離婚の子どもへの影響・面会交流継続のヒント

おはようございます♪いつも読んでいただき,ありがとうございます。

6月25日に,以前ご紹介した親の離婚を経験した子どもさんが中心となって,面会交流を支援している団体「NPO法人ウィーズ」さん主催「かつての「子ども」に聞く離婚後の親子関係」というイベントがありましたので,そのご紹介です。

離婚の相談を受けていると
「離婚するのは子どもにとって良くないのか?」「本当に面会させないといけないのか?」聞かれることはよくあります。

その度に,自分なりの意見を自分の体験,これまで関わってきた体験から伝えてきましたが,本当にそれで間違っていないのか,もう少し,広く子ども達の気持ちを聞いてみたい,という気持ちがありました。

今回のイベントは,千葉県で行われたのですが,動画配信で見させていただきました(光本さん,大感謝。)
親の離婚を経験した,かつての子ども達(今は成人せいている)8人が自分の体験を通じて,その頃どんなことを考えていたのか,今どう考えているかを話してくれました。

拝見する中で,子ども達が
親の離婚をどのように捉えているのか?親の離婚は不幸なのか?
養育費の支払い・面会交流(離れた親との面会)について,どう感じているのか?
どんなケースで面会交流が続けられているのか?

自分なりに感じたことをシェアしたいと思います。

 

1 愛情を感じる

養育費・面会交流が比較的良好になされていた「かつての子ども」さんは,この二つを親からの愛情と受けとめていることが発言の中からよく現れていた。

「大学まで,養育費を支払う約束をしていて,支払ってくれていた」
「会えて嬉しいと言ってくれる」「会いたいと連絡をしてくれて,愛されていると実感できた」
「おまえ達はみんな子どもだから来ていいよ,と言われていた」
「認めてくれ,応援してくれていると感じて,愛情に疑問を持ったことはない」

面会交流が続けられているケースでは,その後に離婚した父母がそれぞれ再婚しても,それぞれについて,「今でも大好き」という発言もあった。
同居していた母からも,「子どもなのだから,会いたいと思ったら止めないよ」という趣旨の言葉かけをされていたという
「かつての子ども」さんの話もあり,
その言葉が出ること自体が,親からの面会に対する積極的な声かけが心に残っているという印象を受けた。

養育費をもらっていないからと言って,愛情を受けていない,別居親を恨む,という様子はあまりなかったけれど,
約束したのに支払わないのは,人としてどうか,という「大人」目線での発言,
養育費をもらえていたら,もう少し母が忙しく働かずにすんで,自分ももっと,他の子と同じように遊んでいられたのに,という趣旨の発言もあった。

やはり,その意味では養育費も子どものために必要,面会交流も子どもが親からの愛情を感じられる上で,とても大切なもの,と再確認できた。

親の方が望まないことで,面会交流がされていないケースもある。
けれど,親が面会を望んでくれ,子どもも会いたいと思っているケースであれば,DVなどで難しい,注意すべきケースももちろんあるけれど,子どもが愛情を実感できるように,できる限り実現させてあげたいと改めて思った。
そのためには,ウィーズさんのような第三者機関の支援も必要だと,改めて思いました。

 

2 親が離婚することの影響

養育費の支払がなく,経済的に楽でなさそうなケースでは,もう少し子どもらしく生活したかった,
と受け取れる発言もあったけれど,
「養護施設に入れることはなく,育ててくれた母親を尊敬している」という発言もあった。

他に・・
「母が自立していた女性で,塾に通うことも出来,不自由は感じなかった」
「隠してもダダ漏れ。大人同士の話は聞こえないところでして欲しかった。その子がどう思うかはひとりひとり違う。」
「親に自分がどちらと暮らしたいか言えなかった。しつこいくらい聞いて欲しかった」
「どっちが好き?と言われて選べなかった。父には父が好き,母には母が好きと言ってしまった」
「母が家を出て行くと聞いて,かわいそうと思って,ついていくと決めた」

「大人は相談できるところがあるけれど,子どもは相談方法が分からずため込む。相談できる第三者がいたら」
「子のために,と言うけれど,何がいいのか,幸せなのか聞いてくれない。分かった気にならないで欲しい」
「会いたいのに会わせない,夫婦間のフラストレーションに巻き込まないで欲しい。」
「離婚の責任を感じすぎないで欲しい,ごめんね,と言われるのはプレッシャー。
責任を持って離婚してくれれば,普通に接していい」
「口に出して愛情表現はして欲しい」


前は,同居している親から相手が悪くて離婚したときいていたけれど・・・
「今は4:6かなと思っている。」「5:5と思っている」というような発言もあった。

離婚した影響は?
「離婚することもある,という前提で結婚する気がする」
「結婚する相手の女性も経済的に自立した人の方がいい」
「人の顔色に敏感になって,(いい意味で)空気が読めるようになった」
など。


