子どもに離婚のいきさつを話すべきか~NHK親の離婚 子どもの本音

いつも読んでいただき,ありがとうございます!

今回は,離婚相談の際,よく聞かれる
「離婚すると言うと,子どもが傷つくと思うので,伝えていないのですが,伝えた方がいいでしょうか?」
という質問に対して答えの「ヒント」にお話をご紹介したいと思います。

少し前ですが,「NHKあさイチ」で取り上げられていた「親の離婚 子どもの本音」というテーマから気づいたことをシェアします。

親の離婚を経験している芸能人IMARUさんやユージさん,司会者のV6いのっちの実体験に基づくお話,取り上げられた実例での子どもさんの話,投稿などもとても考えさせられるものでした。

以前もお話ししましたが,
私の初恋の人・・・は,すごく頭の良い人でした。
小さい頃にお父様を亡くされた方でしたが,小さい頃から,とても優しい男の子で,日本の超難関大学に進学して,今は家族をお持ちのようです。


なので,私は,「ひとり親」だから,「離婚した」から,子どもにとって悪い環境になるとは,思っていません。
基本的には,離婚したことによって,離婚前より楽しそうに親が生きている姿を見せられたら,大丈夫だと思っています。

ただ,そうは言っても,離婚を経験した子どもさん達のアンケートを読む限り,一般的に「離婚」が子どもに与える影響はとても大きいので,そのケアは必要だと思っています。


これから離婚を考えている方,離婚された方は,

どんなことを気をつけていくと子どもさん達にとって負担の少ない離婚となるのでしょうか?
離婚に関して,言われると子どもが負担を感じる言葉,行動は?
離婚について,子どもに伝えるべきか?どう伝えたらいいのか?信頼を無くしてしまう伝え方は?
反対に,離婚後に親から言われて,嬉しかった言葉は?


離婚をされていない人にとっても,「子育て」の基本として,とても大切だと感じましたので,ご紹介したいと思います。


1 子どものために離婚しないは負担

番組の中で話してくれた「みずきさん」は,中学校3年生の時に親が離婚。
小学校5年生の頃から,両親が目を合わせて話さないようになり,異変は気づいていたとのこと。
笑いあって話していたのに・・・笑わなくなった。

なので,ずっと居心地の悪さを感じていたため,離婚すると伝えられたとき「この時間から解放されると思うとほっとした」「少し嬉しかった」と言っていた。


また,番組に意見を寄せてくれた方は
幼稚園から小学生まで仲が悪くて毎日のように両親が喧嘩していた方は,母から「あなたのために父親と離婚しないで我慢してる」と言われた際に,「そんなの母親のエゴでしょ。別れてくれた方がすっきりする」と言った,と書いていた。

いのっちは,20歳になるまでは別れない,と言われて,「つれえよ」と言っていた知り合いがいた,と言っていた。

親の離婚を経験している他の出演者の方々も子どものために離婚しない,は違うという意見を言ってくれていた。
子どもは案外タフ,両親の仲が悪い方がつらい,親が笑顔である方が嬉しいと発言していた。


私は,夫婦仲が悪いなら,離婚した方がいいこともある,と思っていたけれど,それでも,子どものために頑張った方がいいのかな,離婚しない方がいいのかな・・子ども達はどう感じているのだろう,と思っていた。

けれど,実際に両親の離婚を体験した方達が,こういう発言をしてくれたことで,「笑顔が消えてしまうくらい」つらいなら,離婚は子どもにとって悪くない1つの選択かな,と改めて思いました。

「みずきさん」の事例では,離婚後,母親の笑顔が戻った,という発言もあって,考えさせられた。


私自身も両親の仲は悪かったのですが,父は私には優しかったので,私自身は離婚して欲しくなかった・・
それは,それでも母は笑顔を絶やさなかったからかな・・と思いました。

今から思えば,母が笑顔でいられる時間が多かったのは,父が単身赴任をしていて,一緒に過ごす時間が少なかったということもあるのかな,と思います。

それと,母は「あなたのために,我慢して離婚しない」とは言わなかった。
「離婚しない」という選択も,子どものせいではなく,そういう選択を自分がいいと思うからしている,という意識を持って子どもに話すことが大事だな・・と改めて思いました。

離婚することに罪悪感を感じていらっしゃる方も多いですが・・・

「離婚する」「離婚しない」選択の,どちらが笑顔でいられそうですか?

