弁護士矢野沙織ブログ

多治見ききょう法律事務所所属弁護士矢野沙織のブログです。

矢野沙織ブログ

困った社員に対する対処法・予防法~③不正行為を行う社員に対する対処法

当事務所では、使用者側の労働問題に注力し、経営者のサポートをさせていただいておりますが、経営者の方から相談されることが多い「困った社員に対する対処法及び予防法」について、引き続き、記載していきたいと思います。

第1回目は、「経歴詐称をした社員に対する対処法」、第2回目は、「勤務成績・勤務態度不良の社員に対する対処法」について記載しましたが、第3回目となる今回は「不正行為を行う社員に対する対処法」について取り上げたいと思います。

 

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2019年5月18日

困った社員に対する対処法・予防法~②勤務成績・勤務態度不良の社員に対する対処法

当事務所では、使用者側の労働問題に注力し、経営者のサポートをさせていただいておりますが、経営者の方から相談されることが多い「困った社員に対する対処法及び予防法」について、引き続き、記載していきたいと思います。

第1回目は、「経歴詐称をした社員に対する対処法」について記載しましたが、第2回目となる今回は、「勤務成績・勤務態度不良の社員に対する対処法」について取り上げたいと思います。

 

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2019年4月27日

困った社員に対する対処法・予防法~①経歴詐称をした社員

当事務所では、使用者側の労働問題に注力し、経営者のサポートをさせていただいておりますが、困った社員への対応について、頭を悩ませている経営者や人事労務担当者が多いことを実感しております。社員は会社にとって重要な財産であるという意味を込めて『人財』と表現されることもありますが、残念ながら、問題のある社員がいるのも事実です。そこで、本日から数回に渡り、本ブログ上で、「困った社員に対する対処法及び予防法」について記載していきたいと思います。

第1回目は、学歴、職歴、犯罪歴、経歴詐称、病歴等の経歴詐称をした社員に対する対処法について取り上げます。

 

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2019年4月6日

企業のパワハラ対策

これまで、本ブログでセクハラ問題について取り上げてきましたが、今回は、セクハラ同様、職場秩序に反し、企業能率を低下させるパワハラ問題について取り上げたいと思います。

 

1 パワーハラスメント(パワハラ)とは

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」をいうとされています(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」の提言より)。

職場のパワハラの行為類型は、以下のとおりです。

○身体的な攻撃(暴行・傷害)

○精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)

○人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

○過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する等)

○過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる・仕事を与えない等)

○プライバシーの侵害(私的なことに過度に立ち入る)

 

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2019年3月16日

企業のセクハラ対策(客などの第三者によるセクハラ被害の対処法)

前回のブログ(平成31年2月2日掲載)で、従業員によるセクハラ被害に対する企業の対応策について記載しましたが、客によるセクハラ被害に関する最高裁判例を受けて、今回は、客などの第三者によるセクハラ被害に対する企業の対応策について記載したいと思います。

 

1 最高裁判例(平成30年11月16日 最高裁第三小法廷 判決)

地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れたンビニエンスストアの女性従業員に対して、不適切な行為(女性従業員の手を握って店内を歩行し、女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとする、胸を触る、男性の裸の写真を見せる、胸元をのぞき込む、「乳硬いのう」「乳小さいのう」「制服の下、何つけとん」「胸が揺れとる。何カップや。」といった不快な発言をする)をしたことを理由に停職6か月の懲戒処分を受け、処分の取消しを求めた事案です。

1審・2審判決では、女性従業員が「終始笑顔で行動しており、これ(男性職員による身体的接触)について渋々ながらも同意していたと認められる」とし、男性職員の処分が重すぎると判断しました。

これに対し、最高裁判決では、女性従業員が「終始笑顔で行動し、(男性職員による)身体的接触に抵抗を示さなかったとしても、それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地があり、身体的接触についての同意があったとして、これを男性職員に有利に評価することは相当でない」とし、男性職員の処分が著しく妥当性を欠くものではないと判断して、男性職員の請求を棄却しました。

コンビニエンスストアの従業員は、立場上、利用客の迷惑行為に対して嫌悪や拒絶の意思を明確に示すことや、店舗の利用を拒絶する、接客をしないといった対応をとることが困難であり、女性従業員が男性職員の不適切な行為に対して明確に拒否する言動をしていないことを捉えて、女性従業員がセクハラ行為について渋々ながらも同意していたと判断した1審・2審判決には、違和感を覚えます。

店舗のオーナーは、男性職員の不快な言動について女性従業員から頻繁に報告を受けており、これを理由の一つとして退職した女性従業員がいたにもかかわらず、商売に支障が生じないよう、しばらくの間、黙認していたとのことですが、客であるからといって、社会的にも強く非難されるべき破廉恥なセクハラ行為を黙認すべきではありません。

 

2 セクハラ被害に関する企業の法的責任

加害者が会社の従業員なのか、客などの第三者であるかにかかわらず、企業には従業員をセクハラ被害から守り、職場環境を整える義務があるため、加害者が第三者であるからといって企業の法的責任が軽減されることはない点について注意が必要です。

①債務不履行責任…企業は、労働者に対し、労働者との間の雇用契約に基づく付随義務として、労働者の労働環境を調整し、快適な環境を提供する義務があるとされます。したがって、セクハラ被害を認知したにもかかわらず放置したような場合には、この義務を怠ったものとして債務不履行責任を負うことがあります。

②男女雇用機会均等法11条違反…労働者がセクハラ被害を受けている場合には、企業はセクハラ行為を止めさせるために必要な措置を講じる必要があります。それにもかかわらず、セクハラ被害を放置ないし黙認すれば、それ自体が法律違反となり、損害賠償責任を負うことがあります。

③労災補償責任…企業がセクハラ被害を放置ないし黙認したことにより、労働者が精神疾患等のメンタル不全を招来した場合には、仮に企業に過失がなくとも、労災補償責任を負うことになります(無過失責任)。

 

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2019年2月23日