多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

心を救う「言葉」と「話し方」~私がどん底から救われた言葉

心を救う「言葉」と「話し方」~私がどん底から救われた言葉

いつも読んでいただき,ありがとうございます♪突然ですが,あなたがもし,誰かからあなたのあの「言葉」で救われた,私にとって恩人で,一生忘れません,と言われたら嬉しいと感じますか?

私は,そんなふうに思ってもらえたら,とっても幸せに感じます。生きててよかった!と思います~
そんな人間に出来ることならば,なりたい!(笑)

もし,あなたもそんなふうに思って下さるなら,今回のお話がお役に立つかな,と思います。

人生を振り返って・・あなたには,忘れられない人はいますか?
忘れられない「言葉」はありますか?

・・実は私にはあります。最近,それをまた思い出して,勇気づけられ,泣けました・・

そこで今回は,
イライラしているときにイライラを一気に解消してくれた今でも忘れられない「言葉」,
娘から言われた衝撃的!かつ感謝が沸き上がってきた「言葉」
私がどん底のときに救ってくれた事務局さんの「言葉」,

について3つお伝えしたいと思います。

1 自分と同じように反撃されるのもしんどい

朝夫とケンカして事務所に来所したときのこと。
・・ケンカのあとのイライラ感,と「嫌な気持ち」をひきずってました(未熟です,笑)

しかし,うちの事務局スタッフはいつも感情が安定しているな~
イライラしたり,めっちゃテンションが低い,とかなくてすごい!(大人だ・・・)

私「どうして,いつも感情が安定してるの?すごいね。家のこととかでイライラしない?」

事務局「まるくなりました。家族が,自分とはあまりに違うので,同じ反応を求めても仕方ないかな,と思うようになって」

私「うちは,夫とケンカして,こういうとこ,直してほしい。繰り返されるとつらいから,って言っても,反応なくて,イライラするんだよね。どう思っているのか分からなくて。そんなことないわ!と反抗的に思っているのか,悪かったから直そうって思っているのか,私が怒るのはいつものことだから,とりあえず聞き流そ  う・・  と思っているのか。同じこと繰り返されると自分がしんどいから,スッキリ解決したいんだけど・・」

事務局「そうですよね。私もそうなんですけど,自分と同じように反撃されるのもしんどいなって思うようになって変わってきました。
一人の子は,自分と似たタイプで,言い返してくるので,気持ちはわかるのですが,バトルみたいになって,それも自分にとってはつらいな,と思って。
はっきりと反応しないもう一人の子のことも,とりあえず,自分の気持ちを伝えきればいいと思うようになりました」

・・・なるほど!!!

確かに自分みたいにポンポン夫が反論してきたら,耐えられんかも!
・・前にも,確かに,他の事務局も夫が黙っているのも優しさかも,って言われたな・・

・・何を言ったらいいのか分からない,
・・何か言ったら傷つけてしまうかもしれない,
・・何かを言えばすぐ反論して怒ってくるに違いない(3倍くらい返されそう,と言われた気も。笑)
・・だから,何も言わない。

・・というようなことを,以前夫にも言われた気がする。

でもでも,いままであんまり腹落ちしていなかったのかも。
ご自身の体験談から,「自分と同じように反撃されるのもしんどい」という言葉が私の場合,めっちゃ響いたなあ・・
夫とのけんかのイライラも一気に解消しました。

人によって,腹落ちする言葉,響く言葉は違うのかもしれないけれど・・
相手の気持ちはこうだよ,と言われるだけよりも,「あなたにとって,そうじゃないとこういう不利益があります!」ということを具体的にイメージさせてもらえる方が,
響くことあるなあ・・

これから私も,離婚のご相談や夫婦カウンセラーとして,ご相談を受けるときには,「物事には違う見方もある」「相手の良いところも見てみましょう」ということをそのままストレートに伝えるのではなくて,こういう伝え方をしてみることも意識してみよう!と思いました。

みなさんは,誰かの言葉で「なるほど!そうなのか」と視点が変わってスッキリした経験はありますか?
もしあったとしたら・・・それはなぜだと思いますか?

