自転車による交通事故で本人や親が負う責任

交通事故と言われて最初に思い浮かぶのは自動車事故だと思いますが、自転車事故で被害者が重傷を負い、高額な賠償金が認められるケースが出ています。自動車の方が大きな事故に繋がりやすいというだけであって、自転車であれば損害賠償額が小さくなるわけではありません。そこで、今回は自転車運転者が遵守すべき交通ルール等について記載したいと思います。

1 自転車の交通ルール

自転車は、道路交通法上「軽車両」とされていますので、定められた交通ルールを遵守して走行する必要があります。しかし、自動車と違い、運転免許制度があるわけではないので、自転車の交通ルールを把握されていない方も多いのではないでしょうか。

例えば、歩道のある道路の場合、自転車はどこを通行するべきでしょうか。この点について、道路交通法は、原則として、車道の左側に寄って通行しなければならないとしています。ただし、①道路標識等で指定された場合、②運転者が児童(6歳以上13歳未満)・幼児(6歳未満)の場合、③運転者が70歳以上の高齢者の場合、④運転者が一定程度の身体の障害を有する場合、⑤車道又は交通の状況からみてやむを得ない場合は、自転車で歩道を通行することができるとされています。

また、自転車で、車道の右側を通行した場合は、通行区分(右側通行)違反に問われることになります。違反者に対しては、罰則として、3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。右側通行は、四輪自動車と正面衝突する危険のあるとても危険な運転です。自転車運転車は、軽車両を運転しているという自覚を持たなければなりません。

2 自転車の交通事故

自転車を運転中に、歩行者や自転車と衝突する等して交通事故の加害者となった場合は、民事上の損害賠償責任を負うことになります。被害者の傷害の程度によっては、相当高額の賠償を命じられる可能性があります。また、民事上責任能力が認められない子供の事故について、親権者が損害賠償義務を負うことがあるため、注意が必要です。

例えば、当時11歳の男児が、夜間に自転車で坂道を下っているとき、散歩中の62歳の女性と正面衝突し、女性が頭蓋骨骨折等の重症で意識が戻らない状態となった事故について、男児の前方不注意が本件事故の原因と認定した上で、親権者の指導や注意喚起が不足しており、監督義務を果たしていないとして、将来の介護費や遺失利益、慰謝料、治療費など合計1億円弱の支払いを命じた裁判例があります。

3 自転車保険の重要性

自転車は、運転免許制度がなく、小さな子どもでも運転することができるので、交通事故のリスクが高いように思います。子どもが自転車事故を起こした場合、親がその責任を負わなくてはならない可能性があることを自覚しなければなりません。

自動車の場合には、強制保険としての自賠責保険が存在しますが、自転車はそのような制度がありませんので、自転車運転者や、自転車に乗る子どもを持つ親は、自転車保険に加入して、万が一の場合に備える必要があります。

当然のことですが、最も大切なことは、自転車事故を発生させないように交通ルールを遵守し、子どもに対する指導・監督を怠らないことです。

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