さて,11月になりました。
先月を振り返ってみますと,即位礼正殿の儀といった慶事の一方で,台風・大雨といった自然災害や,沖縄の象徴とも言うべき首里城の火災など,悲しいニュースも相次ぎました。
私は,高校に授業に出かけたり,講演をしたり,ロータリークラブの活動や弁護士会等の施設見学で遠方に足を運んだりと大変慌ただしい1か月となりました。
(写真は,北海道美瑛町の青い池です)
ざっとまとめると主なものは次のとおりです。
- 8日 岐阜県立関高校で芥川龍之介「羅生門」を題材とした模擬裁判授業
- 17日 多治見西ロータリークラブの親睦旅行で福井へ
- 19日 JAとうとにて「民法改正2020に備えて」と題して講演
- 20日から22日 中弁連の委員会の施設見学で北海道へ
- 26日 恵那市にて国際ロータリー2630地区東濃グループのインターシティーミーティングに参加
当然,調停や民事裁判,刑事裁判で,多治見・御嵩・中津川・名古屋などの裁判所に行っております。
関高校で「羅生門」を題材とした模擬裁判
指導弁護士として参加
10月8日は,岐阜県立関高校で,芥川龍之介の「羅生門」を題材とした模擬裁判授業が行われ,私も指導弁護士として参加しました。
札埜和男岡山理科大学准教授にお誘いいただき,準備をお手伝いし,当日は生徒に,法律概念の説明や講評等をしました。
本番さながら,真剣に
老婆に太刀を突きつけて老婆の着物を奪った下人について,強盗罪にが成立するかどうか,緊急避難が成立するかどうか,本番の裁判さながら,検察官役の生徒と弁護人役の生徒が主張を戦わせ,尋問を行い,裁判官役の生徒が両者の主張と証拠を踏まえて評議をし,判決を下しました。
評議の中では,緊急避難の成否については,ほかにも方法はあったのではないのか,とっさの判断にしては間違っているとの意見も出て,最終的に緊急避難は成立せず,一方で,事情を考慮して過剰避難となり,減刑させるという結論になりました。
関高校の生徒の皆さんの,理解力,思考力,そして演技力,いずれも感心しました。
様子は新聞・テレビでも紹介
詳細は,関高校のホームページに詳細されています。→「関高SGH情報 第34号」
また,当日の様子は朝日新聞等の新聞で報じられました。
→10月9日付朝日新聞朝刊「関高校で模擬裁判 「羅生門」の主人公に有罪判決」
10月24日(木)のNHK岐阜の「まるっと!ぎふ」でも紹介されています。
この番組内のリポートをご覧になった方は結構いらっしゃるようで,何人かの依頼者やロータリークラブの会員から,番組を観た旨のことを言われました。家事調停で調停委員からもこの前出ていましたねと声をかけられました。
今年は中高生に教える機会が相次ぎました
今年は,ロータリークラブの出前授業や,多治見西高校での模擬裁判の授業もそうですが,中学生や高校生に教える機会が複数ありました。
もともと,司法試験に受かる直前は,塾業界でそうした年齢の人たちに接していましたし,教えることは好きですので,弁護士になってからもちょっと違った形で授業ができることは率直に嬉しく思います。
また,生徒に配布しました裁判員制度の冊子と法廷ガイドについては,裁判所の職員の方に無理をお願いして用意いたしましたが,ご協力いただいた職員の皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
「民法改正2020に備えて」と題して債権法改正について講演
10月19日は,JAとうとにて,「民法改正2020に備えて」と題して民法(債権法)改正について講演を行いました。
70分程度で保証や時効を中心に債権法改正について基本的なところと実務的なところを話しました。
分かりやすかったとご好評いただきました。お招きいただきありがとうございました。
