多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

2万6000人が効果実感!モラハラ「離れたくても離れられないあの人からの攻撃がなくなる本」

2万6000人が効果実感!モラハラ「離れたくても離れられないあの人からの攻撃がなくなる本」

いつも読んでいただき,ありがとうございます。
今回は,少し前に読んだ個人カウンセリングや各地での講演をしているモラハラ対策カウンセラーさんの本「離れたくても離れられないあの人からの攻撃がなくなる本」から学んだモラハラでとてもつらい思いをしている方が,どのように対応したら心の負担が減るのか,そもそもなぜ「モラハラ」は起きるのか,お伝えしたいと思います。

多治見ききょう法律事務所に離婚の相談に来られる方,メールマガジンの読者の方には,
夫のモラハラで悩んでいる方も多い。

娘さんが夫からモラハラを受けている,ということで,心配したご両親がご相談に来られたり,
メールマガジンを読んで,学んでくださっている方も少なくない。

ご相談を受けていて感じていたのは・・・
「離婚すること」「別居すること」を決断するまでに,とても時間がかかるケースが多いということ。

それはなぜか?と考えると・・・
お前はおかしい,能力がない,などという「モラハラ」言動によって,自信を奪われてしまって,本当に離婚してやっていけるのか?
そもそも,相手の了解も得ていないのに,別居していいのか?と不安に思っているケースが多い,と感じます。

だからこそ,離婚や別居の決断をするには,頼りになるご両親などの親族のサポートを必要とするケースが多いのではないかな,と思います。

弁護士の私としては,一刻も早く別居して,本来の自分,安心して生活できる自分を取り戻してほしい,と思うのですが,ご相談を受けていると,すぐには「離れられない」ということも多いと実感します。
離婚したい,と決めているわけではなくて,出来れば,関係性を変えて,やり直したい,
と思うこともあるでしょう。

それでは,そのときには,どう対応したら,少しでも心の負担は減るのでしょうか?

今回ご紹介する「Joe」さんの本は,ブログ,メルマガで大反響。
本の帯の記載によると,2万6000人が効果を実感!ということで,対策による効果も期待できそうです。

ご自身もモラルハラスメントの関係にある両親のもとに生まれて幼少期を過ごすことで,
モラルハラスメントをする人,される人の心理を知って,周りの人にアドバイスをするようになり,「離婚できない事情のある」モラハラ被害者を対象に,モラルハラスメントの被害を受けないためのメソッドを伝えているということです。

弁護士の私としては・・・
この本を読んで,対策をしても,一緒に生活するのは,やはりしんどいのではないかな・・・と思うところはあるのですが,
「離婚したくない」という方や,離婚も考えているけれど,当面のしんどい状況を変えたいという方には具体的な手順が書いてあって参考になると思います。

また,あなたがしていることは「モラハラ」だよ,と言われているけれど,相手との関係を悪化させたくない方は,どうしてそう言われてしまうのか?本当に自分にはその傾向があるのか?どうこれから行動していけばいいのか,の参考にしてもらえたらと思います。

モラハラをする人の「心理」は?
モラハラをされる人の1番の特質は?
モラハラをされないようにするときの注意点は?

気づいたことを3つ,お伝えします。

1 モラハラをする人の心理

「モラハラ」,「モラルハラスメント」は,「言葉や態度による精神的な暴力や苦痛」のことを言います(フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌ提唱)。
外傷によって顕在化しやすい肉体的暴力と異なり,潜在的で認識されにくいと言われています。

なぜ,この「モラハラ」をしてしまう人がいるのでしょうか?

この本の筆者は,「攻撃欲」「支配欲」が強い人,ということを書いています。

「攻撃欲」がなぜ強くなってしまうのか・・?
それは育った環境や元来持っている性格にもよるのでしょうが,

この本の中では,
「人の曖昧な態度を許せず,白黒はっきりつけたい」
「自分とは違う価値観,自分とは違う意見を持っている人」を許せない,有害,と感じる人」として紹介されています。

・・・確かに,ご相談を受けていると,「モラハラ」と言われる方は,いわゆる「些細なこと」が気になって,注意が始まり,攻撃が激しくなっていく・・・という場合が多いと感じます。

他者への許容性が少なく,自分が正しいと思っていて,「いろいろな考え方があるよね!」というマインドではない傾向を感じます。

「支配欲」が強い人はなぜ,そうなってしまうのか・・?