2 この家庭どうなるかと思ったんだよね(娘の話)

最近,娘(中3)が良く話をしてくれるようになった・・

ちょっと周りの人とは違っているかも,と気づくようになったけれど(笑),
どうやらつい最近まで「素の自分」を出してはいけない,
と思っていたらしい。

(そんなタイプと思っていなかったからびっくり)

今は,ちょっと変わっている自分のことを
「変わってるねー」と言われつつも,
「○○君の方が変わってますよね」と言える関係性もあるらしく,
(もちろんごく限られた人ですが,笑)

学校でクラスメイトと話をするのが楽しそう。

そんな中で,ふと娘が言った。

「中1のころは,まだ自分の本性が出せていなかった気がするんだよね・・・」
「これで私が本性を出したら,この家庭どうなるかと思ったんだよね」

・・え!そうだったの。

そんなこと思ってくれてたんだ(泣)

振返れば数年前は,息子のことで手いっぱい。

発達障がいが分かって,学校への登校もすんなり行ってくれない。
連れていこうとすると逃げ出す・・
行っても学校から帰ってこようとする・・・
お友達にちょっかいを出してトラブルになる・・・

授業中に抜け出して,職員室に行ったり,
娘の教室に行ったり・・
色々あったなあ・・

娘のクラスメイトからは,当時弟である息子のことも有名で
「弟君,来てるよ~」と言われてたらしい。

本当に娘には助けてもらった・・

でも,気づかなったけど,そんなふうに私たち親,家族に気を遣ってくれてたんだ・・
・・本当にありがとう・・

型破りな息子のことは色々大変で,本当に「ルールはしっかり守るべき!」というまじめなタイプの娘ならもっと悩んでいたのかもしれないけれど,
「結構楽しんでたけどね」というひと言にも救われた。
(気を遣ってるのかもしれないけど,実際非日常を楽しむタイプなので・・それは本音かも。そういう性格で生まれてくれてありがとう,笑)

子どもって,親が思っている上に,親の子と思ってくれてるんだな・・・と改めて気づかせてくれて感謝した。
本当にありがとう。
まだまだとっても未熟な親だけど,これからはあなたも,お手柔らにご自分を出してくださいませ!

みなさんのお子さんは,「本性」出せてそうですか?
お子さんは,思った以上に親思いなのかもしれないですね!

3 あなたは悪くない

この言葉を思い出すと,何度も何度も泣けてしまう・・・
心に刺さって抜けない言葉。

「あなたは悪くない」

どん底の私を救ってくれた言葉。
愛にあふれる言葉だな・・・と思う。

あまり詳しくは言いませんが・・(笑)

数か月前の私は精神的にどん底にあり・・
人間関係の難しさを心の底から知り・・

自分に悪かった点がある,ということは重々承知しつつも,
経営者として,何事も人のせいにしてはいけない,すべて自分のせい,自責マインド!
・・と,今から思えば自分で自分を責めていた。

そんなとき,ふと事務局が言ってくれた言葉
「先生は全然悪くない」

・・めっちゃ泣けた。
この事務局さん,これからも本当に大切にしたい,と思った。

いつも一緒に不動産・相続の無料相談を担当してくれている土地家屋調査士の奥村さん。

・・同じことを言ってくれた。
何一つ私の悪いこと,言わなかった。
ただ,話を聞いてくれて,一緒になって,悲しみ,怒ってくれた。

・・この時のこの2人の言葉,対応は私は一生忘れないと思う。

・・この言葉って,自分が言えるかって言われたら,本当に難しい。

私も弁護士として誰かの悩み事を相談される立場であるけれど,

そうは言っても,「あなたも悪かったよね」と思って聞いていて,
簡単に,こんな言葉を言えなかった。

でも,だからこそ,なかなか言えない言葉,滅多にもらえない言葉だからこそ,衝撃的で忘れられない言葉・・・なのですね。

私のことを心から信じてくれて,大事にしてくれて,仲間と思ってくれていて,
詳しい話も聞かなくても,相手の話も聞かない一方的な私の話でしかなくても,
私のことを信じてくれている。

(一般的には,話をしても,当たり前なんだけど,傷ついていそうだから,と,はっきりと言葉にはしなくても,なんとなく,あなたも悪いところあったよね・・と思っている雰囲気がひしひしと伝わってくるんですよね,(笑))

愛にあふれる言葉だな・・と改めて思う。
だから,勇気づけられて,また,頑張ろうって思える。

・・振り返って,なんで私は無条件に「あなたは悪くない」って言えないのかな,
と思って,また気付いた。

私は人のことを,「良い」「悪い」ってジャッジしてて,自分が「正しい」と思うことを伝えないと気が済まなかったんだ・・
つまりそれは,単に自分の価値観で考えたことでしかない「正しさ」を言わずにいられなかったんだ,

