娘への事業承継は,経営者保証ガイドラインが鍵

048みなさま,おはようございます!
最近,めっきり寒くなりましたね~風邪など引いていませんか?

さて,今回は,

  • 「女性が事業承継するには,何が不安,となっているか」
  • 「どうしたら,不安が解消できるのか?」

について,感じたことを書きます。
考えたきっかけは,経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選ばれた異色の産業廃棄物処理会社,石坂産業を率いる石坂典子社長の記事を読んだから。

女性の石坂社長は,事業承継での不安をどのように解消したのでしょうか?

1 経営者保証の恐怖

 中小企業のオーナー経営者は通常,会社(法人)の借入金の連帯保証人になっています。
 これが,いわゆる「経営者の個人保証」。「経営者保証」「個人保証」などと略してよばれています。
 石坂社長は,社長になって始めて,事業承継をする=「経営者保証」を引き継ぐことになり,とても恐怖を感じることに気づいたそうです。
 お父さんが,社長のとき,会社として数十億の借り入れをし,そのすべての連帯保証人になっていた・・・
 石坂社長は,そんな父が背負っていた責任の重さを,自分が肩代わりするまではっきりと理解しておらず,承継して始めて,父が過去に背負っていた重圧に気づいたそうです。


2 経営者保証ガイドラインで保証人を外す

 思い切って,「経営者保証ガイドライン」によって,個人保証が外せないか,石坂社長は聞いたそうです。
 これにより,各金融機関が検討してくれ,一つの金融機関が外す,と決めると,次々に外してもらえたそうです。
 ポイントは,「経営の透明性の高さ」を評価してもらえたとのこと。
 具体的には,従業員まで,会社の「決算書」「数字」を理解し,会社外の人にも説明できるレベルにまであったことを感心されたそうです。
 ・・・もちろん,黒字経営であることが前提だとは思います。


3 「ストレス最小」が、最高のパフォーマンスを生む

 石坂社長は,連帯保証人のサインをするたび,重圧がのしかかったそうです。
 どう考えても自分一人で肩代わりできる額ではない。
 しかもシングルマザーであった石坂社長には,頼れる夫もおらず,親としての責任を負う2人の子どもがいる。
 会社に何かあったとき、私たち家族3人、どうなってしまうのだろう・・・。
 そう思うと、眠れない夜もしばしばあったそうです。
 
 個人保証が外れたことで,「悪夢にもうなされた重圧から解放され,安堵すると同時に心がすっきりした」とのこと。
 不安,ストレスがあると,よいアイデアを思いついたり,チャレンジして,新しいことをしてみよう!という際にも,なかなか踏み出せない気がしますね・・・


まとめ

 この記事を読んで,そういえば,男性の経営者には,波瀾万丈な人生を送り,何億もの借金を抱えたところから,借金を返済して,今の自分がある,とか,過去に破産したことがある,という列伝を良く聞くけれど,女性の場合,あまり,そういう話を聞いたことがない・・・ということに気づきました。
 「思い込み」かもしれないけれど,女性は,本能的に「生命」「家族」の維持という意識がすり込まれていて,勇敢に戦う男性との間でバランスを取っているような気がします。

自分自身のことを思っても・・・男性のようには,なかなか「投資」ができない気がします。

 なので,石坂社長のように,女性である娘さんが事業承継をする場合には,男性が事業承継をする場合以上に,「経営者保証を外す」ということが重要になるのではないかな・・・。
 金融機関としては,個人保証に頼らない,会社の経営の評価の仕方,「目利き力」が必要となってきそうです。
 
 子どもさんの数も減り,離婚なども増えていく中で,女性に事業承継をしてもらう,ということも今後は必要になってくると思います。
 その際に,私も「経営者保証」を外すことで,なにかお手伝いが出来たらいいな,と思います。
 

それでは,今回の記事が,女性社長の皆様,娘さんへの事業承継を考え始めた方々へのお役に立てますように♪
みなさま,今日も何かに「きづき」「感じて」楽しく過ごしましょうね~

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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