多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

人生が変わるのは,○○のとき~立花凜さん

人生が変わるのは,○○のとき~立花凜さん

いつも読んでいただき,本当にありがとうございます。

昨日,とても大切な方を失いました。そのお話は,また,いつか出来たらと思っています・・

今回は,夫婦修復カウンセラーをしている立花凜さんとの会話から気づいたことをお伝えします。

凜さんは,ご自身が夫に浮気(不貞行為)をされた後,夫婦関係を修復したという経験をお持ちです。
今は,夫と同じ会社として,一緒に仕事もされています。(詳しくは,こちら

私は弁護士として,夫(妻)に浮気をされた,というご相談をよく受けます。

その際,夫(妻に)浮気されたので,離婚したいです・・と言われることも多いのですが,

子どもは父である夫(母である妻)が大好きなので,離婚したくない,
夫,妻のことが,やはり好きなので,浮気相手と別れて,戻ってきて欲しい,
浮気相手に慰謝料請求をしたいけれど,夫(妻)に止められている,請求したら,離婚するしかないのでしょうか?

などの夫,妻が浮気(不貞行為)してつらい
浮気相手は許せない

しかし,やり直したい

ということも,よくあります。


弁護士は離婚する現場には多く立ち会っていますが,夫婦関係を修復できた現場に立ち会う機会は少ないです。
また,離婚は,裁判をして強制的に別れる,という方法がありますが,修復は強制する方法がありません。
つまり,夫婦関係の修復は,各々の意思「心」に任されています。

弁護士は法律の専門家ではありますが,「心の問題」を取り扱う専門家ではないので,
夫婦関係の修復方法を教えるには,限界があると感じてきました。

それでも,修復したい・・と相談に来られる方も多かったので,誰かご紹介することが出来たら・・と思っていたところ,
信頼できる友人の紹介によってカウンセラーである立花凜さんと会うことが出来ました。

その話の中で気づいたこと,

夫婦関係修復するための「考え方」,
人生を変えるきっかけになる出来事,
慰謝料の請求と離婚との関係について

3つお伝えします。

 

1 自分で選択している

凜さんは,写真の通り,見た目はかわいらしい感じの方なのですが,話をしてみると「強い方」と感じました。
意識してブログなども発信しているため,浮気をされて傷ついてるから「優しく癒やして欲しい」という気持ちでカウンセリングを申込む方は少ないようです。
(かといって,お話しすると,怖い感じの方では全くありませんので,大丈夫です~~)

その根本の精神になるのは,「全ては自分で選択している」という意識だと感じました。

確かに,改めて考えると,「浮気相手に慰謝料を請求する」「夫と離婚しない」というのは自分で選択している。

けれど「夫のせいでつらい思いをさせられている」
「夫のせいで,別居しなければいけなくなった」
「何も悪いことしていないのに,私の人生どうしてくれるの?」

・・と考えてしまいがち。

凜さんも浮気を知ったときには,当初そのような思いを持ったようです。
むしろ,そう思うのが「普通」だと思います。

しかし,本当は,そのような状況の中でも,
どう自分が反応するか(離婚するか,しないか)は「自分で選ぶ」ことが出来る。

誰かのせいで,無理矢理決められてしまうわけではない・・・
もちろん,浮気をすること自体は法的に許されないことなのだけれど,

「夫や浮気相手のせいでこうなった」と人のせいにしているだけの場合,
問題を根本的に解決するのは難しい・・と改めて思いました。

凜さんに,
「浮気した後,修復することになっても,その後も喧嘩の度に浮気のことを思い出して,結局,言い争いになり,離婚することになるケースも多い」

と話したところ,
修復する,と決めたのは,自分という覚悟がないから(以前のことを持ち出す)」というような話をされた。

私の事務所の法律相談のモットーも,「親身,気軽,自分で決める」なので,とても共感しました。
人に言われて仕方なく,弁護士が進めるからこの方法で・・
ではなく,「自分で決める」という意識があるときにだけ,人生って変わるんじゃないかな・・


夫婦関係を修復するであっても,
離婚であっても,
経済的支援を受けながら当分別居するであっても,
全ては「自分で選択」している。


離婚したくない,けれど,
夫(妻)はやり直す(修復する)気が無い・・だから,「仕方なく」別居を続けている・・・というケース。

凜さんの話を聞いて,「離婚する」か,「修復する」かという2つの選択しかない,のではなくて,
「自分が納得できるまで別居を続ける」という第3の選択があると気づきました。

「離婚する」の反対は,「修復する」ではなくて,「離婚しない」という選択,と言われ,新鮮な発想になるほど,と思いました。

「仕方なく」別居を続ける・・のではなくて,この方法が現状では「最適」と自分が選択した,と考えられることで
今の状態を積極的に捉えて,これから自分がどうすべきか,考えていけそうですね。

浮気から立ち直るための一歩は「自分の人生は自分で選択している」という意識なのかも・・・
・・とは言っても,浮気をされた瞬間は傷ついて当たり前。
そこから,カウンセラーの力・周りの方々の手助けを受けながら,少しずつ,「自分」を取り戻してもらえたらいいな,と思いました。

 

2 痛い目に遭ったとき


「自分で決めている」という「考え方」にとても共感した私。
・・確かに,私も色々あって,今は,その考え方にたどり着いた。

でも,浮気など,辛いことがあったときに,そういう「考え方」になるのは簡単じゃない。
どうして,そういう気持ちになれたのですか?
どんなときに,そういう気持ちになったのですか?
と聞いてみました。


その答えは,

痛い目に遭ったときじゃないですか」というようなことだった。

・・!!

