陶都中で「シゴト」を語る

先週は松山に

先週の土日(1月19日・20日)は,日弁連の付添人経験交流集会に参加するため愛媛県松山市を訪問していました。

松山城の周囲では,まだ1月にもかかわらず,梅の花が咲いていました。

今週は陶都中で「シゴト」を語る

今週は,今月から入会しました多治見西ロータリークラブの活動の一環として,多治見市内の多治見市立陶都中学校に足を運び,中学1年生を前に「シゴト」……特に私は「弁護士の仕事」と「テレビ局の仕事」について話をしてきました。

そのあたりの話は後で紹介するとして,今週,火曜,朝の情報番組では,商標をめぐるトラブルが話題になりました。

今週話題になった商標をめぐるトラブル

トラブルの内容

朝の情報番組で取り扱われたのはおおまかに以下のような内容です。

シンガポールのティラミスを真似た商品を東京・表参道で売ろうとしている,シンガポールのティラミスの商品名と全く同じ商品名やロゴについて,シンガポールの会社と関係のない会社が日本で商標登録したため,シンガポールの会社が困っている。

シンガポールの会社は泣き寝入りしないといけないのでしょうか。

無効にならないのか

そもそもそのような商標は無効とならないのでしょうか。

問題となっている商標が,商標法4条1項が定める「商標登録を受けることができない商標」に当たる場合は無効となります。

その商標が,

  • 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの(商標法4条1項10号)

に当たらないか。

あるいは,

  • 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて,不正の目的をもって使用をするもの(4条1項19号)

に当たらないか。

これらに当たるかどうかは,その商標がどこまで,日本国内やシンガポールで需要者の間に広く認識されていたのかがポイントとなります。

さらに,過去の裁判例に照らし,

シンガポールの法人の商標と類似であることを知りながら無断で出願したなどとして

  • 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標(4条1項7号)

ではないのかとの指摘もできそうです。(もっとも,4条1項19号と4条1項7号の適用関係については理論的な争いがあります)

手間ひまを考えると先んじて商標登録を

とはいえ,商標を無効にするための手間ひまを考えると,新しいビジネスを展開する上で商品名やロゴに関するトラブルを避けるためには,すでに多くの人が指摘している通り,先んじて商標登録をしておくことが重要です。

特許庁に無効審判請求をするなどし,その商標が商標法4条1項の規定する「商標登録を受けることができない商標」に当たるかどうかを立証する手間・労力を考えると,最初から商標登録をし自分の権利を守っておく必要があるのです。

では,かりに、問題の会社が,ティラミスヒーローに対し,商標権侵害で商標の使用の差止や損害賠償請求をした場合はどうでしょう。

その際は,そもそもその商標が無効な商標だとか,権利取得過程に権利濫用があるといった反論をすることが考えられます。

しかしながら,やはり手間がかかります。

他者から自分の使っているロゴについて商標権侵害だと言われないようにするためには,他者に先んじて商標登録をしたり,すでに商標登録をしていないかしっかり調べておく必要があるのです。

松山にて学ぶ

付添人経験交流集会

先週の土日は,松山で開かれた,日本弁護士連合会主催の付添人経験交流集会に参加しました。

私は,岐阜県弁護士会の子どもの人権センターにも所属しています。

少年審判では,刑事事件における「弁護人」のような立場の人を「付添人」と呼びます。

その「付添人」の活動についての経験を報告し合い,その活動に伴って生じる問題について議論を深め,「付添人」の活動の質の向上を図る。

その目的のもと,毎年,付添人経験交流集会が開かれています。

今年は,愛媛・松山で開かれました。

全体会と分科会があり,全体会では,個々の少年が非行に走る背景を因果論ではなくシステム論によりアプローチし,家族へのケアを通じ少年のケアを図ることの大切さを学びました。

私が参加した分科会は,第1日目は,非行に走った少年が立ち直るきっかけやそのプロセスについてのシンポジウム,第2日目は,子どもの手続代理人として子どもを支援した実例を聞くというもので,いずれも勉強になる内容でした。

懇親会にて,初対面の他県の先生と交流や情報交換をすることができました。

松山の街も堪能

もちろん,松山の街やグルメも満喫しております。

第1日目の朝は道後温泉本館と2017年にオープンした飛鳥乃湯に入り,宇和島鯛めし松山鯛めし道後ビールと,グルメも存分に楽しみました。気になっていた道後のカフェにも立ち寄り,松山城の周りもめぐりました。

このような感じで,今年も様々な知見を吸収し,研鑽を深め,充実した法的サービスの提供につなげていければと思います。

中学生に語る弁護士とテレビの「シゴト」

様々な知見を吸収する一方で,知識や考えを若い人たちに伝達することもあります。

多治見西ロータリークラブの出前授業で陶都中へ

木曜日に,多治見西ロータリークラブの出前授業として,多治見市立陶都中学校の1年生に向けた「職業講話」が行われました。

世の中にはこんな仕事があるということを知ってもらい,自分たちが将来どのように生きたいかを考えるきっかけにしてもらう。

そのような趣旨のものだと理解しています。

テレビの仕事と弁護士のシゴトを話してきました

20の仕事について,多治見西ロータリークラブの会員や外部の講師が話すというもので,私は中学1年生の前で,「弁護士の仕事」と「テレビの仕事」について40分ずつ話してきました。

私は今は弁護士として仕事をしていますが,テレビ局で働いていたこともありました。

話した内容は,「テレビの仕事」については,どちらかというと,仕事のどこに難しさがあるか,どれだけ責任感が問われる仕事かなど,大変な部分も含めて包み隠さず話すよう心がけたので,結果的に生徒の夢を打ち砕くものになってしまったかもしれません。

「弁護士の仕事」についても,司法修習の最後に受ける試験の試験時間がどのくらい長く過酷かを伝えたあたりで生徒の夢をことごとく打ち砕いてしまったように思います。

依頼者のために,ときに「怖い人」を相手にベストを尽くす格好良さと,弁護士も含めた士業の(サラリーマンにない)「自由度」は伝えておきました。

生徒の夢を打ち砕いてしまった側面はあると思いますが,ドラマでは伝わらない弁護士のリアルな部分を伝えることができたと思います。

皆さん真面目に聞いてくれました

数年前は,塾業界にいて,夏期講習や冬期講習で90分授業を4コマとか6コマとか平気でやっていたのに,昨日は最初の40分,教室で喋るだけで息切れしました。

そんな感じではありましたが,陶都中学校の1年生のみなさんは,終始,真面目に,私の話を聞いてくれました。

来週も,セミナーをしたり,学校に赴いたりと,法廷以外にも足を運びます。

法律の知識をわかりやすくお伝えし,みなさんのお役に立てればと思います。

この記事を書いた弁護士

藤田 聖典
藤田 聖典
長崎県出身,愛知県立旭丘高校・慶應義塾大学経済学部経済学科卒。
大学卒業後,テレビ放送局ディレクターを経て法科大学院に入学。法科大学院修了後,東京都内の有名進学塾の副校長在職中に司法試験に合格し,弁護士資格を取得。
法科大学院では,知的財産法を専攻。合格後の司法修習中も東京地方裁判所の知的財産権部や知的財産高等裁判所(知財高裁)で知的財産を中心に学ぶ。
中小企業の法律問題では,著作権,商標権,意匠権,不正競争防止法,契約書の作成・確認,不動産賃貸借,建築紛争,クレーム対応などが主な取扱い分野。
地域密着の弁護士を目指し,多治見市での就業を選択。
相続・離婚など家庭での法律問題も取り扱っています。

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