多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”3つの真実(野口嘉則著)~愛する人を失わないために知っておいて欲しいこと

人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”3つの真実(野口嘉則著)~愛する人を失わないために知っておいて欲しいこと

「行ってきます」にこやかな笑顔で見送ってくれる妻。胸に抱いているのは自分の大事な息子,二歳。
「パパが,お仕事に行ってきますよ」妻が私に息子を私に手渡してくれる。
息子を抱いて,「じゃ,パパ行ってくるね」顔を覗き込んでそう言って,妻に息子を返して出かけた。

ところが・・帰ったら,息子も妻もいなかった。
妻と息子の荷物が一切,ごっそり,なくなった。
あんなに仲良かったのに,なぜ?

妻は自分のことを大好きになってくれて,結婚した。

・・何が起こった?

でも,振り返ると思い当たるところもある・・
最近エッチ求めても,「今は無理って」言われることがあったっけ。
でも,今日だってあんなに笑顔で送り出してくれたのに・・?

いや・・そういえば思い出すと,少しさみしそうな笑顔だったのかもしれない。

私の法律事務所には,男性からの相談も多く,冒頭のようなお話を聞くことも実は少なくありません。

なぜこんなことが起こってしまうのか?
どうしたらこんな悲しいことを避けられるのか?

離婚が決して悪いことではないと私は思ってるんだけれど,
こういうご相談を受けるたび,もしもっと前の段階のどこかで気づいて,夫婦関係を修復できることがあったらいいなと思ってます。

今回ご紹介する本「3つの真実」は,仕事で成功し続けてきた「ミスター目標達成」を襲ったアクシデントから始まるストーリー。成功法則通りに生きてきたはずなのに・・?成功法則にも賞味期限があるのか?本当の幸せってなんなんだ?を考えさせる著書です。ミリオンセラー「鏡の法則」の著者である野口嘉則さんが書いています。

本を読んでみて・・
これは,職場での人間関係修復して行くための方法であるだけでなく,家庭での人間関係,夫婦関係や親子関係も修復するためのヒントになると思いましたのでご紹介します。

本の中で,大事な人,大好きな人が離れていってしまわないよう,夫婦関係を修復するために大事なこととして,私が気づいたことを3つお伝えします。

1 感情に支配されない秘訣

「生活の中で,自分の感情と向き合ったり,それを味わったりするとがないと,自分が何を感じているのかがわからなくなる」
「すると、自分の内面を感じるセンサーが鈍ってくる。このセンサーが鈍るということは,『自分にとって本当の幸せとは何かに気づくセンサーが鈍る』ということでもある」

まず,自分の感情を感じよう。味わおう。
このひと言を読んで,そう思った。

私が夫とケンカをするとき,夫の何かの言動に怒って,反応して,言葉を発してる。

例えば,先日,夫の実家に「来ても来なくても良い」って言われた時。

私としては,行って,夫のご先祖様の仏壇にお参りしたいなあって思ってたのに・・
その気持ちが分かってもらえなくて,悲しかった。

「ダラダラしてるなら,来なくていい」(ほかのことでちょっと落ち込んでいて,私の行動は遅くなっていました)
「○時の電車に乗れないなら,おいていく」

そんな感じのことを言われたとき・・

なんか怒りが爆発した。

その感情はなんだろうって・・って冷静に振り返ったら,「支配」のようなものを感じたからかもと思った。
私が置いていかれたくなかったら,頑張って準備するしかない。

私をコントロールされようとしてる。
もし,自分の上司と一緒に行く約束があって,上司がだらだらしていたとしても・・こんな「話し方」は絶対にしない。

私だから,こう言ってもいい,コントロールできるって思われてる気がして,嫌だったんだ・・と思った。
(これは親が子供によく言ってしまう言葉でもあって・・確か保育士さんが対等な関係でない,子どもへの暴力だって言ってたなあ・・)

そして,もう一つは,自分のいわば純粋なお参りしたいっていう気持ち,「愛」から出る言葉を受け取ってもらえなかったのか辛かったんだ・・と思った。

その二つに気づいて,言葉にして伝えたら・・
少し,いや,かなり,すっきりした。

この怒りや悲しみがどこからくるのかわからないと,人はとてもしんどいと思う。

だから,喧嘩して,もやもやして,スッキリしないまま終わってしまうこともあるのかなと思った。

2 愛か怖れ

「人の行動の動機は二つしかない。」
それは突き詰めていくと,愛か怖れ」のどちらかしかない。
「このことを知ると,自分の行動の背後にあるものを理解できるようになる」

これは,私が大好きな,斎藤一人さんも言っていた言葉だな・・と読んで改めて思った。

「怖れによって行動する時,本当の幸せから遠ざかっていく」
「本当の幸せは,愛に生きる時もたらされる」

私は,親に厳しく育てられたおかげで国家資格も取って,公務員になって今の役職にもつけた。
・・だから,努力をすれば,ちゃんと社会からも認められて,人生の「成功」を手に入れることができる。

こんな甘やかして,子供を育てたら,子供がダメになってしまう。

子どもが人から評価されない,ダメな人間になってしまうのは怖い・・
人から評価されないのは,人生の中でとても恐ろしいこと・・

本当は,そんな怖れから,厳しい子育てをしてしまう。

子供がちゃんと勉強しないと,それを指導できない妻が悪い。
そういう話も,ご相談の中で,よくあります。

えらそうに言う私も,本当は,自分自身もそうだったなあ・・ってごくごく最近気づいたところです(!)

