泣かずに見られますか?~Mama’s基金

おはようございます♪いつも読んでいただき,ありがとうございます。

今回は,多治見のNPO法人Mama’s Cafeが主催する
「13万人が動けば…子どもの貧困・虐待はなくせる!」というイベントに参加した感想です。
(Mama’s Cafeの詳しい事業内容はこちらに書きました)

記念講演で話をされた「幸重忠孝」さんの考案によって制作された動画は秀逸。
幸重さんは,ソーシャルワーカーとして,「トワイライトステイ」として,夜間1人で過ごす子ども達が来られるような場所を地域で提供する活動をしています。

以前は,長期間,児童養護施設で虐待を受けた子ども達に関わってきた経験から,虐待が起こる背景についてもとても詳しいです。

NHKに出演され,ぺこ&りゅうちぇるとも共演されている方とのこと。
その「実績」も頷かせる感動的な動画でした。

弁護士として,子供の虐待,少年事件,いじめ問題などに関わってきた経験からしても,「確かに,そういう家庭には,動画に出ているようなつらい背景があるよね・・」と実感。

なぜ,虐待はおこるのでしょうか?
子ども達を虐待から守るために,どんな仕組み作りが必要なのでしょうか?
私たちひとりひとりが,地域の子ども達のためにしてあげられる支援は何でしょうか?

感動の動画と共に,気づいたことを3つ,シェアします。

 

1 子供への直接支援

基調講演の幸重さんのお話は,貧困家庭,親が夜間も働いている家庭で「子供」を直接に支援する方法を提案していました。
詳しくは,↓の感動動画を見ていただきたいです。
   
 「貧困を背負って生きる仁の物語」
https://www.youtube.com/watch?v=IWlmZN7t9JQ
 
「後編」
https://www.youtube.com/watch?v=nwsDYBFowew

「貧困を背負って生きる子どもたち 智の物語 前編」
https://www.youtube.com/watch?v=1NzQrVNjm0s

「後編」
https://www.youtube.com/watch?v=xnq00FVdv6M
 
今回は,そういう2人の子「仁,智」のお母さんが,なぜ虐待をしてしまうのか・・その幼い頃の経験を動画(公表準備中)にした
貧困を背負って生きる子どもたち 礼の物語」の発表もあった。

私たち弁護士は「なぜ悪人を弁護するの?」と言われることが多い。
けれど・・事件を起こす背景,虐待をする背景には,その人自身のつらい体験も多い。
私が同じ境遇で過ごしていたなら,やはり同じ事をしてしまったかもしれない・・。

子ども達の行動・その親の言動の原因に思いを巡らせる人が増え,「こども食堂」など,「子ども達」を直接地域で支援する方法が広まると良いなと改めて思いました。

 

2 親への支援  

子供を虐待から守るには,子供を育てている親への支援が必要だな・・と「礼の物語」を見て,改めて感じました。
虐待をする母親が,テレビや新聞に報道され,「それなら,なぜ産むんだ?」と激しく非難される・・

けれど,弁護士として,その生い立ちや夫との関係,孤独な状態を知ると,もちろん虐待された子は本当にかわいそうなのだけれど,親への強い非難も出来ない気持ちになる。

最近,自分自身にあった出来事。

私の実の姉から,息子の悪い行いに対して,私が全く注意しない,ほったらかしている,と(いうようなこと)を言っている,と母から聞いた。
一方で,息子からは,「お母さんより,おばあちゃんの方が,しつこく怒らないから優しくて好き」というような発言をされた。

一体,どうやって注意したら,息子にとっていいんだろう・・久しぶりに自尊感情が低迷した・・
そんなとき,(発達障がいかどうか)グレーゾーンの子供を持つお母さんが書いている記事を読んだ。

「親が口を酸っぱく言っても聞いてない、根気よく諭してみてもわかってくれない、キツく叱って反省したかと思いきや、次の瞬間にはすぐに同じ間違いを繰り返す…なんてことばかりだと、お母さんもクタクタになってしまいますよね。