その人毎に色々な「感じ方」があったけれど,私が思ったのは「離婚」=悪い,とは捉えていないこと。
そのためには,母も働いて収入を得ることも含め,離婚後にたくましく,力強く双方の親が生きていくこと,
面会交流,養育費の支払いなどの責任は果たしていくことかなと改めて思った。

自分自身の体験からも感じていたことだけれど・・子どもは親が思っている以上に,冷静に親のことを見ている。感づいている。

私自身も,親の離婚の話が出たとき・・自分の意見を聞いて欲しかったし,今どうなっているのか,知りたかった。

全ての子どもがそう思っているわけではないかも知れないけれど,
「親同士の悪口の言い合いはあまり見たくない」「どちらが好き?と聞かれるのは困る」
けれど,全てを隠すのではなく「子どもの意見を聞いて欲しい」「意見を尊重して欲しい」と思っているとは実感した。

(でも,子どもの意見だから離婚しない,あんた(子ども)のために離婚しない・・のように,子どもの意見を利用する,離婚しない責任を子どもに押しつけるのは困る,と言っていますので,責任は自分が持つ,という注意は必要です)

そして,私自身もそうなのだけれど,小さいときは,父が悪い,母は悪くない・・と思っていたけれど,今はそればかりではない,と思っています。
今回話をしてくれた「かつての子ども」達も,そのように次第に感じていく様子がすごく共感した。

相手の不貞行為が離婚の原因と聞かされていたケースでも,大人になるにつれて,そうなる原因もあったよね・・という印象に変わっていっているのを感じた。

年齢に応じた対応はもちろん必要だけれど,子どももひとりの人間として,気持ちを真摯に聞き取り,説明する,子どもはひとりひとり思っていることは違う,勝手にこうだと思い込まない,子ども達の気持ちを大事にして,少なくとも愛情表現をし続ける必要はある,でも,最期は自分の責任で決定することが必要・・と感じた。
親も自分のことでいっぱいいっぱいで余裕はないけれど,私も,弁護士として親をサポートすることで,子どもに対する気持ちの余裕がもてるための役に立てたら,と改めて思いました。


3 面会交流継続のヒント

ウィーズさんから,親の離婚を経験した子どもの当事者に丁寧なインタビューをして研究した分析結果の発表がありました。
その中で,面会交流が継続できているケースについて,

なぜ「面会交流を継続できているのか」という分析の中で,なるほど~と思うことがありました。

それは・・・(別居親が子に対して)

「祖父母のような関係になる」

誤って捉えられるといけないとは思うのだけれど・・
うちの親をみていても,実の子である私にはめちゃめちゃ厳しいけれど,私の子である孫達には基本,優しい。
「孫は子どもと違って,責任がなくていいよね~」と,祖父母が孫を「甘やかしている?」と思われるほど可愛がりながら,発言する様子もちまたでは聞いたことがある(笑)。

別居親が会うときは,祖父母のような気持ちで会う,くらいの方が面会交流が長続きする秘訣なのかも,と改めて思いました。
同じ親としての立場で会うと・・
この子を責任もって躾けなければいけない,相手(離婚した同居親)の躾け方はなっていない,相手とはどういう生活をしているのか気になる・・・となりがち。

でも,祖父母は(うちの親を見ていても感じるけれど)ただただ,孫が可愛い。
よくないところもあってもかわいい。
そうされることで,子どもはほっと出来る,無条件に愛されている・・と感じることが出来る。

なので,うちの子ども達も私の母が大好きだ。(私よりも好き,と言われてしまうほどに・・)
子どもが別居親のことを好きになってくれたら,確かに面会交流は続いていきそうです・・

同居親は,常日頃一緒に生活しているから,子どもに「おこごと」も多くなりがち。躾けも必要になる。
けれど,たまにしか会えない別居親にあったときでさえ,「それじゃよくない」「(同居親の)しつけはどうなってるんだ?」と迫られていると,子どもとしてはいつも緊張感があって安らげない気がする。
会っても,楽しめない気がする・・

同居親の「躾」を非難されることが同居親に間接的に伝われば,子どもを会わせることも否定的な気持ちにもなりがち・・です。

なので,たまにしか会えない別居親は「祖父母のような気持ち」でただただ愛している,「息抜きできる時間にする」ということを意識して伝えてくれるといいな,と改めて思いました。
「親」という責任から,なかなかそういう気持ちにはなれないかも知れないのですが,まずは「子どもとの時間を一緒に楽しむ」ということが面会交流を継続するためのヒントだと改めて思いました。

同居親との関係からは離れて「(子と別居親の)一対一の関係を築く」という視点,相手の親(同居親)とは異なる接し方を意識する子どものペースで交流するなど,7項目も面会交流を継続するポイントとして紹介され,なるほど・・と実感しました。


相手とは価値観も違うから離婚するので・・離婚した相手のしつけの仕方など,信頼できないことも多いと思います。
けれど,相手方のしつけの方法を変えるのは難しい・・のであれば,子どもさんと一緒の時間を楽しむ!という方向に切り替えてみるのもいいのではないでしょうか?