この本の中では,
「自分は誰かにずっと一緒にいてもらえるような存在ではない」と心のどこかでは思っていて,
あなたがいつ去ってしまうか知れないと恐れている人。
根源的な自信,自己肯定感が薄い人として,紹介されています。

・・自分自身の「自信」が薄いからこそ,相手をコントロールすることで相手の自信を奪い,自分の自信を満たそうとする,という感じでしょうか・・?

・・確かに,妻から「モラハラ」と言われているという男性のご相談を受けることもあるのですが,
幼少期の親との関係もあって,自己肯定感が上手く育たなかったのかもしれないな・・と感じることも少なくありません。

相手がなぜモラハラをしてくるのか・・・
それが分かったからと言って,すぐに解決するわけではありませんが,

モラハラされる自分が悪いのでは?自分の悪いところを直せばいいのでは,とご自身を責めてしまうことからは抜け出せ,具体的な対応方法を考えられるきっかけになると思いますし,モラハラをしてくる人の傾向,心理をすると,大きく心を乱されることが減り,冷静に対応できるの可能性が増えるのではないかと思います。

モラハラを受けていると感じている方,ご自身が何か悪いのではないか?と責めていませんか?
「モラハラ」していると言われている方,ご自身に該当する「攻撃欲」「支配欲」の傾向はありそうでしょうか?
もし,そうだとしたら,どう考えたら,その特質を抑えられそうでしょうか?

2 モラハラをされる人の特質

これは,本を読んだ主観的な私の感想になりますが・・

ひと言でいうと,「弱い」と見られる,ということだと思います。
つまり,相手にあなたが「弱くて」この人なら,何をしても大丈夫,と思われてしまう特質,傾向があるということ。

本の中では,モラハラをされる場面,傾向として,
モラハラをされる人が「有害」「弱い」とみなされていることを指摘しています。

しかし,この人は自分とは意見が合わず,「有害」と思っても,誰に対しても「モラハラ」をするわけではない。
自分より「強い」と感じる相手には,モラハラ行為はしてこないもの・・

本では,あなたのことを「弱い」とみなした時点で,「有害性」もでっちあげる,との記載もあり,
やはり「弱い」と思われてしまうことこそ,最大限のモラハラをされてしまう人の特質だと感じます。

私自身は,自分のことを「弱い」と見せているつもりはありませんし,通常はそう思われているとも思っていませんが,可愛らしい私の外見(笑)や普段のおっとりめの話し方だけを見て,「なめてる」と感じる対応をされることはあります。
(私が弁護士として法廷に立っている場面では,舐められてると感じたことは全くありませんが・・・フフフ)

なので,「弱い」と思われる雰囲気,なめられてしまう雰囲気は,相手方との関係を意識して,出す場面を気を付けなければいけない!と改めて思いました。

では,どのような言動が「弱い」とみなされるのか・・?

例えば,「媚びる」はダメなようです。
私はこんなに弱いから優しくして,悪いところはすべて直して頑張るから許して・・・というような感じでしょうか。

弱いくせに分不相応な要求をして!と,媚びれば媚びるほど,相手からはあなたが「弱い」とみなされ,ますます攻撃は激化する・・・
怖いですね。

本来,深い信頼関係で結ばれている家族,夫婦であれば,本来の自分,可愛らしい自分(しつこい,笑)を出せることこそ,安心できる空間のはずなのですが・・・
既に攻撃が始まっているような場面では,そうも言っていられないのを実感します。

これは職場であっても同じですね!
本来,ありのままの自分の姿が出せることが働く環境として理想的でしょうが,弱い,と思われ,なめられていると,攻撃対象にされるので,注意が必要です!

それでは,なめられない自分,「弱くない自分」に見られるにはどうしたらいいのでしょうか・・?
実は,めちゃめちゃ強く見せればいい,ということではないようなので,注意が必要のようです!

「モラハラ」を受けている方,「弱い」と見られる言動,雰囲気を醸し出していませんか?
さらに相手に優しくしたり,お願いしたりすることで,「弱い」と見られる傾向を強めていませんか?

3 攻撃されない人=強そうな人ではない

先ほどの話と矛盾しそうなのですが・・・

筆者は,要注意!として,「攻撃されない人」=強そうな人ではない。
「弱くも強くもない,攻撃しづらい人」
と伝えています。

今まで弱そうに見えていた相手が,急に「強そう」な態度に出ると,
相手に攻撃的な印象を与える恐れがあるとのこと。

攻撃されると感じると,相手ももちろん反撃=攻撃しようとするので,注意が必要なようです。

それよりは,こちらの反応を徐々に変えていくことで,
「相手の攻撃意欲を徐々に萎えさせる」ということが大切なようです。

つまり,この人に攻撃しても反応が薄くて面白くないな・・・
これ以上やってもなんかあまり,気持ちよくならないな・・・と思わせるようなイメージでしょうか。

キーワードとして,「無表情」「穏やか」「感情の起伏がない」ということを上げていらっしゃいます。

なので,モラハラをされた時に,激しく反撃したり,泣いて謝ったり,すごく恐れている様子を見せたり・・・という分かりやすい反応をするのではなく,
「あれ。こんな感じの反応?」と違和感を持つような薄さの反応が大事なようです。

では,具体的にはどんな反応をしたらいいのか・・・?

