民法改正〜保証のルールが変わる

多治見駅前の温度計が故障していました

最近,多治見駅前のシンボルである温度計が「故障中」とのことで気温が表示されない状態が続いていました。

大変心配でしたが,昨日駅前を歩くと,ようやく修理が完了していました。

なんとか,昨日開催のながせ通り商店街の祇園祭には間に合ったようです。

この温度計,昨年の今頃は,38度以上を表示する日が相次ぎました。

しかし,今年は梅雨が長引いていて,激しい暑さとはなっていません。

梅雨明けはもう少し先のようですが,今年は駅前の温度計がどれだけ暑い数字を叩き出すのか,梅雨明け前からドキドキしております。

経営法務リスクマネジメントを学びました

さて,昨晩は,岐阜県弁護士会にて,岡山から大変アツい先生,岡山弁護士会会長の小林裕彦先生をお招きして,「経営法務リスクマネジメント」を題した講演会が開かれました。私はその後の懇親会も含めて参加してきました。

小林先生の問題意識には深く感銘を受け,とりわけ,中小企業の多くが,働き方改革関連法,特に,来年4月1日施行のパートタイム・有期雇用労働法への対応が遅れており,これが経営法務リスクとして顕在化しないよう,周知・提案していく必要があると感じました。

また,戦略的なM&Aの話も聞くことができました。

さて,来年4月1日は,パートタイム・有期雇用労働法だけでなく,民法の債権に関する規定の改正も施行されます。

前回までは,賃貸借に関するルールの変更を紹介しました。

今回は,予告どおり,他人の債務を保証する場合について,特に保証人を保護するルールについて紹介します。

民法の保証のルールが変わる

保証人への情報提供義務

保証契約締結前の情報提供義務

主たる債務者の委託を受けて事業のために負担する債務を保証する場合や事業用債務を含む根保証をする場合,自分が保証人になるかどうかを決めるためには,主たる債務者に関する情報を把握した上で判断しないと,多大な不利益を被る可能性があります。

そこで,主たる債務者は,他人に,事業のために負担する債務を保証することや事業用債務を含む根保証をすることを頼む場合には,

  • 主たる債務者の財産や収支の状況
  • 主たる債務以外の債務の金額や履行状況等に関する情報
  • 主たる債務の担保として他に提供しまたは提供しようとしているものがあるか,ある場合にはそのこととその内容

を提供しなければならなくなります(改正民法465条の10第1項)

情報提供をしなかったり,誤った情報を提供し,そのために保証人になってしまった場合,債権者がこうした事実を知っていたり知ることができたりしたのであれば,保証契約を取り消すことができます(改正民法465条の10第2項)。

主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務

前回の賃貸借の保証でも説明しましたが,主たる債務者の委託を受けて保証人(法人も含む)になった場合には,保証人は,債権者に対して,主たる債務の支払いの状況に関して,情報提供を求めることができます(改正民法458条の2)。

主債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

債務者が分割金の支払を遅れるなどして,一括で返済しないといけなくなった場合(期限の利益を喪失した場合),債権者は,主たる債務者が期限の利益を喪失したことを債権者がこのことを知った時から2か月以内にその旨を保証人に通知しなければなりません(改正民法458条の3)。

第三者保証の場合の保証意思の確認

第三者保証のリスク

一般に,企業の経営に直接関係のない者が保証人になる場合を第三者保証といいます。

法人や個人事業主が事業用の融資を受ける場合に,その事業に関与していない第三者が安易に保証人になってしまい,多額の債務を負う事態を減らす必要があります。

保証意思宣明公正証書の作成

そこで,個人が事業用の融資の保証人になろうとする場合には,一部の例外を除き,公証役場にて公証人による保証意思の確認を経なければならなくなります。この意思確認の手続を経ずに保証契約を締結すると,その契約は無効となります。

具体的には,

  • 事業のために負担した貸金等の債務が主たる債務である保証契約やそのような債務が主たる債務に含まれる根保証契約については,
  • 保証契約等を締結する前の1か月以内に,
  • 公証役場で,公正証書の形で保証の意思を表示しなければならない

こととなります。

この公正証書を保証意思宣明公正証書といいます(改正民法465条の6)。

保証意思の確認が不要な場合

ただし,

  • 主債務者が法人である場合には,その法人の理事・取締役・執行役や,議決権の過半数を有する株主等
  • 主債務者が個人である場合には,主債務者と共同して事業を行っている共同事業者や,主債務者の事業に現に従事している主債務者の配偶者

が保証人になる場合には,その事業に関与していない第三者とはいえないため,保証意思宣明公正証書の作成は不要です。

今回は,保証のルールの変更について紹介しました。

次回は,民法改正を離れて,民法改正と同様に対応が急務となっているパートタイム・有期雇用労働法を紹介し,その後,不動産取引や商品売買において重要な改正となる売買のルールの変更について紹介していきたいと思います。

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