多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

脳の男女差,構造を知ってコミュニケーション上手に~脳科学者たちが教えてくれること

脳の男女差,構造を知ってコミュニケーション上手に~脳科学者たちが教えてくれること

いつも読んでいただき,ありがとうございます。

突然ですが,みなさんは,自分自身の脳がどのようになっているのか,興味がありますか?
もし,その違いや構造のせいで,コミュニケーションが上手くいかないのだとしたら・・・
その理由と対処法,知りたくないでしょうか?

私は,実は,めちゃめちゃ興味があります。
なぜ,人間は男と女に分かれているのだろう?
それによって,どのような違いがあるのだろう?

どうしたら,もっと男女間,他者との衝突を減らして,お互いのコミュニケーションをうまくとることが出来るのだろう・・

これは私が離婚の相談や復縁したい,というご相談を受けている中でとても興味があるところです。

以前よりは,男性も「瞑想」「スピリチュアル」「マインドフルネス」など,
いわゆる「目に見えないもの系(笑)」にも興味を持つ方が増えている印象ですが,
(これらを全部同列に扱うな!と言われそうですが・・・私の中では共通している印象でして)

女性がこういう「目に見えないもの系」を比較的好きな人も多いのに対し,
「科学的に証明できないことは信じない」という男性も多いです。
(うちの旦那もちなみにそのタイプ)

裁判所も,もちろん,「科学的」な証明を重視するところです・・・

でも,「科学的」ってどういうことなんだろう?
脳科学者や神経科学者など「科学者」が研究として提出しているデータであれば信用できる?

医師,脳科学者,神経科学者の本での考察を参考にしたり,
そこでの発言を証拠として提出すると,男性や裁判所も納得してくれやすい。

なので!

今回は,地元金融機関の若き経営者の集う(!)とうしん青年経営者クラブ出の課題図書,脳科学者の書籍「奇跡の脳」,神経科学者の書籍「脳はいいかげんにできている」のお話しの中から,「脳の構造を知ってコミュニケーション上手になる方法」,

「科学的な証明」ってそもそも何なのだろう?
「科学」を人生に取り入れて,実際の生活を幸せで豊かになる方向へ進んで行くために
印象に残った「脳の構造」について3つお伝えします。

1 左脳はクソ真面目(右脳と左脳の違い)

女性の脳科学者として脳の研究をしていたジル。
ある日,自分自身が脳での出血で左脳部分を大きく損傷。
そこから,奇跡の復活を遂げるまでの道のりを書いてくれているのが「奇跡の脳」

脳卒中,脳梗塞による脳の機能の低下は本当に怖いけれど・・
大切な人がそのような状況になったときにどうするといいのか,
自分自身の場合にも何とかなるかもしれない・・と希望を持てる本です。

左脳機能が損傷されたとき,右脳の機能と左脳の機能の違いが実感としてはっきり分かった。

「いま,ここ」を重視する右脳。微笑み,フレンドリーで熱狂し,はねまわる
人生,自分に関わるすべての人たち,あらゆることへの感謝の気持ちでいっぱい。
満ち足りて情け深く,慈しみ深い上に,いつまでも楽天的。

「細部で頭が一杯で,分刻みのスケジュールで人生を突っ走る。」クソ真面目な左脳。
過去に学んだことに基づいて決断をし,一線を越えることなく,あらゆることを「正しい・間違っている」「良い・悪い」で判断する

殆どの人は,一方に考え方が偏り,
常に分析的し,批判的になり柔軟さに欠ける極端な左脳状態を示すか,
周囲とほとんど現実を分かち合うことなく,ほとんどの時間を「うわのそら」で過ごす極端な右脳状態になりがち・・・

ジルは,仕事柄,それまで左脳をフルに生かして生きてきたけれど,
左脳の損傷によって,周りの人と繋がっている幸福感を心から感じたそうです
(元に戻るのが少し残念そうなことが書かれていました・・)

・・・なるほど!

確かに,自分自身も振り返ると,誰かに攻撃的になるのは,左脳偏重になって,「正しい」「間違っている」
を追及しているときだな・・と思います。

夫婦間でも,相手と衝突するときには,この「左脳偏重」になっていると思います。

一方で,自分自身は幸せと感じていても,言語化して,論理的に話さないことによって,なかなかほかの人とは気持ちをを分かち合えない,自分だけで満足してしまっている「右脳偏重」になることがあるな・・と思いました。

このバランスをとっていくことが上手くコミュケーションをとっていくために重要なようです。

左脳と右脳との間に出来てしまいがちな溝を埋められたら・・・
自分自身の脳の傾向(その時によってどちらが偏重されるかも違うと思いますが)をしると,
「あ!今は左脳よりだから,もう少し右脳要素を加えて,今を大事にしよう!相手に思いやりを持っていこう」と振り返ったり,
「あ!今は右脳寄りだから,もう少し今の自分の気持ちを分析して相手にも理解できるように言語化して伝えよう」と考えられたり
するのではないかと思いました!