その選択は「自分」がその方がいいと思うから,と自信を持って選んだと言えそうでしょうか?

 

 

2 相手の悪口と養育費の不払いは負担


以前も,こちらの記事で伝えましたが,相手の悪口を言うのは,子どもにとって負担になるようです。

母が離婚後,父の悪口を言うようになり・・
「自分は父の血も受け継いでいるから,半分自分を否定されてるような気持ちになって辛かった」
との発言があった。


反対に,両親が離婚後大人になって,自分が結婚した際,

母に「お兄ちゃんとあなたと2人授かったこと,お父さんに感謝している」と言われたことが嬉しかった,という発言もあった。


私自身も,母から言われた言葉で嬉しかったのは,

「お母さんは,もし生まれかわっても,やっぱりお父さんと結婚すると思う。

・・・だって,あなたたち子どもをお父さんのおかげで授かったから」


こんなに仲悪くて,いつも離婚したいと言っていたのに?と思いつつ,嬉しかったのを覚えています。

 

それはやっぱり,私が父の血,遺伝子も引き継いでいて,父は私自身の一部でもある,と感じているからかな・・と改めて思いました。


物心つく前に両親の離婚を経験し,離婚後,小学校の頃に父が亡くなってしまった方からは,
「母親に父のことを聞いたら,暴力をふるうから離婚した,という話をされた。でも,自分は暴力をふるわれていないから,母とは違う。父のことを知りたかった。」

という発言もあった。

「養育費を支払ってもらっていないということを知っていたから,母親に父親の写真を見せて欲しいと言えなかった」


DVのケースでは,面会交流させることが子どもの利益にならない場合もありますが,子どもにとっては父は自分自身のルーツという意味で,知りたいと感じるものだし,深いつながりを感じるものだと実感しました。

一方で,別居親が養育費を支払わない,というのは子どもにとっても大きな負担となるというのを改めて実感しました。

面会交流をしながらも,養育費の支払いをしてもらっていないことが分かると,子どもは「愛情がない」と感じること,面会などの交流をしてはいけない,相手のことを聞いてはいけない,と同居親に気を使う,ということも事例の発言者や投稿に出ていました。


皆さん自身は,自分の父,母のことをどのように感じていらっしゃいますか?

離婚してしまえば,全くの他人となる自分とは違って,子どもさんにとっては,父も母も自分自身の一部のように感じていることを知っていますか?

養育費(お金)も愛情の一部,と感じるという意識はありますか?

 


3 真摯に離婚について伝える


両親の離婚を経験した出演者の方達は,子どもの方からは,離婚した理由を聞きづらいと言っていた。

なので,親の方から話して欲しい・・という発言がありました。


番組に投稿してくれた方からも

「子どもは,大人が思っているよりもずっと理解力はある。子どもだから分からなくても話さなくていいというのは,説明責任を放棄しているようで,腹立たしかった。本当に子どものことを大切に思うなら,一人の人間として真摯に向き合って欲しかった」

「旅行に連れて行かれて,そのまま離婚になった。納得がいっていない」

「小学校6年生まで父は死んだと思っていた。母が再婚することになって知った。母が話していても,嘘をつく人だと思った,信用できない」

というメッセージがあった。


私もよく,離婚相談の中で,「子どもに離婚のことを伝えても分からないと思うので伝えていない」と言われたり,「伝えた方がいいのか?どのように伝えたらいいのか?」と質問されることがあります。

・・ここは,弁護士として何か専門的なことをいえるわけではないし,これが絶対的な回答では無いけれど,私自身は,自分の経験を踏まえて,「伝えて欲しい」「伝えてもいいのでは?」と言ってきました。

 

私は,自分の両親に離婚の話が出てきているとき,不安だった・・


大好きな両親が,今後どうなってしまうのか,自分自身はどうなってしまうのか・・・?

