多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

青学駅伝3連覇の秘密~原晋監督

青学駅伝3連覇の秘密~原晋監督

みなさま,おはようございます!
今回は,青山学院大学陸上競技部の原晋監督の講演をききましたので,シェアします♪

2004年の監督就任当時,「青学」は箱根駅伝出場から遠ざかって28年
士気もかなり落ちていたところから,就任後14年目の現在,駅伝3連覇という状況を作り上げた。

「弱小」と言われるようなチームを成長させ,強いチームにする秘訣は何でしょうか?

秘訣を知りたいために,バンキシャ!,徹子の部屋などにも引っ張りだこの監督。


沢山の気付きがありましたが,私が感じたことを3つシェアします♪

 

1 長期計画

監督は,就任当時今後のチームのビジョンとして「3年目で箱根駅伝に出場,5年目でシード校に昇格,10年目で優勝します」と大学側に伝えていたそう。

実際は,5年目で出場,11年目には優勝をしていた・・
少しのずれはあるけれど,宣言通りにほぼ進んでいる。

この講演は,多治見を中心とする経営者の勉強会PALが主催したものだけれど,確かにその中でも長期計画をしっかりされている経営者は,確実に,そして,勢いよく成長している。

改めて長期計画の大切さを感じた。
監督は勝ち続ける7つのポイントの一つとして10年後の自分を思い描く(学生は30年後の自分を妄想する)のが大切という話をしていた。

私自身は・・まだまだこの部分が弱いと感じます。
えっと,6月までに,まずは,私自身の10年後のビジョンをもう一度明確にします!

みなさんは,どれくらいのスパンで将来を思い描いていますか?
より具体的に達成が分かる「指標」と共に「妄想」とも言えるような,「わくわく感」もあるビジョンを思い描くことが大切のようですね!


2 ステップ


箱根駅伝に28年も出ていないところから,優勝するまでに変化するのは,やはり一気に出来ることではないらしい。

監督は,4段階に分けて,チームの指導方法を変えていた。
第1ステップ 上意下達 監督が指導して,「規則正しい生活」を身につけさせる。
こちらが一方的に指導するので従来の学校の教え方~「ティーチング」

第2ステップ 自覚期 上意下達の基本は変わらないけれど,選手のリーダーに教えることを中心にして権限を委譲。
監督の方針が末端まで行かないというデメリットはあるけれど,リーダーには,教える側になる自覚が生まれる。

第3ステップ コーチング期 どんな選手になりたいのか投げかけ,答えは監督が出さない。
自主性が生まれるが,自由とはき違え,軽い空気になることもあるので,「人としてどうあるべきか」「理念」は伝え続ける。

第4ステップ 支援型 フィジカルトレーナー・メンタルトレーナー・栄養士など外部指導者をよんで監督は「話合い」に参加する「支援」中心に。


10年後,30年後の自分をワクワク思い描いても,その山の頂上に一気に登ることは難しい。
確実に成長できているチーム,会社,経営者は,やはり途中の分かりやすい「目標」,自分の「現状」にあわせた具体的なステップを設定している。

会社での組織作りのステップそのものだな・・と思いました。最終的には,「支援型」で社長がいなくても,基本的には組織が回っていくことが理想ですね。

私は,有り難いことに意識の高いスタッフが入ってくれたので,第1ステップはあまりせずにすんでいる。
しかし,まだまだ第2ステップは出来ていなくて,直接私が指示をしている部分も多い。
スタッフの方が「まとめ方」「見せ方」が上手な部分も多いので,その部分は,スタッフにも任せている。
田中弁護士には基本的に「自主性」に任せている。

今,全体として,第3ステップに取り組んでいるところ・・だと思うけれど,日常業務にとらわれていて,なかなか出来ていない。
あらためて,第2ステップも意識しながら,第3ステップに取り組んでいきたい思いました。

皆さんのめざす「長期計画」の目的地に到着するまでに,ところどころ「道標」はありますか?
ゴールだけ設定しても,ステップ,手順がないと具体的に動きにくい・・と改めて思いました。

 

3 無駄を学ぶ

監督は,中京大学卒業後,地元広島の中国電力に入社して,陸上競技部の1期生として活躍していた。
けれど,故障などから,27歳で引退して,支店の営業所で,入りたての職員と全く同じように営業職をしていたこともあるそう。
しかし,その際,省エネ空調設備「エコアイス」を社内一売上げ,営業評価を上げている。

監督に就任したのは,高校のとき,2つ年下の後輩から声をかけられたから。
理由は,その当時の高校の「理不尽」と思われた練習方法を排除して,実績を上げていたことやその後の営業での成績などから,「今の常識は明日の非常識」という意識を持ち「無から有を生むのが好き」という点を評価されたから。