無視されたときはどんな反応をしたらいい?
怒鳴ってきたときはどんな反応をしたらいい?
ネチネチ攻めてきたときはどんな反応をしたらいい?
謝るとしたらどんな態度をしたらいい?

どんな表情をしたらいい?
ビクビクした顔は?
困り顔は?
真顔(無表情)は?
強がり顔は?
笑顔は?

など,実際の場面で具体的にどう反応し,どう行動したらいいのか・・・?
本当に迷うと思いますが,この本にはその具体的な場面での具体的な対処法が書いてあることが,今モラハラで困っている方にとって,とても役に立つと思います。

なので,是非,今すぐには離婚したり,別居したりすることが出来ないという方は,
今すぐできる具体的な対処法,ということで,この本の対処法を参考にしていただけるといいと思います~

元々「強そう」に見えるタイプの方々と違って,
私も含めて,一見やさしそう,弱そうに見える方は,いきなり強そうに見せるのは無理があるのですね!

普段弱そうに見えてしまう人が,どのようにしたら,弱そうと思われないのか,なめられないのか,知っていましたか?
具体的にどんな態度,反応をしたら,相手があなたは実は弱くないのかも,と違和感を持ってくれそうですか?

まとめ 目的は自分の人生を取り戻すこと

冒頭に書きましたが,弁護士である私自身は,この本を読んで対策をしても,やっぱりその生活を続けるのは
しんどいのではないかな・・と思ってしまいます。

対策をすることで,関係性が大きく変わり,ありのままの自分も出せるようになればいいと思うのですが・・
自分自身の感情を出さないようにして,「無表情」に生きていくというのは,やはりつらいのではないかなと思ってしまうのです・・・(これ自体私の価値観にすぎないのでしょうが)

こちらのブログで書いたように,モラハラを見ているお子さんへの脳への悪影響も言われていて,
次第に子ども自体もモラハラを受けている親(多くは母)をバカにするような態度をし,モラハラ的な行動をしてしまう・・
というお話もご相談の中でお聞きするので,やはり,夫婦間の問題だけでなく,モラハラを受けている環境で人間が過ごすのは,悪影響も大きいのではないかな,と私は思っています。

その点,この本で一番共感したのは,
この「目的は自分の人生を取り戻すこと」という部分です。

この本の「メソッドを実践していくのは,自分の人生を取り戻すため」

「常に攻撃されているという状況を変えることで,再び本来の自分の人生を生きられるようにするため」
この本のメソッドは「あなたが自分の人生を生きるのに必要な,最低限の状況を作るもの」にすぎない。
「これは人生の目的ではなく手段」であり,「状況が変わった後に,ようやく,あなたの本来の人生が始まる」

・・自分らしく人生を生きるために,どうすべきなのかは人によって違うと思いますが,
まずは,それをじっくり考えるためにも心の余裕がいる。
そのためには,目の前の攻撃を防ぐことは必須・・・

だからこそ,この本を必要とする方が沢山いらっしゃって,お役に立つのだと思います。

そして,
「状況を変えることそのもの」をゴールとするのではなくて,「その先にある人生」に,
目を向けていける方が増えるといいな,と思います!

これからも,うちに相談に来て下さる依頼者の方々のため,
そして自分自身の子ども達,家族,友人のため,弁護士として,
母として,母子ともに「幸せに生きるための方法」学んでいきたいと思います。

いきなり,自分らしく将来を見据えて生きなさい!と言われても,そういうことを考えられる状況にはない方にとって,とてもありがたい本だと思いました。
引き続き,研究報告,活動発表,致します!

それでは,
このブログを読んで下さったモラハラを受けていると感じている方が,今の辛い状況を抜け出すためのヒントとなりますように。

そして,「あなたがしたことはモラハラです」と言われている方が,どのような点がモラハラとなるのか,ご自身に本当にその傾向があるのか,振返るヒントになりますように。
また,家族,友人などで,「モラハラ」を受けて,辛い思いをしていたり,自信を無くしてしまっていそうな方が周りにいらっしゃる方が,その方をサポートするためのヒントとなりますように。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!