自分の子ども達を見ている限り,私の母である祖母のことが大好きなので,子ども達は,祖母が言うことも実はよく聞きます・・
まずは,子ども達が安心できる場を提供することで,自分を好きになってもらえば,自然と好きな相手である自分が言うことも「もっともかな」と思ってもらえる気がします。


まとめ 子どもと自分を信じることの大切さ

離婚は子どもにとって良くない?
面会交流させることは,かえって悪影響があるのでさせたくない

と言われることがある。

私自身・・弁護士は,
「離婚で悲しんでいる子どもがいる,離婚を勧めることでお金をもらっていることを恥じるべきだ」と非難され,つらかった経験も正直ある・・

けれど,今回は,離婚=不幸と捉えている「かつての子ども」はいなかったことが,救いだった。
そして,両親が悪い雰囲気の中で生活しているということがいいことなのか,という発言もあって,離婚して良かった,とまでは言えていないにしても,それぞれの人生の選択として,「仕方ない」と受けとめてくれていた。

子どもは親が思うより,よっぽどしっかりしてて,色々なことを考えられる・・・


そう思えていない子どももいることは,別のアンケートから知っているけれど,
今回の話を聞いて感じたのは「離婚そのもの」よりも,離婚後どのように生活しているか,面会交流や養育費の支払いはどうなのか,どんな気持ちでそれぞれの親が生活しているか,の方が子どもにとって「親の離婚」を不幸なものと捉えてしまうかどうかには,よほど大きく関わるということです。

面会交流は,「相手が自分のことを愛してくれている」と感じられる面会交流である限り,意味があると感じました。
なので,離婚した相手の素行が気になり,あんな親に会わせたら,悪影響がある,と言われることも多いけれど,「かつての子ども達」の発言を聞く限り,「大人」のように客観的に自分の親を見ていけるようになっている様子が分かるので,もっと,子どもを信じていいのではないか,と思いました。

会う度にプレゼントを与えるので,買ってもらえることが普通になってしまうのが良くない・・という話もよく聞きます。

確かに,これはさけるべきとして,裁判所が発行している「面会交流のしおり」にも書いてあるけれど,子ども達は大きくなってくれば,プレゼントをもらうだけの面会があまり意味が無いことを客観的に分かるような気がする。同居親は,それを信じて,そうではなくて,心のつながりが子どもと自分にはあることに自信を持ち,見守ってもいいのかな・・と思ったりしました。

乳児の面会は不要では?ということもよく聞かれるのだけれど,この点も,実際に乳児であっても面会交流の実子支援をしている立場から,1時間ずっと眠っている子を抱き続けているという面会もあり,その後の面会に繋がっているという話もあって,やはり一緒に過ごす「何気ない時間の共有」こそ大切だと感じました。
つまり,乳児でも面会することで,肌を触れあうことで,何かしら愛を感じている・・あなどってはいけない。

今回親の離婚を体験した「かつての子ども」のお話を聞くことができて,子ども達の持つ判断力,客観的な分析力など子ども達の力を感じました。
親の諍いに巻き込みたくない,つらいことを知らせたくない,という気持ちもあるけれど,子ども達のことをもっと信じて,「離婚」で大きな影響を受ける当事者のひとりとして,真摯に意見や気持ちも聞くことは必要なのではないかな,と思いました。

そして,改めて思ったのは・・「離婚」という選択をしたら,その責任はしっかりもって,それぞれの親が自信を持って進んでいくということ,離婚しても子どものためにそれぞれ責任は果たす,という意識を持つこと,そのためには各々経済的・精神的に「自立して生きていく」という覚悟も持てると良いこと,です。

そうすれば,親が離婚して「不幸だった」と子ども達が思うことはなくなるのではないかな・・と思いました。


本当に経験した者にしか分からないことがある・・
その意味で,今回のお話は,とても貴重なものでした。
これからも私が離婚事案に関わっていく中で,意識していきたいと改めて思いました!


それでは,このブログを読んで下さった皆さまが,子どもたちの持っている力に気づいて,子どもにとって負担の少ない離婚とするためのヒント,面会交流を継続するためのヒントとなりますように・・

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!
本日は,
私に「自分の人生は,誰かに決められてしまうものではなく,環境で決まるものでもなく,自分自身の手で,どの地点からでも変えていけるもの」「自分の人生は自分で責任を持つ」ということに気づかせてくれた恩師に久しぶりに会いに行ってきます♪
自分が死ぬまでに,恩を受けた人達に,感謝を伝えていきたいな~と思っています。

みなさんは,今日,誰に会って,何を伝えますか?

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

コメントを残す