私の親は,ものすごく私のことを愛してるのは感じていたけれど・・

「できない」私は認めてもらえない気がしてた。
親に認められたい・・
親に迷惑かけちゃいけない・・

そして,うちの両親のように夫婦って,いつ仲が悪くなってもおかしくないのだから,いざという時に一人でもちゃんと生活できるようにしっかり仕事をしよう。
そう思ってた。

人から認められないと怖い。
その背景が,私自身にもあったと思う。

この考え方を変えてくれたのは,私自身の子どもたちでもあり,そして,私の大事な夫でもある。

夫はいわゆるエリートの大学に行ってるんだけど,だからといって正しさを私に押し付けることはしない。
「負けたくない」っていう気持ちはあるらしいんだけど(本人が言ってた),絶対的な自信があるから,他者の評価を得るために,それが主な目的となって行動することはない。
それが,私と違うところだなって思った。

この本を読んで,その「自尊心」・・・「自分のことを価値ある存在として,認め,尊重し,信頼する心」が不足していると
「他人から認められる事で補おうとする」。夫には,私に「正しさ」を押し付けることで,この補おうとする,がないんだな・・と改めて思った。

「怖れ」から離れて「愛」から行動するために,ここが大事なポイントだと改めて思った。
「愛」から行動すれば,人間関係は温かいものになりやすい。
他の人と対等につながれる。

3 相手を尊重する愛

「愛」には,幸せを生む「愛」と産まない「愛」がある。
前述の立派な大人になって欲しい・・というのは,「怖れ」からきているものでもあるけれど,ある意味では子どもを思うが故の「愛」ともいえる。

けれど,この愛は,「自分の考えに固執して,自分の思いどおりに相手をコントロールしようとする」愛。
これは相手に依存する「執着愛」で,幸せを生まない「愛」

幸せを生む愛は,
「相手の幸せに貢献しようとすると共に,相手の感じていることを尊重する」愛。
「相手の感じていることを尊重することができれば,相手をコントロールしたくなる気持ちも手放せる」

いわゆる「モラハラ」をすると言われてしまう人の言動は,「愛」がないわけではない。

妻のことも,子どものことも愛している。
立派な妻になってほしい。
失敗しない妻になって欲しい。
子供が社会でちゃんと認められて,困らないようにしたい。

それは,「愛」だけれど,その「愛」はこの本で言うところの「執着愛」
相手を変えようとする,コントロールしようとするもの。

でも,人間関係を築くとき大事なのは,相手のことを「そのまま尊重する愛」

そうでなければ,次第に人は離れてしまう。
誰も誰かに支配されたり,コントロールされて「変えられたく」はない。

自分で気づいて,自分で変わりたいって思うことはあるかもしれないけれど・・無理やり変えられたくはない。

だから,相手のことを尊重して,「そうなんだそういう風に思うんだ」って言ってくれたら,やっと,そこから会話,対等な人間関係がスタートできる。
ここが分からないと,夫婦関係も職場での関係も壊れやすいと改めて思った。

「正しい」かどうか,結論は永久に出ない。
(裁判所の裁判は,ある意味その「正しさ」を判定する場面ではあるけれど・・裁判所の判断を求めないといけない時点で,人間関係の構築はおよそ不可能ということ)

「私は,こっちの考え方が好きです」という話し方のほうが楽しい。
そんな言葉も,この本には出てきますが,とても素敵。

「お前は間違ってる」「俺が正しい」,は人間関係を本当に悪化させる。

でも,「自分としてはこっちの方が好きなんです」
「こう考えると楽しいんです」

そう言われたら,「あ,あなたはそういう考え方なんですね!」って言いやすい。
それぞれの考え方を尊重してくれている。無理にこちらの考え方を変えさせようという「コントロール」感がない。
改めて一緒に誰かと誰かが人としての繋がりを持ち続けるにはお互いの考え方が対等に尊重されていないと難しいんだなって思った。

まとめ 3つの真実とは

冒頭の私が相談でよく耳にする言葉・・

人間関係が壊れてしまう原因っていうのは,本当に悪気のない「愛」からの言葉がきっかけだったりする。

その「愛」が「執着愛」になってしまうのは,自分自身が親から受けた愛がそのようなものであったことが原因であることも「99%離婚 モラハラ夫は変わるのか~変わるのが難しい原因と変わるために出来ること」で紹介したように多いんじゃないかなって改めて思ってます・・

それに気づいて,自分の感情を言葉にできたら,少しずつ人間関係は良くなるんじゃないかなって思いました。

この本は,物語形式になっていて,ドラマティックに展開もして,ドキドキしながら読める,とても読みやすい本で,深い気づきもあるので,超オススメです。
主人公に老人が投げかける究極の「五文字の言葉」やこの本のテーマでもある「人生を変える愛と幸せと豊かさの秘密3の真実」の3つは,今回私がご紹介した三つのポイントは違うので,ぜひ注目して本を読んでいただけたらと思っています!

そして,「知識」は知っているだけではなかなか行動や考え方に変化はないので,実際に実践することが大事ですが,そのためのワークも記載されています。

私も読んでからしばらくたって忘れてしまっていましたが・・実際に改めて読んで,とても大切なワークだなと思って,また今日から再度続けていきたいなと思いました。
ぜひぜひ読んでみてください!きっと皆さんの職場や家庭での人間関係をより良いものにしてくれると思います。

これからも,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,そして自分自身の子ども達,家族,友人のため,弁護士として,母として,幸せに生きるための方法,考え方についてお伝えしていきたいと思います。

また,研究発表,致しますね!

それでは,

このブログを読んで下さった皆さまにとって,人間関係を構築するためのヒント,モラハラ夫と言われている方で,自分にもモラハラ傾向,加害となり得る傾向があるかを知って,加害しないように意識して気をつけていきたい方,幸せになるために変わりたい,と思う方,元妻(夫)や子との関係を離婚後の在り方を良いものとしていきたいと考えている方のヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!