多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

人工知能研究者が発見!男女の脳の違いを活かした職場・顧客への効果的なコミュニケーション法

人工知能研究者が発見!男女の脳の違いを活かした職場・顧客への効果的なコミュニケーション法

みなさま,おはようございます♪今回は,私が入会している「とうしん青年経営者クラブ」にて,理学部物理学科を卒業して,人工知能の研究者として,「女心に響く言葉をかけられる優しい知能」を持つコンピューターを開発してきた黒川伊保子先生の講演をききましたので,シェアします♪

以前も,著書を読んで,「なるほど!」と感動したので,「女の機嫌の直し方~男性脳・女性脳」として以前ご紹介した黒川先生。
普段から,離婚問題に関わる私としては,どうしたら,この違いを理解して,相手に響く交渉,話し方が出来るかの研究は大きなテーマなので,興味深く聞きました。

テーマは,人生に効く脳科学「脳が創りだす男女のミゾ,人生の波」でしたが,
男女だけでなく,同性同士であっても,職場や対顧客の関係では,同じようなミゾが生じるので,この「ミゾ」の構造を知って対応すると,クレーム対応や,職場で職員のモチベーションを下げない声掛けにも使えそう!と思いましたので,

脳の構造の違いを活かしたコミュニケーション法について,私が大事だと感じた3つのポイントをお伝えします。

女性の気持ちが知りたい男性の方,男性はなぜあまり話さないのか?が知りたい女性の方にも参考にしてもらえたらと思います。

1 共感型VS問題解決型

男性に多い問題解決型思考。女性に多い共感型思考。
その「ミゾ」を知らないまま,自分の「型」で話すことで,コミュケーションを悪化させる。

例えば…
「昨日,店長にこんなこと言われてさあ」と話しかけてきた女性スタッフの同僚。

あなたなら,どう答えますか(笑)?

①男性(問題解決型)よくあるパターン
「向こうの言うことにも一理あるよ,管理職なんだからさ・・・」
「嫌なら,辞めれば」

②女性(共感型)よくあるパターン
「わかる~,それひどいよね。私も,こんなことあった」
(その後で)
「ま,店長の立場だと仕方ないかも。誰もがあなたみたいにできるわけじゃないし」

…どうでしたでしょうか?

私はこの話を聞いて,まさに「分かる~」と思いました。
今はつらい気持ちを分かって欲しいだけなのに,「お前も悪いんじゃない」と男性に言われたことは何度もある(笑)
なので,私も本当につらい時は,共感をしてもらえると分かっている人(基本的に女性)に話しています。

男性に多い問題解決型思考の人にとっては,「で,結局何が言いたいの?」と相手に客観性の足りなさを感じて,「知性の欠如」まで感じるとか‥
だから,夫婦関係でも,妻は夫に見下されたように感じてしまうのかも!と改めて思いました。

一方,女性に多い「共感型」は,相手に思いやりがない,と感じ「人間性の欠如」を感じてしまうとか…
共感型の人は,ストーリーを自分で話しながら,自分で整理をして言っているのだから,それを邪魔せず聴いてあげて,共感してあげることで,整理を促進すると解決が早い,無理やり問題解決型で解決方法に話を持っていこうとすると,もやもやして,結局話が長くなり,解決も遅くなる…

黒川先生は,思考パターンの違う相手にそれぞれが持つ印象は,「濡れ衣」と言っていた。
双方ともに,自分にとっても最も回復が早い,解決が早い方法を選んでいるのであって,どちらが優れている,ということは無い。
なので,会話の主役を決めて,今回はAさんが悩んでいるから,Aさんの話を聞きましょう‥となったら,Aさんの思考パターンに聞き手が合わせてあげると解決が早くなるとか。

先ほどの例で言えば,共感型の思考のスタッフに問題解決型で答える①のパターンだと,いつまでも解決できないから②の共感型で対応するのが正解。
男女で必ず,傾向が決まるわけではないけれど…私も確かに相談を受けていると,男女でこの傾向が別れるのをものすごく感じます。

そもそも,男性はあまり話をして共感してもらって解決する・・という方法を取らないことも多いと感じます。
男性は自分で解決するために沈黙が必要。
男性にとって,目的の分からないおしゃべりは強度のストレス,とか(笑)

結論が出ない状態では,話をするのも聴くのも,問題解決型の人にとっては苦痛みたいです。
だから,結論が出るまでは黙って考えたい。それまでは話せない。

なるほど…

これもこの男性によくある思考パターンによるのかなと改めて思いました。

男性の皆さん,女性からの相談にどのように対応していますか?
女性の皆さん,男性はなぜ,時々黙るのか,知っていましたか?

