消費者被害に遭いました。。。

突然ですが、私、生まれて初めて消費者被害に遭いました…。

岐阜県弁護士会の消費者問題救済センター委員のメンバーとして、被害に遭われた消費者の方々をサポートさせていただく立場ということもあり、普段から細心の注意を払ってはいるのですが、思わぬ落とし穴にはまってしまいました。幸いなことに、国民生活センターのおかげで無事に解決することができましたが、実際に消費者被害に遭ったことで、被害者の皆様の悔しさ、やるせなさ等を身をもって経験することができ、消費者被害をなくすために尽力していきたいとの決意を新たにしました。

私以外にも同様の被害に遭われた方々がいると思いますので、注意喚起のために、今回の経験を記載させていただきます。

①2年程前、K社の店舗で携帯電話の機種変更の手続を行った際に、○レシャスウォーターというウォーターサーバーの契約を勧められる。今契約すれば、機種変更の際に必要な手数料が無料になるし、携帯電話利用料金と一緒に○○WALLETクレジットカードで支払えば、ポイントがもらえてお得とのこと。ちょうどウォーターサーバーの導入を検討していたタイミングだったし、20年以上の付き合いであるK社に対する信頼もあったことから、店頭でウォーターサーバーの契約を行う。

②ウォーターサーバーはデザイン性を重視しているとのことであり、オシャレな感じだったが、自宅に届いた現物を見ると、ゴム製の小さな足が簡単に取り付けられているだけであり、「重い水を支えるのに、これで大丈夫かな?」と疑問に思うような作りだった。毎月レンタル料を支払って借りる物なので、壊したり傷つけたりしないよう、使用方法に従って大切に扱った。2年以上の間、ウォーターサーバーを移動させたこともないし、上に物を置いたことなどもないし、何かにぶつけたり、ウォーターサーバーを倒すなどといったことも全くなかった。

③ウォーターサーバーを導入して2年が経過した頃、ゴムの足が取れて、ウォーターサーバーが傾いた。業者に電話をし、修理又は交換をお願いしたところ、「お客様都合の交換なので、交換手数料5,400円を支払ってもらう。」と言われる。重い水を支えるのに不十分と思われる強度の足だったし、2年以上の間、用法に従って大切に使用していたため、足が取れたことについてこちらに過失がないことを説明したが、「それは関係ない。」と言われて全く聞いてもらえなかった。2年以上契約していれば解約手数料が掛からないため、「では、解約します。」と伝えたところ、「解約しても、交換手数料5,400円を支払ってもらう。契約書にそのように記載されているから。」と言われる。

④改めて契約書を読んでみたが、業者が主張する根拠となる記載がないため、その旨伝えると、「みなさん、支払っているものなので、あなたも支払ってください。」と言われる。「契約書の記載を根拠に請求していたはずなのに、それがないと分かると、今度は他の人が支払っているという慣例を根拠に請求するのか?」と尋ねると、契約書上のそれらしい記載を無理やり指して、「どうしても契約書上の根拠を示せというのであれば、これである。」と主張するものの、明らかに今回のケースにあてはまらない。「あなたの主張は裁判をやっても通らない。」と指摘したが、「社内で協議して決めたことなので、変えるつもりはない。本来なら3万2400円支払ってもらうところを、お客さんは契約期間が長いので、特別に5,400円にしている。5,400円で納得いかないのであれば、3万2400円を支払ってもらうことになるが、どちらがよいのか。」とすごまれる。

⑤○レシャスウォーターの担当者と何度話をしても、④のやりとりを繰り返すだけであり、埒が明かないため、○○WALLET Marketの相談窓口に電話をして状況を説明する。しかしながら、そこでも、「担当者に電話を代わります。」と言われて、○レシャスウォーターに電話をつながれてしまい、また④と同じ内容のやりとりを行うことになる。

⑥今度はa○のお客さまセンターに電話をし、事情を説明して、「携帯電話利用料金と合算して請求されている○レシャスウォーターからの請求は、契約上の根拠がない不当な請求なので、支払うつもりはない。携帯電話利用料金はきちんと支払うので、請求を分けていただきたい。」とお願いするも、「それはできない。」と断られる。a○の担当者の話によると、○レシャスウォーターからの請求も含む全額を支払うか、全額支払わないかどちらかしかできないとのこと。全額支払わなければ、当然携帯電話は止められるが、それでは困るということであれば、○レシャスウォーターと話し合って解決するしかないとのこと。「○レシャスウォーターと何度も話をしたが、法律上認められない主張を一方的にし続け、解決ができない状態なので、困り果てて、御社に連絡している。店頭でウォーターサーバーの契約を勧めて契約手続をしたのも御社だし、水を定期購入するために御社に毎月定期購入手数料を支払っているし、代金を回収しているのも御社なのに、問題があっても何の対応しないというのか。」と尋ねると、「○レシャスウォーターは別の会社なので、こちらではどうにもできない。」と突き放される。

⑦悪質な業者が大手企業と手を組み、携帯電話を人質にして、請求根拠のない費用も回収できるシステムなんて、あまりにも消費者利益を無視していると憤るも、弁護士が国民生活センターに被害者として相談するのも如何なものかと思い、相談を躊躇する。業者の「みなさん、支払っているもの」という言葉が頭の中をこだまし、「私以外にも被害に遭っている方がいるはず。私がこのまま泣き寝入りすれば、さらに被害者が増えてしまうかもしれない。何とかしなければ。」と思うものの、沢山の仕事を抱える中で、5,400円の被害金額のために裁判をすることについても、即断ができず、対応について悩む。

⑧同僚弁護士らにも相談した結果、弁護士の基本理念である社会正義の実現のために、業者と戦うことを決意する。休日返上で仕事をし、裁判も辞さないと決意したが、その前に、国民生活センターに相談して情報提供し、今回の被害について周知してもらおうと思い、恥を忍んで電話をする。

⑨国民生活センターの相談員がK社に連絡したところ、5,400円を返金してもらえることになる。一個人がどんなに頑張って違法性・不当性を主張しても全く相手にしなかったのに、国民生活センターが連絡したら、あっさり返金対応するって…。消費者を馬鹿にするにも程があると、さらに怒りがこみ上げる。

 

消費者の皆様。被害に遭われた時は、ぜひ国民生活センターに相談してみてください。それでも解決が難しい場合には、我々弁護士にお任せいただけたらと思います。

事業者の皆様。インターネット等であっという間に情報が広まってしまう昨今、間違ったことをすれば、その事実は瞬く間に世間に知れ渡り、信用を失ってしまいます。何か問題が起きた場合には、速やかに専門家に相談することをお勧めします。

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