家庭裁判所が望む「子の幸せのために考えて欲しいこと」


いつも読んでいただき,ありがとうございます。
前回は,「新年の決意」に沢山,「いいね」をいただき,嬉しかったです!!

これからも宜しくお願いします!

今日は,久しぶりに専門分野の話・・
家庭裁判所が望む「子の幸せのために考えて欲しいこと」について,お話します。

昨年,離婚調停をしている方のうち,
子どもさんがいらっしゃるご両親向けにあった名古屋家庭裁判所でガイダンスに同席して,
家庭裁判所の「お子さんに配慮した話合いに向けた」考え方を改めて学びました。

昨年の4月から,名古屋家庭裁判所では,このガイダンスを実施しているようです。

私は,普段,離婚の法律相談をとても多く受けています。一日に2~3件ご相談を受けることもあります。

そして,自分自身の経験から,両親が離婚するかも知れない・・・というとき,とても不安に思ったのを覚えています。

そのため,「離婚」という選択をする場合であっても,できるだけ子どもにとって負担の少ない進め方はないかな,と思って自分なりに研究してきました。

今回は,身近な裁判所である名古屋家庭裁判所で,「子の幸せのためにつながる」ために裁判所が必要と考えることが分かったので,離婚調停に関わる弁護士として,意識して進めたいと思いました。

「離婚」を考えていないご夫婦にとっても,お子さんが「両親の喧嘩」でどのような影響を受けるのか,そのために,どんなことに気をつければいいのか,参考になると思います。


「離婚」「両親の喧嘩」は,子どもにどんな影響を与えるのか?
そのために,離婚調停や日常場面で,どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?

3つポイントを絞ってお伝えします。

 

1 親自身の安定

ガイダンスでは,以下のように,まず,ご自身の安定の大切さを伝えています。

「別居」や「離婚」はご本人自身こそ,ストレスの高い出来事。
食事をきちんと取る,「お子さんのいないところで」親族や友人,「専門家」に相談するなどして,体調や感情をコントロールして,お子さんに接するようにしましょう。

お子さんは,お父さん,お母さんをよく見ている。お子さんが困難にぶつかったときの良い手本となるような対応を心がけましょう。

とのこと。


子どもの幸せを考えて!と言われても,自分自身が相当辛い状況では,頭では分かっていても,子どもの事への配慮が難しい。
私は,それは,人間だから,仕方ない・・と思うのです。

そんなとき,頼れる親族や友人がいれば心強い。そして,私たち弁護士という「専門家」に相談することで,手続き面などを知ったり,一緒に手続きを進めていくことで,少しでも安心する役に立てたらと思います。
弁護士に限らず,親身になって話を聞いてもらえる,助けてもらえる,という人がいれば,頼って欲しい・・と思います。

そして,少し心の余裕が出来たら,ガイダンスにあるような「考え方」,「今,私は辛いけれど,乗り越えていく姿を見せることで,子ども達が今後辛いことがあったとにき,乗り越え方を知るためのチャンス!どんな乗り越え方をするか見せちゃうぞ!」

と思えたら(なかなか直ぐに思えないと思いますが),「わたしはつらい」と思うよりも,「子育てのチャンス」と捉えられて前向きに進んでいけるかな・・と思いました。

離婚を考えていないご夫婦であっても,ご両親が困難に遭ったときに,乗り越えていく姿を子ども達は見ているのですね。
なるほど・・ああやって乗り越えていくのか。つらいだろうに,すごいなあ!と思って・・・

「困難」を子育てのいい機会,と捉えられると気分が少し変わるかも!と思いました。


皆さんは,つらいとき,頼れる誰かはいますか?
子どもさんのことを大切にするために・・・まずは,ご自身を大切にしてみて下さいね。

 

2 両親の争いに巻き込まない

ガイダンスでは,明確に下記を伝えています。

「お子さんの前では,相手のことを悪く言ったり,喧嘩をしないで下さい」
「お子さんにとっては,お父さんもお母さんも,他には替えられない存在です。どちらの親に対しても,良いイメージを持てるようにしましょう」


