多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

アニメ「けいおん」から「まちおこし」~とうしん青年経営者クラブ

アニメ「けいおん」から「まちおこし」~とうしん青年経営者クラブ

008いつも読んでいただき,ありがとうございます♪
今回は,東濃信用金庫の若手経営者の集まり「青年経営者クラブ」で産業視察に,行ってきましたので,そのご報告です!

場所は滋賀県豊郷町。
滋賀県では一番小さい町ですが,アニメ「けいおん」のファンが続々訪れる「聖地巡礼」により,「町おこし」に成功しています。
また,伊藤忠商事・丸紅創始者,近江商人の筆頭とよばれる「伊藤忠兵衛」記念館もあります。
「けいおん」舞台と言われる「豊郷小学校旧校舎郡」も,伊藤忠兵衛の親族・側近である古川鉄治郞が私財を投じて建設しています。

私は,大好きな多治見の「まちおこし」のヒントになったらいいな・・・
という気持ちと,
イノベーションをおこす人のあり方,考え方,「商売」の本質を知りたい,という気持ちで参加しました。


豊郷町は人口約7400人という,「多治見市」よりずっと小さな町。
小さな町が,活性化するために大切なことは何でしょうか?
イノベーションは何から生まれるのか?
商売継続に必要な「近江商人」の精神「三惚れ」とは?

 

1 ファンの要望を聞く

アニメ「けいおん」から町おこしをしよう!となったきっかけは,
豊郷町商工会青年部(青年会議所)のアニメファンの会員(笑)が,けいおん!の放送を見て,
「大変なことになった~豊郷小学校が舞台になっている!」と気づいたことから。

少しずつ訪れてくれた「聖地巡礼」をするアニメファンの方々にどうしたら喜んでもらえるか?
青年会議所の皆様,役場の皆様などが協力して「けいおん!」でまちおこし実行委員会がスタート。

まずは,どんなことが出来たら嬉しいか?尋ねたところ,「部室」となっているところでお茶を飲みたい,との要望。
「部室」そっくりな部屋は,3階なので,喫茶サービスが困難。
しかし,趣のある「旧図書室」を解放して「カフェ」をスタートして,大反響。

部室の黒板には,巡礼者が沢山コメントを書いたままの状態となっていました。
また,ケーキ皿の上にのったケーキ(イミテーション),紅茶のカップ,ギターなどの楽器までファンの手によって持ち込まれ,
そのまま置いていかれています。
「豊郷町」はこれを規制しない方針をとっています。

次々にアニメファンの方々によって,作られていく空間・・・
面白かったです。

コスプレ用の服などもありましたよ~~

まずは,訪れてくれるファンの要望を聞き,喜んでもらうことをする,これが町おこしの秘訣かな,と思いました。
多治見市にも通称「やくも」とよばれるアニメキャラがいます。
あまり,知られていませんが・・・
(公式ページはこちら

しかし!
「やくも」「聖地巡礼」「多治見」で検索すると,意外と巡礼してくれた方のコメントも出てきます・・・
多治見でも,こういった方が楽しめるように,意見を聞けるといいな,と思います。
・・私も「姫乃」ちゃんのカフェ,行ってみたい。お父さんの煎れるコーヒー,美味しそう。
・・・そして「やくも」の話に出てきたようなメイド風のエプロン着て応対するってやってみたい(←そっち?)
・・・青年会議所のみなさま,何かいい案ありませんか??

 

2 けいおんファンから「豊郷町」ファンへ

イノベーションのきっかけは「気づく」こと。

けいおん!ファンが次第に「豊郷小学校旧校舎郡」には来てくれるようになったものの・・
潤いだしたのは,観光案内所くらい。
これをもう少し「豊郷町」全体に訪れてもらえるようにしたい。

そこで,気づいたのが,ファンが撮っている写真。

飛び出し坊や」(子どもが横断するので注意を促す子どもの形をした看板)をなぜが撮影している。

飛び出し坊やって珍しいの・・・?

どうやら,この「飛び出し坊や」は,西日本,特に滋賀県に多いと気づいたそうです。
そこで「豊郷町」中にけいおん!のキャラクターのような「飛び出し坊や」を設置したら,ファンが町内を回ってくれるのでは?