これも,確かに,と衝撃を受けました。


私は今,離婚問題で悩む方をサポートしたい,つらい状況でも子どもに余裕を持って関われるための手助けをしたい,
そして,私を育ててくれた地元多治見市が元気になるような活動,地域の企業を支えたい,

という2点を中心に仕事をしている。


けれど,弁護士になって,正直10年くらいは・・そのようなことも考えずに漠然と過ごしてきたのです。


しかし,そういえば,私も,痛い目に遭った・・。

だから,このままではいけない,と思って,「今の生活を変えなくては」「自分が変わらなくては」と思ったことを,思い出しました。


凜さんの場合も,浮気をされ,子どもを連れて家を出て,別居しているとき・・・
ふと,今まで夫のおかげで働かなくとも,生活して来られたことに感謝の気持ちがわき上がったそうです。

そして,それを夫にも伝えたそうです。

「当たり前」と思っていたことが,当たり前ではなかったんだ
これまで本当に幸せだったんだ,と気づいたそうです・・


誰かのせいに思えてしまう人生のつらい出来事,
「痛い目」は,
このままではいけない,と気づかせてくれる大事な「お告げ」なのかも・・

人生が変わるのは,「痛い目に遭ったとき」!名言ですね。


みなさんは,「痛い目」にあっていますか?
乗り越えたとき・・・新しい人生が待っている,と改めて思いました。

凜さんがとった具体的な行動(感謝を伝える)も,夫婦関係修復のためのポイントになりそうですね!

 


3 慰謝料の請求をしたら

浮気相手に慰謝料の請求をしたいけれど,夫に「やめてくれ」と言われている。
浮気相手と夫は同じ会社(または,取引先の人)なので,慰謝料を請求して,会社にばれたら,夫が会社を辞めさせられるかも知れない・・

でも,浮気相手を許すことは出来ないから,慰謝料を請求したい・・
夫と離婚はしたくないけれど,請求したらどうなるのでしょうか?

というご相談も多いです。


その場合,確かに,色々な可能性があって,慰謝料を請求することで離婚方向に進んでしまう,というリスクが無い,とは言えない。
なので,それも覚悟して,請求するしかない・・と説明しています。


凜さんの場合,弁護士も依頼して,浮気相手に慰謝料請求もされたようでした。
それでも,修復できるケースは修復できる。


私自身も,浮気相手に慰謝料を請求して,裁判になったケースも経験していますが,
それでも修復できているケースは出来ている。

その経験からしても,修復できるかどうかは,慰謝料を請求したか,していないか,ということではないように思います。

凜さん自身のプロフィールの言葉を見ても,私の依頼者の話を聞いていても思うのは,

「いざとなったら,離婚も覚悟できているか」
「夫(妻)とは関係無く,私は,私で幸せになる」という「切り離し」が出来ているかどうかかな・・と改めて思いました。


こちらが,夫,妻を失いたくない・・
夫,妻と一緒でなければ幸せになれない・・
と「拘束したい」と思えば思うほど,やり直しは難しいのかな・・と改めて,思いました。

私の依頼者で,浮気相手に慰謝料請求をしたけれど,離婚していない,というケースは,振り返るとそのような「覚悟」を感じます。
反対に,追えば追うほど・・・離れていく,ということでしょうか?

配偶者である夫,妻に対して慰謝料を請求しているケースでは,さすがに夫婦間で裁判まですると,修復は難しいでしょうが,話合いで慰謝料を払ってもらって,夫婦関係を続けているケースはあります。

夫との関係を「手放して考えてみる」「執着しない」という気持ち,
自分が納得できるところまでやってみる,という気持ちも修復のステップのためには大事なのかな・・と思いました。

もちろん,慰謝料請求しなくとも,自分の気持ちがきっちり整理できるのであれば,慰謝料請求をしないで修復することがあって良いと思いますし,そのようなケースもあります。


修復できるかどうかは,どうしたら,自分が心から目の前の夫,妻を許せるのか,
浮気したという過去を振り返ることなく,新しい気持ちで受け容れられるのか
自分の気持ちに素直になることも・・必要なのかなと思います。

無理して「仕方ないから子どものために我慢してやり直す」という気持ちでやり直そうとしても・・
「自分で正しいと信じて選択した」と言い切れる状況でなければ,修復には限界があるかなと思いました。

みなさんは,夫,妻が浮気をしたとき,どうしたら,心から許せそうでしょうか?
リスクは避けられないけれど・・・心に素直に従うのも,「選択」の大事なポイントかも知れませんね。

 


まとめ 幸せは自分でつくるもの

以前に聞いた,確か斉藤一人さんのお話の中にあった言葉…
「結婚するときに,幸せにしてね,っていうのは間違い」という話(と思う)。

幸せは,自分でなるもの,誰かと一緒に作るもの・・ということかな,と改めて思い出しました。

誰かが,自動的に自分を幸せにしてくれる・・わけではない。


同じように不幸も・・だれかに「不幸にされる」わけではないのかも。
夫や浮気相手のせいで不幸になる,という「選択」はあるけれど,そういう出来事があっても,私は子ども達と幸せに生きていく,という選択もできる,と教えてくれた凜さん。

夫婦の修復のための方法も,もちろん教えてくれるけれど,夫婦として修復すること=「幸せ」,修復できない=「不幸」とは考えていない点も共感できた。

みなさんは,どんな「幸せのための選択」していますか?

このブログを読んで下さった皆さまが,つらいこと,痛い目に遭ったときこそ,人生を変えるための瞬間!と思え,自分らしく,幸せのために選択するきっかけとなりますように…
そして,つらいときには,一人で抱え込まず,弁護士やカウンセラーという専門家,お友達などの話をきいて,一緒に乗り越えてもらえたら嬉しいな~と思います。

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!