように?
と思いますよね。
そのヒントが「自分が源泉」という考え方です。
つまり,「自分の周りに起こる出来事は自分が作り出した結果である」という立場をとること,です。
例えば,カンボジアの内紛も自分が作り出した…・と考えてみるのです(驚!)
(そういえば,成功哲学を書いているナポレオン・ヒルも言っていましたね!)

この考え方のすごさは,こう考えることで初めて,「自分が出来ることがみえてくる」ということです。
誰かのせいでこうなった…と思っていた場合,その人がやってくれなければ,何も変われないけれど,無理矢理?「自分のせい」と思えば,解決する方法もひねり出せそうですね。

実際に「サイモントン療法」というがん治療の療法では,この発想で驚くべき治療効果を上げているようです。その治療を受けたくて,患者さんの行列が出来ているとのこと。
そのとき,先生は「あなたはいつ,がんになろうと決めたのですか?」という質問をするそうです(驚!)
それを認められた人に治療を勧めていくようですよ~~
(確かに,科学的に証明はされていないのかも知れませんが,私も,不貞行為をして,家族から見放されてしまった方や不貞行為を隠し続けていた方などのその後の話を聞くと,「がんになって亡くなった」という方も多くて,自分自身の心が影響しているのではないかな,と思うことは多いです。以前伺ったがんが治ったと言われた白駒妃登美さんのお話も思い出しました)

この話を会社ですると,「では,あのミスもリーダー自身が悪かったのですよね」とお互いに「自分が源泉」の押しつけが始まることもあるそう(笑)
なので,会議では,それぞれが「あの人がこうすれば~」ではなくて,それぞれが「自分がこうします」という発言をするように進めていくといいそうです。
確かに,これだと喧嘩にならずに,組織文化として,考えていけそうですね♪
さんの会社では,「あのミスに対して,自分が何が出来たのか?」について話をされていますか。
会社の目標に向かって,「自分が何が出来るのか?」についてはなしをされていますか?

 

まとめ 親も経営者も同じ

最近,子育てと経営はすごく似ているところがあるな~と思います。
違うのは,子どもに対しては,生まれた始めから「愛」があることが通常で,あとはその伝え方,だと思いますが,職員に対しては最初は「愛」をもてていない場合も多いのではないでしょうか?

だからこそ,組織では「規律」の方が先行しがちな気もします。職員への「愛」を伝える努力をしたいな,と改めて思いました。
まずは,口に出して言葉にすることで,心から「本当に有り難いよな~」って思ったりします。
「言葉」も大事ですね!
振り返ってみると,私も田中弁護士がいてくれるから,外に出る仕事も出来る,会計,労務の得意な安藤さん,戸籍業務に詳しくて,電話対応も秀逸な木股さんが「事務所に来たい」といってくれたから,「弁護士しか出来ない仕事」に集中して仕事が出来ている,本当に有り難いです!
ありがとう~~~やはり,感謝しかないですね。

個人的には「ノーム」の話は初めて聞いたので,「規律」も気をつけたいな,と思いました。
次回の事務所会議では「自分が源泉」目線での話合いをしたいと思います♪

子育ての上手なお父様,お母様は,リーダーとしてもきっと素敵なリーダーになりますね♪
組織運営が上手なリーダーは,よいお父様,お母様にもなりそうですね♪

このブログを読んで下さった皆さまが,「子育て」「リーダーとしてあるべき姿」のヒントが見つかりますように!
今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!