長澤運輸事件最高裁判決について

 

今回は,長澤運輸事件最高裁判決の詳細について見ていきたいと思います。

 

本件は,正社員を定年退職して,高年法に基づき再雇用された有期労働契約者が,正社員との間の賃金格差を争った事案であり,定年退職前後で,職務内容や変更範囲が同一であるという事情が存在した事案です。多くの会社が同様の問題を抱えているため,大変注目された判決でした。

 

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ハマキョウレックス事件最高裁判決について

 

今回は,ハマキョウレックス事件最高裁判決の詳細を見ていきたいと思います。

 

1 事案の概要

ハマキョウレックス(以下「会社」という。)は,一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社であり,一審原告の有期労働者は,平成20年10月6日頃,会社の彦根支店と有期労働契約を締結し,トラック運転手として配送業務に従事していました。原告の労働契約は,その後順次更新されていましたが,正社員との間で以下のような賃金等の違いがありました。

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同一労働同一賃金-2つの最高裁判例(ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件)から-

 

本年6月1日、労契法20条の関する2つの最高裁判決が出されました。

 

契約社員のドライバーが、正社員にのみ諸手当等が支給されるのは労契法20条に抵触する不合理な労働条件として差額を求めた訴訟(ハマキョウレックス事件)と、定年後継続雇用したドライバーの賃金を2割引き下げたことが期間の定めの有無によるもので不合理であると訴えた訴訟(長澤運輸事件)の2事件です。

 

どちらも、無期労働契約の正社員と、職務内容が同じ有期労働契約の非正規社員との間に存在していた賃金格差の適法性が争われた事件です。

 

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今、どうしてセクハラ対策が重要なのか

 

今回は、債権法改正の話題はお休みにして、色々と話題になっているハラスメント、特に、セクシュアルハラスメント(いわゆるセクハラ)について書いてみようと思います。

 

今、どうしてセクハラが問題となっているのでしょうか?

それは、残念ながらセクハラに対する意識が低い方が一定数おられる一方、ハラスメントに対する意識が高まってきているからだと思います。

 

このことは、厚生労働省が公開している個別労働紛争解決制度の施行状況のデータを見ても明らかです。労働紛争の中の民事上の個別労働紛争に関するデータを見ると、相談件数のトップは、いじめ・嫌がらせ、つまりハラスメント問題なのです。

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