その上、子どもがちょっとでも気になる行動をすれば、周りから「しつけがなってない」「叱り過ぎ」「甘やかし過ぎ」だとか、「ほったらかしてる」…こうした厳しい目線をチクチク感じてしまうと、「これ以上、一体どうすりゃいいの!?」と途方に暮れてしまいます。

これは、毎日本当に疲労困憊しながら頑張っているお母さんにとっては、とても辛いことだと思います。だって、人1倍、いや、10倍は頑張っているのに、謝ることはあっても、誰も褒めてくれないんですから。

~中略~
「毎日、子どもに身支度をさせる、3食食べさせる、園や学校に行かせる、スーパーや公園に連れて行く、一日を無事に終える…そんな当たり前のような日常の、お母さんの大変さや頑張りには、なかなか周りの人もパパも気付いてくれません。

でも、今日までお子さんが元気に無事成長できているのは、そんなお母さんの地道な日々の努力のおかげです。

自分のことも、たくさんほめてあげて下さいね。」


この言葉を読んで・・・これは私のことを認めてくれているように思えて,救われた気がしました。


そんなとき,息子が通っている支援級の先生と話し,一生懸命息子の成長の様子を伝えてくれる先生の気持ちが嬉しくて泣けてしまった・・
そうしたら,先生は
「お母さん。大丈夫ですか?お母さんは,いつも本当に頑張っていますね。本当にすごいですね」
と何度も言ってくれた。
その言葉を聞いて,また,涙が止まらなくなった・・

自分より,もっと大変な状態の人がいる。
それは,分かっている。
けれど,みんな,それぞれがそれぞれの状態でつらい思いをしながら頑張っている。

分かってもらえるだけで,その頑張りを認めてもらえるひと言があるだけで,また,親も復活できて,子供に対してどう接したら良いか冷静に考えよう,もっと頑張ってみよう,と思えると思う。

以前のブログに書いたけれど,離婚後の面会交流でも,子供と同居している母親の「自尊心」が回復することで,子供を面会させることが出来るようになったケースもある。

子供への直接の支援と共に,親への支援が間接的に子供への支援にも繋がると思う。

そして,これまで弁護士として東濃子ども相談センター(児童相談所)の相談担当として,虐待事案の相談を沢山受けてきた中で感じるのは・・子ども達は,虐待を受けていても,それでも多くの子ども達は親が好き,ということ。

親と離れて施設に行きたくない,と感じている子ども達も多くて,子ども達の親を思う気持ちに,こちらがつらくなるほど・・親への愛があるのです。

親を救うことで,大好きな親と子供が一緒に安心して住めることの援助が出来たらいいと思う。

 

3 虐待する前の親を支援する 

この会を主催したMama’s Cafeの支援する相手,支援する場面は明確でした。

子供への直接支援ではなく,,(特に,母親と感じました)の支援をする。
そして,支援する場面は,既に,虐待をしてしまった親,ではなくて,そうなる前に,援助を必要としている親を助ける,ということ。

Mama’s Cafeの事業の一つである「ファミリーサポート事業」は,多治見市の補助を受けながら,子育てする親を援助しています。

私は,息子が1年生の時,学年下校で,息子がちゃんと帰れるかどうかを心配され,先生から親が迎えに来て欲しい,と言われていた。

けれど,なかなか決まった時間に迎えに行くことが困難だったので,この「ファミサポ」の援助会員に学年下校の付き添いをお願いしていた。
うちは,私の母親に頼れる部分もあるけれど,頼れない家庭では,本当に手助けが必要なときがあると思う・・

実際,親から自分自身が虐待を受けた人達は,親に子育ての援助を頼みたくない,頼めないし,虐待を受けていなくとも,親との関係が良くない場合も少なくない。
そんな中では,出産直後から,夫婦のみで子育てをすることになり,仕事を休めない夫の元で,母親は孤独な子育てをすることになる・・

自分自身も体調が悪くなっても,こどもにお乳をあげなければいけない,あやしてあげたいけれど・・自分自身に元気がない。

そんなとき,ファミサポの支援員が来てくれて,子供を1時間でも見てくれていると,安心して隣で眠れた,と言われたこともあるそうです。
そして,毎日,大変で慣れない子育ての中で,明日は,ファミサポの支援員さんが来てくれる日だ,と思うことで,今日1日を頑張ろう,と思えるという話をされることもあるそう・・
私も大変だな・・と感じていた赤ちゃんの「沐浴」のお手伝いもできる・・