私は法学部ではなく経済学部出身で,法律知識ゼロの状態から勉強をして司法試験に合格しています。
また,塾業界で中学受験の社会や難関私立高校・大学受験の英語の授業や説明が大変わかりやすいと言われていました。
こうした回り道の経験が,少しは役に立っているのかもしれませんし,他の弁護士にない特色といえば特色かもしれません。
北海道家庭学校への施設見学
10月20日から22日は,中弁連子どもの権利に関する委員会の令和元年度施設見学として,北海道遠軽町にある児童自立支援施設,北海道家庭学校を訪問しました。
旭川空港からスバルのレヴォーグを借りて,紋別遠軽道路を中心に3時間程度走らせました。現地は,山肌はすっかり秋の色彩で,朝晩の気温は5〜6度程度となっていました。
写真は,北海道家庭学校内の禮拝堂です。
北海道家庭学校は,留岡幸助が北海道オホーツク管内遠軽町に設立した,日本に2つのみの民間の児童自立支援施設であり,その広大な敷地の中で,生活指導,学習指導,作業指導の三本立てで子どもを育てていきます。
子どもたちは寮で生活をし,朝と夕方の作業をします。
子どもたちが非行や問題行動に走る背景には,愛着関係の形成が不十分であったことが挙げられ,だからこそ,寮長・寮母と擬似的な家庭のような寮の中で,寮長・寮母との間で愛着関係を形成し育ち直りをする体制(小舎夫婦制)を堅持しているとのことでした。もちろん,寮長・寮母の休養や労働時間に配慮する工夫もしているとのことです。
子どもたちは,日中は,週3回,午後の学校の日課として酪農,園芸等の5つの作業班に分かれ,汗を流します。
また,学校内に地域の分校があり,作業班学習以外の時間は分校で勉強をします。中学生の国語・数学・英語については習熟度別クラス編成で授業を行い,これが,学習の遅れを取り戻すのに効果を上げているとのことでした。
分校と協働体制で,学校教育も行いつつ,家庭学校が重きを置く作業指導も行っているとのことでした。
大変気になったのが,被虐待経験を有する児童が在籍児童の約85%,発達障害を有する児童が在籍児童の約96%という数字です。
開放処遇の施設ということではありますが,無断外出は,山中に生息するヒグマや冬の寒さといった厳しい自然環境など,命の危険と隣り合わせであり,だからこそ,その場合には,全員で捜索して短時間で連れ戻すことに努めているとのことでした。
岐阜県弁護士会では,子どもの人権委員会という子どもの権利に関わる委員会に所属しておりますが,今後も,研修や見学・視察等に参加し,知見をより一層深めていきたいと考えております。
福井へ親睦旅行
10月17日は,多治見西ロータリークラブの親睦旅行で福井に行きました。
ロータリークラブでは会員同士の強固な絆を深めるため,奉仕だけでなく,親睦も重視されています。
テーマは,カニ(蟹)とカミ(紙の神,紙すき)。
旅行の様子は,森田幹事が作成しておりますので御覧ください。
0:47からカニを食べる私の手が映っています。
深まりつつ秋
外を歩くと,木々は,葉が色づき始めています。
今月は,徐々に深まる秋を感じるべく,各地をめぐりたいと思います。

長崎県出身,愛知県立旭丘高校・慶應義塾大学経済学部経済学科卒。
大学卒業後,テレビ放送局ディレクターを経て法科大学院に入学。法科大学院修了後,東京都内の有名進学塾の副校長在職中に司法試験に合格し,弁護士資格を取得。
法科大学院では,知的財産法を専攻。合格後の司法修習中も東京地方裁判所の知的財産権部や知的財産高等裁判所(知財高裁)で知的財産を中心に学ぶ。
中小企業の法律問題では,著作権,商標権,意匠権,不正競争防止法,契約書の作成・確認,不動産賃貸借,建築紛争,クレーム対応などが主な取扱い分野。
地域密着の弁護士を目指し,多治見市での就業を選択。
相続・離婚など家庭での法律問題も取り扱っています。