・・そうは言っても,離婚しようと思った原因が相手の不貞行為だったり,暴力だったりする場合,なかなか難しい,と思います。
けれど,それでも,家庭裁判所は,子どもさんの幸せのためには,これが必要だと考えているのです。

両親の争いが子どもに与える影響として,子どもの声も取り上げられています。

「日常的なけんかをみているのはつらい」
「(離婚すると告げられたとき)何も言えなかった。自分の気持ちが分からなかった。学校で平常心でいることだけで精一杯だった」 など

(社団法人家庭問題情報センター2005「離婚した親と子どもの声を聴く」より)


そして,自分のせいでこうなったのでは?と子どもは自責の念を持ったり,
よい子になろうと頑張りすぎたり,
学習意欲の低下,発熱等の身体症状が出て学校を休みがちになる・・・と指摘しています。


裁判所では,子どもの視点に立って考えるために,「子どものいる夫婦が 離れて暮らすとき 考えなければならないこと」のビデオを視聴しました。
(とても,よいビデオだったので,公開されるといいのですが・・今のところは裁判所のホームページなどでは公開されていないようです
このページに冒頭部分だけあります。→http://www.courts.go.jp/video/kodomo_video/index.html

私も拝見して,目頭が熱くなりましたが,他に参加していた当事者ご本人で泣いていらっしゃる方もいたようでした。


親権,養育費,面会交流の話合いを進めていく中で,裁判所がどのようなことを大切にしているか,その「考え方」「規範」を知ることはとても大切です。

・・裁判所は,子どもさんの気持ち,子どもの視点,を現在とても大切にしているのです・・・

もし,今の状態よりも「幸せ」に過ごすために離婚をし,子ども達と一緒に幸せになろう,と思うとしたら,子ども達が何に不安を感じ,どうしたら「幸せ」に過ごせるのか,子どもの視点に立ってみることは大切だと改めて思いました。


人間ですから,仲の良い夫婦であっても,喧嘩してしまうこともあるかな・・と思います。
けれど,私自身も,出来るだけ子ども達の前では喧嘩することを避けよう・・と思いました。
例外的なケースもありますが・・・子どもにとっては「父」も「母」も大切な存在。この点も改めて伝えていこうと思いました。

一方で,こちらは喧嘩を避けようと思っているのに,相手から喧嘩を挑まれてしまうようなケース・・
なんとなく,ピリピリとした緊張感,威圧的な雰囲気の中で,言いたいことも言えず,子どもの前で笑顔ではいられないケース・・・
はこれ自体,子どもにとって,学力,健康にとって大きなデメリットになると感じました。

そういう場合でも,そのまま夫婦で一緒にいる方が,子どもにとっていいのでしょうか・・・
この場合に「離婚」という選択を取ること≒子どもにとって不幸せ,と自分を責めすぎないでいいのでは無いか,と私は思っています。


みなさんは,子どもさんの前で夫,妻の悪口を言っていますか?
子どもさんの前で喧嘩をしないために,どんな選択をしますか?

 

3 子どもに安定した生活と見通しを伝える

ガイダンスでは「見通し」を伝えることの大切さも伝えています。
子どもには離婚のことを話したら傷つけてしまいそう,どうしたらいいのか分からなくて,話せていない・・・と言われることも多いですが,今後どうなっていくのか,やはり子ども達は不安に思っています。

ガイダンスでは,

「お子さんの年齢や発達に応じた分かりやすい言葉で,今後の生活の変化や計画について」話して下さい,
ただし,
「ご夫婦の問題は,お子さんが知る必要がないこともあります。お子さんを安心させるという視点に立って,お子さんに話す内容を考えましょう」

とされます。

・・これが,具体的にどう話したらいいのかは,難しいところですね。


ガイダンスでは,年齢に応じた発達の特徴とアドバイスもあって,参考になりました。

ポイントは「お子さんのせいで今の状況が生じたわけでは無いこと」「お子さんがこれからも両親それぞれから変わらぬ愛情と保護を得られること」を理解できるように話すことが大事なようです。


子どもさんに愛情と保護を感じてもらうには・・・親権,養育費,面会交流が重要なポイントになりますね。

離婚をしないご夫婦であっても,今後の見通しを伝える事は,子どもにとって安心の材料になると思いました。
我が家も発達障がいの子がいますので,いつもと違う出来事を,とても不安に思うのが分かります。

明らかに動揺しているのが分かります。
・・そんなとき,これから起こりうることを予め伝えておくことの大切さを実感します。

みなさんは,離婚する,しないにかかわらず,子どもさんに今後の見通しを伝えていますか?
子どもさんが不安に思うことに気づいて,安心を与えられる言葉がけができていますか?