だから,もっと,支援してあげたい・・・けれど,支援を受けるには1時間700円以上~の費用を負担しなければならない,ということで躊躇される方が多く,支援すべき相手も見えているのに支援できない・・ということに現場の支援員もつらい思いがあったようです。


この費用面で,支援を必要としているのに支援できない親を助けたい,という思いから,費用を負担しなくとも援助が出来る仕組みを作りたい,ということで今回の基調講演とMama’s基金の立ち上げを考えた,とのこと。

子ども達を虐待から守るために,誰を支援するのか,どの場面でどのように支援するのか,は色々な方法があるけれど「親を支援する」「虐待前に支援する」という支援のあり方も大切だと思いましたので,私も支援に参加しました。
みなさんも,賛同できる部分がありましたら,是非,一緒に参加して下さいね▼

https://readyfor.jp/projects/mamaskikin

 

まとめ 

子供を虐待から守りたい,貧困から救いたい・・
きれい事だけ言っても,1人で出来ることは限界がある,と思っています。

なぜなら,誰もが自分自身の生活・仕事・家庭があって,まずは,それを必死にやっているのだから・・自分に余裕が無い状態で,他の人のことにどれだけ,心を配れるのだろうか。

特に子供の虐待・貧困問題の場合,その家庭,親が悪いのだから,なぜ,助けてあげなければいけないのか?自己責任では?という意識も強いと思う。

けれど,虐待現場に関わってきた人達が感じるのは,動画を作成した幸重さんのように,本当に「自己責任」として,片付けてしまえるのだろうか・・という部分だと思います。
もちろん,誰かのせい,環境のせいにせず,本人が気づいて,努力することも大事。けれど,その一歩を踏み出すためには,「自分を認めてもらえた体験」,その援助が必要・・と感じます。

それぞれが,それぞれ得意な分野で出来ることをサポートできると,一番効果が高くなるのかな,と思いました。
弁護士の場合,実際に虐待が起きてしまった後の子ども達の保護の手続きに関与したり,少年が罪を犯してしまった場合に弁護人(付添人)として関わりながらサポートをする,ということが多い。

でも,今の私は,自分自身の息子の問題もあって,色々な業務全てに手を出すことが出来ていない。
今私が出来ることは,離婚問題で心身を疲弊しているお父さん,お母さんのサポートをすることで,まずは親が自信を持って生きられることをサポートしたいとおもっています。

それによって,子供に余裕を持って接しられる時間,笑顔で話せる時間が少しでも増えたら,と思う。
子供の頃に受けたことは成長してからとても大きい影響があるので・・誰かひとりでも,子供の良さやつらさにきづいて,声をかけられる大人が増えたら嬉しいと思う。

子ども自身のサポート共に,子供の周りにいる,子供にとって最も影響を与える親自身へのサポートも必要。
その両方をそれぞれが得意な方が,金銭的,労力的な支援を周りから受けながら,ひとりで責任を抱え込まない形で,かつ,ポイントを絞って効果的にサポートできる,そんな輪が広がっていくと良いな,と思いました。

面会交流の支援と同様に,税金収入にも限りがある中で,何を優先事業とするのかは難しい判断なので,行政で出来ることも限界があるけれど,行政も一緒に,未来を支える子ども達のために出来る支援を考えてもらえたら嬉しいです。

それぞれが出来る範囲で,出来る方法で,援助する,
でも!自分の得意分野には自分自身が集中する,がこれからは大切だと思いました~~
(全く,落ちがなくてすみません,笑)


それでは,このブログを読んで下さった皆さまが,子供の虐待がどうして起きるのか,に少しでも興味を持って戴き,出来る範囲でのサポートを考えてもらえますように,
そして,自分は誰のために,どんな方法でお役に立てるのか?を考え,自分自身の「お仕事」についても,考えるヒントとなりますように・・

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!
今日は,これから女性士業41girlsでの無料相談会に行ってきます♪

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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