相手の望む言葉ではなくて,自分の言いたいことを言いたい,という「我」を捨てきれなかったんだな・・と思った。

自分が思う「正しい」と違う行動,自分の価値観では「間違っている」と思う行動を相手がしていたとしても,
それは自分の価値観による判断でしかない。

だからそれは,すべて,自分と「違っている」だけであって,「間違っている」とか,「悪い」とかではない。
そう思ったら,これからは,悩みを打ち明けてくれたご相談者や友人にも「よく頑張ってきたね。あなたは悪くないよ」と言ってあげられる気がした。

もし,自分の価値観と違っていて抵抗があったら,「あなたは悪くない」し,「相手も悪くない」と心の中で思えばいいんだ。
誰も,基本的には悪くない,ただ,「違う」から,衝突して,喧嘩して,紛争になって・・・最後には裁判になることも。

裁判所は,これが「正しい」という意見が食い違った時に最終的に,これが「正しい」ですよ,という判断をする場所だから,
客観的,絶対的な「正しさ」があるようだけれど,本当は,それも,裁判所が考えるところの「正しさ」でしかなくって,実際には,結構裁判官によっても違ったりする(笑)

弁護士は,自分の依頼者の主張,代理人である自分の主張こそが「正しい」として戦うのが基本的な仕事だから,
ついつい,人の話を裁判所的な基準で「正しい」「正しくない」と判断してしまいがち。

だから,意見が衝突すると,法律,裁判所の考え方を持ち出して議論してしまって,後に引けなくなる・・(笑)

これから,調停,裁判に進んで行くことになる人,そのために弁護士のところに相談に来られている方には,裁判所の考え方を伝えざるを得ないし,それが弁護士が相談にのってアドバイスすべき点ではもちろんあるけれど,

あなたの考え方は「間違いです」,「あなたが悪いです」なんて,伝える必要はなくて,裁判所の「考え方」とはちょっと違うんですよね・・・
という伝え方でいいんだな,と改めて思った。

ましてや,弁護士としてのアドバイスを求められている場面ではない友人関係や日常の家族との会話で,相手のことを「あなたが悪い」なんていう必要はないな・・
大事な友人や家族が本当に心を痛めているときは,「我」は捨てて,「あなたは悪くない」を私も言いたい。

・・・私をどん底から救いあげてくれた愛溢れる2人のように。

みなさんは,つらい時に心から支えになった忘れられない「言葉」がありますか?
どんな人のことを一生忘れられない大切な人,と思いましたか?

まとめ 愛のある言葉

改めて思うのは・・

この人のこの「言葉」で救われたって思うのは,自分の存在を心から認めてもらえたとき,ということ。
「愛」のある言葉だな・・と思う。

私のイライラしていた気持ちを変えてくれた事務局さんの言葉も,
娘の言葉も,

それぞれ人は違うことを前提に,
私やそれぞれの人を気遣う心にあふれていて・・「愛」のある言葉だなと思う。

「愛」のある言葉をかけられる人間になっていきたいな・・と改めて思う。

自分の言葉で,誰かが自分の存在を認められて,生きがいを感じてくれたら・・
それが自分にとってうれしくて,生きがいになる。私が生きて言葉を発したことが,誰かを助けたなんて・・
めっちゃ生きがいを感じる。

誰かの生きがい,喜びが,自分の幸せを感じるポイントになるなんて・・
人間って本当に素晴らしい生物として作られてるなあ,と思う(笑)

これからも人生には色々あって,
人を責めてしまいたくなったり,自分を責めてしまいたくなることがあると思うけれど,
出来る限り,自分にも人にも愛を注げる人間になりたいな,と思います。

友人だからこそ,家族だからこそ,愛を持って,悪いと思うところも指摘すべきだ!という「考え方」
もあると思うけれど,それも「間違っていない」と思う。

・・周りの友人を見ていても,そういう役割の人もいると思うし,相手の性格,状況,タイミングによっても,もらうと本当に良い響く言葉,役立つ言葉は違うかも,と思うから,これはあくまで,私の「考え方」としての愛ある言葉です(ややこしいけど・・(笑))

これからも,自分自身の子ども達,家族,友人のため,そして,弁護士として,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,母としても,自分自身も周りにいる家族や友人も「幸せに生きるための方法」,そのための言葉がけ,「話し方」を学んでいきたいと思います。

子ども達や身近な方々から学ばせていただいて,本当に感謝しています。ありがとうございます。
引き続き,研究報告,活動発表,致します!

それでは,
このブログを読んで下さった優しい方々が,忘れられない人となるための「言葉」選び,「話し方」の方法として一つのヒントとなりますように。

また,子育て中のお父さん,お母さん,経営者の方が身近なスタッフ,妻,夫,子どもたちに生きがいと勇気を与える「愛」ある言葉をかけるためのヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!