データによる分析ではないですが・・・
私が接している人を思い出すと,女性の方がより,右脳偏重傾向が強い人が多く,男性の方が左脳偏重傾向が強い人が多いかな,と思います。
(これがスピリチュアルを信じる?信じないの傾向にもつながってる気がします・・・)

脳の構造自体が,両面を持つように作られているというのが・・・神秘的で面白い!と右脳的に感じます(笑)
それを現場で活かせるように言語化するのが面白い!と左脳的に感じます(笑)

みなさんは,右脳,左脳の機能,構造を知っていましたか?
自分自身はどちらの脳に偏重する傾向がありそうですか?

2 女性が大きいのは脳梁と前交連(脳の男女差)

神経科学者で大学医学部教授のディヴィットの著書「脳はいいかげんにできている」での記載。

女性の脳の方が体の大きさに比較して大きくなっている重要部位は2つ。
脳梁と前交連。
いずれも,左脳と右脳間の情報を運ぶ役目をするところ。

世界各国の研究成果を総合すると,
「言語流暢性」は女性の方が総じて結果が良い。

人間関係に必要な社会的知性,他人への共感,他人との協調などの能力も全体として女性がすぐれている。
新奇な発想,似ているものを見つけ出す能力,算術計算能力も女性は得意。

男性は,数学文章題,幾何学,空間把握の必要な作業が得意。

(このあたりは,以前読んだ人工知能を研究する理系女子の書籍の中でも言われていた点だと改めて思いました)

・・・もちろん個人差があるので,一律ではないけれど,多くの男女を調べた平均的な傾向です。
どちらが優秀ということではなくて,「脳の持つ機能」や「認知スタイル」の違いがある,ということ・・・

なので!

男性,女性の脳を比べて,どちらが優秀,どちらが劣っている,と比べることは意味がないですね・・
ただ,特徴を踏まえ,強みをいかしてコミュニケーションは出来る,と思いました。

「言語流暢性」は女性の方が総じて高い・・
無口なイメージの男性が多いのに対して,集まったらとりあえず話し出す女性も多いことを考えると・・
分かる気がします(笑)

こちらのブログにも書きましたが,私自身も,喧嘩になるとドンドン言葉を発して責めがちで・・・
男性は黙ってしまうので,何を考えているのか分からない,何も言ってくれないからイライラする,
とご相談者の女性からも言われることが少なくありません。

(男性の方が口が上手い,と言われるケースももちろんありますが,どちらかというと,高圧的な態度に出られるので女性は話すことが怖くなって黙る・・という場合の方が多い気がします)

女性は共感力が高いので「なんとなくそうだよね」と分かってしまうことが多いと思うのですが・・・
男性にはそれが伝わらないことも多い・・

それぐらい「察してよ!」「分かるよね?」というのは,男性の場合に苦手なことも多そうですね・・

女性は本来言語流暢性が高く,話すことは得意な人が多いはず!
あとは,男性にも伝わるように論理的に伝えていく「話し方」を身に着けるとさらにすごい!と思ってメルマガなどで伝えています。
自分が簡単にできてしまうことは,相手も出来るはず・・と思いがちなことがコミュニケーションで上手くいかない原因かな,と改めて思いました。

私自身は,女性としてそれなりにご相談者やご依頼者が「言葉」に出来ないことも「共感力」で理解できると思うので,弁護士として,それを論理的に他の人にも伝わるようサポートしていけたらと思っています!

みなさんは,男女の脳の構造の違い,機能の違いを意識してコミュニケーションしていますか?
コミュニケーションに関しては,共感力の高い女性が伝えるスキルを磨いて伝えいかないといけないかも・・ですね!
男性は・・難しいと思いますが,共感力が低いかもと意識して,とりあえず,女性からの言葉に対して,「そうだよね」という共感のひと言を会話の初めに入れてみるのはどうでしょうか(笑)

3 記憶は書き換わる

同「脳はいいかげんにできている」での記載。

嘘を誘発してしまう質問がある。

コンビニ強盗の容疑者6人の映像を見せる
(実験のための演技,この中に犯人はいない)

一人ずつ容疑者を見せると,ほとんど全員犯人ではないという答えが返る。(正答)

しかし,6人を一度に見せ,
「この中に犯人はいるか?」

と聞くと40%くらいが犯人を選び出す。
(このなかにいるはず,という思いが記憶を書き換えてしまう・・)