なので,小学校の低学年頃だったにもかかわらず,母から「離婚してもいい?」と聞いてもらったことは嬉しかった。

今から思うと,一人の人間として,尊重してくれた,と感じます。


子どもだからといって,分からないと思うのでは無くて,分かる範囲で伝えてもらえたら子どもは嬉しいような気がします。

「死んだ」と伝えるのは,そのときは,もしかしたら傷つくことが少なくてすむかも知れないけれど,後で分かったとき,やっぱりかなりショックだし,言った親のことを信頼できなくなることも改めて実感した・・


ただ,離婚理由が相手の暴力,浮気だったりすると,どこまで伝えたらいいのか,難しいところだと感じます。
自分自身に浮気などの離婚原因がある場合も・・難しいところだと思います。

子どもにとっては血の繋がっている父,母の行動,相手方自身を非難,否定することは,子ども自身を否定することにもつながりやすいので・・本当に難しい。

子どもによっても,どこまで聞きたいのか違うかな,と思いますし,年齢によってもどこまで理解できるのかは違うと思います。
子どもの発達段階,性格も感じながら,どこまでをどのような「言葉」で伝えるかを考えていけたら・・と思っています。

ユージさんの発言では,「離婚した理由と加えて,今は離婚してハッピーです,と伝えてくれると子どもは大分楽になります」
「親の弱い姿を見せてもいい,子どもは自分なりにママを守らなきゃと思う」という力強い発言もありました。

IMARUさんの発言では,「嘘ついたら分かる。つらい気持ちもあっても,それも伝えてもいい」との発言もありました。


子どもも一人の人間。きっと真摯にできる限り分かりやすい言葉で伝えれば・・伝わることあるのでは?
そのときには全部は理解できなくとも,大人になってから分かる,ということもあるように思います。

 


まとめ


子どもにとって,何が負担になる言葉なのか,嬉しくなる言葉なのか,は子ども自身しか分からない。

なので,最近の「子ども自身の気持ちを聞く」という取り組みはすごくいいと思うし,参考になるな・・と思います。

もちろん,子ども,人間は一人ひとり違うので,参考にしかならず,その子毎に違うと思うので,自分自身の子どもの気持ちを真摯に聞く,ということも大切だと思います。

 

番組内でも,親の離婚はやはりつらい・・という発言ももちろんあった。


その中で,心のケアとして,参考になる方法もありました。

「離婚を経験している友達と話をする」「ネットで同じような環境の子ども達に質問する」


そして,母が家を出て,両親が離婚してしまったケースでは,ネットでした質問の回答に,「一緒に住んでいる父につらい気持ちを話してみたら?助けてくれるよ」,と言われて,それまでは我慢していたけれど,父に辛い気持ちを打ち明け,父も辛かったと分かった,辛い気持ちを話してもいいんだ,と楽になったという事例もあった。

同じつらい状況を共有すること,同じような思いで頑張っている人がいると知ることで,癒やされることもある・・と改めて思いました。


また,大人になって働くことで,働くことの大変さ,ストレスがたまることが分かった,など,離婚したときの両親の立場,気持ちに築くことも沢山あるという言葉もあった。

今は子どもに全部理解してもらえなくても,いつか大人になったら分かってもらえることを・・自分自身も信じて子ども達に接したいと思いました。


子ども自身は,両親の離婚に直面すると,「自分のせいで離婚した」「自分がもう少しいい子だったら離婚しなくてすんだのでは?」と思うことも多い。


でも,「離婚しないこと」,も「離婚する」ことも,子どもの責任じゃない。
子どもに,あなたのことは愛しているということを伝える事が大事・・ということも改めて大切に思いました。


夫婦仲の悪い家庭に限られないと思いますが・・・
皆さんの子どもさんは,今何につらさを感じ,どのように癒やしているのでしょうか?

 

それでは,

このブログを読んで下さった皆さまが「離婚を考えているとき」「離婚後」の子どもへの接し方で気をつけると良いポイントに気づき,自分で最良と思う選択をしていけますように。
そして,離婚そのものを悪いものと捉えすぎず,子どもにとって何が負担になり,何が安心につながるのかを見極めて進むヒントとなりますように…


今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

 

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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