エコアイスを小学校に売るとき,夏場などは利用しないため「省エネのメリットがあまりない」と言われたところ,「これは,(環境について考えさせる)教育教材です」と言っていたらしい。
その商品の魅力の見つけ方,発想,アイデアも素敵だと思いました。

そして,そんな監督が言っていたのが「無駄を学ぶ」大切さということ。
すぐに役に立つ物は,すぐに役に立たなくなる。
与えられた場所,与えられた仕事に常に全力投球する・・そうすることで,チャレンジ,未来を切りひらくことが出来る。

私も,最近本当に「人生に無駄はない」と思っています。
貧しい生まれも,あまり良くない家族関係も,仕事でのミスも,そして,「離婚する」という体験も・・それがあることで,今の自分があって,未来の自分を切りひらける。
ただ・・最近大事だと感じるのは,その中でも毎日「今」を「ド真剣」に生きること。真剣に生きていれば,誰かがそれを必ず見ていてくれるし,違う形で後で役に立つ。

みなさんは,日々無駄と思われることも「楽しんで」いますか?
後に大富豪となり,カーネギーホールを作った「カーネギー」も織物工場の職員のときも,電信配達夫の時もいつも,ド真剣にその仕事に取り組んでいた話を以前に聞いた。

今の仕事が合っているのか・・分からなくても,いつも目の前のことに真剣に取り組んでいきたいと改めて思いました。

 

まとめ

多治見市の教育委員をさせていただくことになって・・・

改めて,人の成長「教育」ということをよく考えるようになりました。

私は,すぐに「成果」が見えないと,心配になって,モチベーションを維持するのが難しくなります。
田中弁護士や,事務所のスタッフにも受任件数が上がって仕事が増える,効率的に仕事が進むなど,わかりやすい「成果」を求めていた気がします。

でも,最近になって,まだまだ少しずつだけれど・・やっぱり人間の成長には,時間をかけて見守ることが大切なのだと感じてきました。

子どもに対する「教育」は本当に長い,長い時間をかけた成長を見守るものですもんね。

今回の原監督の偉業も10年以上かかって成果が目に見える形になってきたものですし,先日話を聞いた地元多治見高校の甲子園進出も,高木監督が就任して20年経過しているようで,就任当時の全く自主的に練習をしようとしない雰囲気から,ここまでのチームにするまでの長い道のりが分かる話がありました。

人の成長には本当に時間がかかる・・そして,成長の途中はなかなか「変化」が目に見えづらい。

でも,この成果を見る限り,「方向性」(ゴール)と「やり方」(手順)さえ間違えなければ,確実に成長はしていくものなのですね。
そして,その最終的「成果」は,あせって,一方的に言うとおりにやらせ,短期的に「成果」を出させた場合よりも,継続性が高く,柔軟で,変化にも対応できる力強いものになっている気がします。


色々な成果の上がった実例,成功体験の話をきくと,共通するところがとても多く,「教育」のあり方の流れが変わっているのを本当に感じます。

教師が一方的に教えるティーチングからコーチングへ。

文科省も重視している「主体的に社会と関わっていくための学習」,「アクティブラーニング」。
「知識」の修得だけでなく,自分で「知識」を使いこなせる,応用できる「考え方」を修得する時代へ,変化しているのを感じます。
「地域とともにある学校作り」という地域住民と協力して,教育活動を進めていく,という方向性もとても興味深い・・・

スポーツ界でも,怒鳴って注意する,厳しい教え→競技を楽しむ,イメージトレーニングなど,メンタルを上げることによって,成果が上がることが実証され,「指導」の方向性も変わってきているのを感じます。
原監督も,「ハッピー大作戦」「ワクワク大作戦」「サンキュー大作戦」という作戦名を立てて,駅伝に臨んでいるようですね。

私も「まじめに学ぶ」で育った世代ですから,隔世の感がありますが,「わくわく」「ポジティブ」な言葉による教育の成果も今は認めてきている時代なのだな・・と改めて実感しました。

原監督の話にあった「ステップ」のことを考えると,すべて「わくわく」ですませてはいけないのでしょうが,厳格な雰囲気の学校教育,スポーツの現場でも,これからは「わくわく」「主体性」を大切にする時代に入っているのですね~

私も,職場でも教育が長い時間をかけて達成されていくことを常に意識して,見守ること,「わくわく」できるようなポジティブな「言葉がけ」「空気作り」が出来るように改めてしていきたいと思います!
そして,自分自身の子ども達のため,愛する「多治見市」のためにも,子ども達の教育に「わくわく」を取り入れるための力になれたら・・と思っています。


今日は,この後,子ども達に父が卓球を教えてくれるので,練習に行ってきます!!

このブログが,経営者の方々,お父様,お母様,スポーツチームのリーダーの皆様が「人材育成」「教育」を考えるときのお役に立てますように~
みなさま,今日も「ワクワク」で~~(笑)

今回も,最後まで読んで下さって,ありがとうございました!