さらに,他の何人かの被験者が犯人をすでに特定したと伝えて,正しいかを確認して欲しい,
というと・・・

被験者の70%の人がその人を犯人と認めてしまう・・・
(この人が犯人のはず,という確信が記憶を書き換えてしまう・・)

・・・実際の犯罪捜査の現場でこれがなされたとしたら,とても恐ろしい・・
と弁護士として思いました。

なので,嘘を誘発しないような質問を意識しないといけませんね・・
反対に悪用しようとすれば,自分が求めたい回答をしてもらえる質問が出来てしまうかも・・

思ったのは,人間の脳って,本人が思っているほど「科学的」に物事を実は捉えられていないんじゃないかな・・ということ。
本の題名のように意外と「いいかげん」なのですね。

それを知らないで,自分の記憶こそ絶対正しい・・
間違いはないと言い続けているとしたら・・・コミュニケーションもうまくいかないな,と思いました。
・・記憶違いって,あるかもしれないですよね??そう思うと,喧嘩のときでも譲れる一歩になるかも。

みなさんは,意外と脳っていいかげん,って知っていましたか?
もしかしたら,あなたのその質問が相手の嘘を呼び起こしているかも!?

まとめ 脳の構造を知って人生を豊かに

論理と科学的な立証を重んじる裁判所では,裁判だけでなく,調停も含めて
「話し方」や説明資料の選択が重要だと思っています。

うちのケースでは子供の面会交流をさせるのは良くない・・・
ともし,思ったとしても,

それはどういう理由で?どういう科学的な証拠から言えるのか?
を裁判所に説得的に伝えられなければ,裁判所で採用してもらうことは難しい。

だからこそ,専門家である医師,科学的な証拠から説明できる脳科学者,神経科学者の説明には説得力がある。

なので,脳の構造だけでなく,「科学的」と言われるデータ,証拠をどのように使えるかは
弁護士としてもとても重要なスキルになります。

特に「言葉」がどのように悪影響を与える場合があるのか・・・
については,感覚的,右脳的には「感じる」ところはあるのだけれど,
これまで客観的,科学的には立証できるものが少なかった・・

そんな中で,以前紹介したブログに書いた「脳を委縮する」というデータは私にとってはとても興味深くて,
もっと研究が進んで行くといいなと思っているところです。

それだけでなく,脳の構造を知ると,それを知って,コミュニケーションスタイルを調整できる心の余裕が出るから,コミュニケーション上手になる,と改めて思った。

・・・ここからは私の女子的な右脳的な話かもだけど,

「科学的」って言っても,私たちの目に見えるデータに見えた瞬間にそれが「科学的」と言われるけれど,
それは,それまでは分からなかっただけで,本当はそれまでもあったもの。

電波も知らないときには,なぜ,離れた人に音声や画像が繋がるのか謎な時代があったはず・・・(今でも私には謎ですが)
なので,今は,非科学的と言われているものも,後の時代には解明されて「科学的」「当たり前」の知識になってるかも!

論理的,客観的に物事を捉えて記憶していると思っていたはずの「脳」も,実は,人の意見に左右されて,書き換えられてしまうほど実はあいまいなもの。
科学的・・・とおもっているものと,そうでないものも境界は実はあいまいなのではないのかな,と思ったりします。

みなさんはどう思いますか??

細かく分析して批評したくなるのは,私の「左脳的」なところだと思いますが・・・
「右脳的」な要素である周りの人に優しく,愛と感謝をもって,楽観的に楽しく生きたいと思います。

自分ではおそらく選ばないであろう本を課題図書にしてくださって,人生を豊かにして下さった
東濃信用金庫(とうしん青年経営者クラブ)の皆様にも心から感謝します♪

これからも,どうぞよろしくお願いいたします♪

これからも,自分自身の経験も通じて,どんな「資料」を使ったら,説得的に話が出来るのか,どんな「話し方」で相手に伝え,どんな「言葉」を選んだらコミュニケーションが円滑にしていけるのか,研究して伝えていけたらと思っています。

私のことを信じて,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,そして自分自身の子ども達,家族,友人のため,弁護士として,母として,「言葉」を誰かを傷つけるものではなく,勇気づけ,励まし,心を動かすための良い方向で使えるよう,一緒に歩んで行けたら・・と思います。

また,研究発表,これからも致しますね(笑)!

それでは,

このブログを読んで下さった皆さまが,豊かな人生を送るために,「科学的根拠」も「非科学的なもの」もうまく取り入れ,左脳,右脳をうまく使いながら人との交流を楽しむためのヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!