これが見事に当たって,ファンが「豊郷町」をまわってくれるようになり,飲食店,宿泊所の収入も増えた
そのため,さらに,町の方々が「けいおんからまちおこし」について,協力してくれるようになった。

今では,毎年アニメソング限定の「とよさと軽音楽甲子園」を開催し,全国から勝ち抜いた高校生バンドが参加してくれるそうです。

「NHK大津放送局長賞」「滋賀県知事長」「文部科学大臣賞」

まででる国レベルでの後援をいただけるイベントになっています。


けいおん!ファンから豊小ファンへ,豊小ファンから豊郷町ファンへ。
そして,今では「滋賀県」ファンへの拡大もみられる取り組み。
冒頭のウサギとカメの写真は,「豊小」創設者が,誰もみていないところでも,こつこつ努力し,前に進んできたことが寄附できるまでの(成功者)となったことを表しているそうです。小さなコトからこつこつ始めることが大切ですね。

最初のきっかけは,ファンの行動に気づいたことから。
「この行動はなぜ?」に敏感な精神をいつも持っていたいと改めて思いました。

多治見でも・・・
やくもファンが,商店街や永保寺ファンとなり,多治見市ファンとなる「しかけ」があるといいと思いました。
多治見ならではの珍しい何か,とアニメファンをくっつける何か・・・?

豪勢なモーニングは,名古屋,岐阜の特別なものですしね・・・
まずは,ファンの意見を聞くことが大事な気がします。

 


3 商売継続の精神「三惚れ」

近江商人の精神と言えば,「三方よし

売り手よし・買い手よし・世間よし」。
商売というものは,売り手と買い手だけでなく,社会全体の幸福に繋がるものでなければいけないという理念とされます。

確かに,商売を「続ける」ためには,自分が損して,買い手だけの利益だけを考えたら,生活が出来ず,続けることも出来ません。
かといって,自分の利益だけを追求したら,買い手が離れます。
そして,全国に支店の展開するという近江商人のビジネスモデルからすれば「よそもの」が他の地域で商売をするには,出店先の「地域」にとって,この商品を持ってきてくれて有り難い,という「地域」にとっての利益がなければ,商売を続けられない,ということが分かっていたのだと思います。


この「三方よし」の精神の下にあるのが,
今回教えて戴いた「三惚れ」です。

仕事に惚れ・地域に惚れ・・・・女房に惚れる(!)


いいですね!

やはり,商売をされている場合には,妻との関係,家族との関係がうまくいっている方の方が安定して拡大していると感じます
以前,金融機関の方が,奥様の人柄に従業員やお客さんが付いてきていることが多いので,離婚してしまうと,商売もうまくいかないことが多いのです・・・と言われたという話を聞きました。
私も,確かにその通りだと思うことが,ご相談の中で多々あります。

事業承継」も夫婦関係がうまくいくことを前提に株式を妻や子どもに生前贈与したりすることもあるのですが・・・
離婚してしまうと計画が全く意味が無くなります・・・

初代伊藤忠兵衛さんは早くに亡くなられたそうですが,妻の「八重」さんが,
当時17歳の2代目社長を育て上げました。
八重さんの最も重要な仕事は新入店員の教育だったそうです。
まず,八重さんと一緒に生活し,行儀作法,ソロバン等の必要な教育をされてから,店員として外に出されるとか・・・

今回女性経営者として参加したのは私だけ・・・だと思いますが,
男性経営者の方々がこのような意識をされるのは,とってもいいことだと思いました。


男性経営者の方々,妻に惚れていますか?
妻の方も,惚れてもらえるような努力も・・・必要ですよね(自分に言い聞かせる)
私は離婚案件も多く取り扱っているけれど,それを活かして,事業承継でも大切な「夫婦円満のためのヒント」も伝えられたらと思っています。

 


まとめ 外に出ることで意識が変わる!

私は,人生の殆どを「多治見」で過ごしているため,ときどき,視野が狭くなっているな・・・と感じます。
他の地域,世界をみると,「多治見」では当たり前のことが他では当たり前でない,と「気づく」きっかけになります。

初代伊藤忠兵衛さんも,長崎まで足を運び,そこでみた外国貿易の活況に刺激を受けたことが,貿易業をするきっかけになったようです。

やはり,自分のいる地域を出て,外の様子を見ることで,今まで見えていたもののなかにも新たな発見が出来ると思います。
今回も「やくも」の活用を考えさせられました~~
愛する「多治見」のために,役に立てることが出来たらいいな・・・


そして,「成功している場所」を訪れるのは自分自身の運気をあげて,みなさんにもお渡しできたらという気持ちもあります。
私にとって「運が良いこと」は,とっても大切。

先日も,遠方から「運の良さそうな事務所」という理由でわざわざ,規定を作成しに来て下さった企業の方がいらっしゃいました。

今回の視察も最後は「多賀大社」を参拝して終了できたので,ますます運気もあがるはず(笑)
「目に見えないもの」も大切にしていきたいと思います。

 

今回のブログが,多治見・岐阜の「まちおこし」をされている方々の「まちおこし」ヒントとなりますように。
経営者の皆様,経営者を支援する皆さまに「多治見のようなローカル地域で生き残っていくため」の「気づきがありますように!!

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!