2 クレーム対応方法

男性脳,女性脳の傾向はあるのだけれど…

客からクレームを受けた場合には,どうやら,男女問わず,女性脳的,「共感型」対応が有効らしい。

例えば…

「よそではこうしてくれる」「○○したほうがいいんじゃないの?」と顧客に言われたら。

あなたがお店のスタッフ,社長なら,どう答えますか?

「参考になります。ありがとうございます」
でいいようです。

クレームの内容そのものを受け止めて,「変えられません」「おかしいだろ!」と頑張るのはお互いにしんどい。
でも,顧客の不満な気持ち,もっと良くして欲しい,という気持ちだけを受け止めて,共感することは出来る。
これなら,そのクレーム内容を採用するかどうかの自由はこちらにある。

理不尽に怒られた場合(クレーム内容やクレームの言い方が明らかに限度を超えているような場合)にも,

「お気に障りましたか。すみません」
でいいとか。

叱られたこと自体を謝ると改善しなければならないけれど,これなら,改善するかどうかの決定権はこちらにある。相手の怒りの気持ちまでには「共感」を示せる。

相手の気持ち「だけ」受け止める。

…なるほど。

弁護士のクレーム対応は,まず事実の確認,確認して,不適切なら謝罪,そして対応…
そうでなければ,対応しない,屈してはいけない…大まかに言えばそうなのだけれど,あまりにもドライかも。

最初に相手の気持ちに対して「共感」を示すことで,紛争を劇化することは防げる場合もあるなあと思いましたので,実務的,具体的な初期対応として,弁護士のスキルとは別に,伝えていきたいな,と改めて思いました。

みなさんは,クレーム対応で,まず,どのように答えていらっしゃいますか?

3 いいね!で始まる職場コミュニケーション

Facebookのように,SNS投稿では,とりあえず「いいね!」ボタンを押す習慣がある。
よく考えてみると,共感してもらいたいから,発信するんですもんね…

なのに,実際のコミュニケーションでは,「ダメじゃない?」の否定から入る…これはもったいない,とのこと。

職場でも「いいね!」からコミュニケーションが始まれば,部下のモチベーションも上がる。

例えば…

「部長,こんな提案があるんですが・・・」と部下に言われたら,

あなたが上司,社長なら何と答えますか?

よくあるのは,自分が気になっているマイナス面をいきなり伝える。

「その資材調達,どうするの?」とか。

理想的な対応は?

「いいところに気がついたね(いいね!)。僕も気になっていたんだ。
ところで,この資材調達,何かアイデアある?」

職場でのコミュニケーションも,上司となる人は共感型で対応するのがいいのですね‥
部下が上司に話す(発信する)場合には,男性であっても,頑張って色々考えたんで,共感して欲しいな~という気持ちがあるようです。

結果がダメでもプロセスに何かしらいい所を見つけて認められる上司,社長。
そうすると,仕事に厳しいけれど,分かってくれている,と部下,スタッフから信頼してもらえる。

職場でのコミュニケーションも,まずはいいね!から。意識したいと思いました~

まとめ 「ミゾ」も必要

同じような思考型だったら,コミュニケーションのトラブルも防げるのに,
なぜ,思考型が違うのでしょう?
同じ思考型だったなら,直ぐに分かり合えて楽なのに・・・?

これは,人間が進化を遂げる中で,その方が良かったから…
その方が生存可能性が上がったから…ということのようです。

場面ごとに,最適な解決方法で,解決出来るように異なる進化を遂げてきた・・

今はそれが男性,女性と別れていた時代から統合していく時代に向かって行く時代なのかもしれないけれど,
違いがあるからこそ,様々なことが起こっても,その場面に最も適切な解決が出来てきたのではないかなと思う。

黒川先生も,生殖のパートナーとは,とっさに「別の正解」を持ち寄り,自らの子孫の生存可能性を上げるように作られている,愛が共感と慰めなのだとしたら,男女はもしかしたら生殖期間中,愛から最も遠い相性になってしまうのかもしれない,と言われていて,印象的だった。

この期間は,最も子孫の生存のために頑張ろう!と思う期間ですもんね…

ただ,これを知っておくと,

なぜ,相手はどうして共感してくれないのか?労わってくれないのか?
なぜ,黙って考えさせてくれないのか?結局何が言いたいんだ?

と思うストレスが減りそう,と思いました。

だってそれは…相手にとっては,それぞれが生き残るためのスキルとして身に着けたものだから。

夫婦間でも,職場でも,顧客に対する関係でも・・・
ちょっと大げさだけど,相手は「生存するためにこうしてるんだ!」と捉えると(笑),もう少し,相手の思考型に寄り添って,理解しようと思えるかな,と思った。

このブログが,子育て中のお父様,お母様,経営者の方々がパートナーや職員,お客様に声がけするときのお役に立てますように~
また,ご自身の気持ちを楽にして,幸せに過ごすためのヒントになりますように~

今回も,最後まで読んで下さって,ありがとうございました!