 


まとめ 幸せになるために


「子どもの視点に立って離婚手続きも考えるべき」

そのために知って置いていただきたいことを伝える,

これがガイダンスの全般的な趣旨,1番伝えたいことです。

・・確かにそう思います。


子どもが笑顔でいてくれたら・・すごく嬉しい。
子どもが安心して,立派に成長してくれたら・・私も幸せに感じます。

子どもの幸せは親である自分自身の幸せ・・・です。

 

でも,でも・・大変なとき,自分を犠牲にして,「子どものためだけに」頑張る・・は続かない。
私自身が弱い母親であり,子どものために「死にたい」なんて言ってはいけないと思いつつ,口にしてしまうからこそ・・思うのです。

そんな中で,裁判所のガイダンスでも「お子さんのために出来る配慮」の1番目に「親自身ができるだけ安定する」という項目があったことは救われた気がしました。
調停委員さんに,「面会交流」は子どものためだからね・・会わせなきゃね・・と言われて,わかってはいてもつらいのが本音,ということもあると・・代理人弁護士として関わっていて実感します。

どうしたら,まずはご本人である,母,父が安心して過ごせるのか・・
そのサポートをまずは私自身もしていけたら・・と思っています。
ひいては,やはり,それが子どものためになる,と信じていますので!

私自身,母として発達障がいの子にどう接していいのか迷い,困惑して,児童精神科の医師の助言や専門的知識を持つ方のご助言を聞いて,これでいいのかと安心し,こうしたらいいのかとヒントをもらっています。
弁護士として,離婚調停で具体的にどう対応したらいいのか,何をしない方がいいのか,伝えられる専門家でありたい,サポートが出来る存在でありたい,と思っています。

そして,
面会交流を希望する側の夫,妻も相手方である同居親(妻,夫)の心,経済的な安定が,子どもの幸せにも繋がっていく・・という意識を持ってもらえたらなと思っています。
そのために,どんな「話し方」で相手に伝え,どんな「言葉」を選んだらいいのか,これからも研究して伝えていけたらと思っています。


離婚をするケースでは,自分は別れる夫,妻に関わらない方が安心できるし,子どもにも関わって欲しくない・・・と思うこともあると思います。
むしろ,離婚を選ぶようなケースでは,それが本音なことの方が多いかも知れません。

けれど,

「離婚をせずに頑張る」という選択も,「離婚をする」という選択も,より安心して過ごせるようにするため,ひいては「幸せ」になるため・・と思っています。

そのためには,愛する子どもさんの幸せも欠くことの出来ない大切な要素のはず。

それぞれ人間は違いますから・・親の気持ち=子どもの気持ちではないことが通常です。

ご自身が少し安心することが出来たら,ご自身とは違う「子どもさん自身の気持ち」を考えて,ときには,多少自分が辛くとも,子どもさんの安心に繋がるための面会交流,養育費,相手方への接し方などに努力出来るようになると信じています。


「離婚調停」はそのための手段。道程。

私自身,自分をコントロールしきれない情けない母ですが・・

本当に望む「幸せになる」というゴールのため,弁護士として,母として,一緒に歩んで行けたら・・と思います。


本日は,女性士業41girlsの無料相談会です~

そんな気持ちで,頑張りますね!


それでは,

このブログを読んで下さった皆さまが「離婚」「夫婦の喧嘩」が子どもにどのような影響を与えるのかに気付き,どのようなことに注意したらいいのか分かるヒントとなりますように。


今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

 

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり19年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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