ひとり親でも子どもは健全に育ちます~シングルのための幸せ子育てアドバイス

004いつも読んでいただき,ありがとうございます!

今回は,離婚相談の際,よく聞かれる「離婚しない方が子どもにとってはいいのでしょうか?」という質問に対して答えの「ヒント」になる本をご紹介したいと思います。

この本は,私の説得力アップシートを参考にして離婚調停を成立させ,その後もメールマガジンを読み続けて下さっている方が,「この本を読んで離婚しても安心しています」と紹介して下さった本です。

 

著者の佐々木正美先生は子どもの臨床現場にたちあってきた児童精神科医で,40年以上にわたり,保育園,児童相談所等での勉強会,講演会をされている優しい笑顔の先生です。

(正式には,紹介戴いたのは「一人親でも子供は真っ直ぐに育つ」という題名でしたが,見当たらなかったので,この本かな,と思います)


私の初恋の人・・・は,すごく頭の良い人でした。
小さい頃にお父様を亡くされた方でしたが,小さい頃から,とても優しい男の子で,日本の超難関大学に進学して,今は家族をお持ちのようです。


なので,私は,「ひとり親」だから,「離婚した」から,子どもにとって悪い環境になるとは,思っていません。
基本的には,離婚したことによって,離婚前より楽しそうに親が生きている姿を見せられたら,大丈夫だと思っています。

 

ただ,そうは言っても,離婚を経験した子どもさん達のアンケートを読む限り,一般的に「離婚」が子どもに与える影響はとても大きいので,そのケアは必要になります。


これから離婚を考えている方,離婚された方が,どんなことを気をつけていくと子どもさん達にとって負担の少ない離婚となるのでしょうか?
離婚をされていない人にとっても「子育て」の基本として,とても大切なことが沢山書かれていましたので,ご紹介したいと思います。

 


1 母性と父性をバランスよく

佐々木先生は,戦時中の未亡人は,ひとりで子どもを育ててきたのだから,バランスさえ間違えなければ,子どもは健全に育つので大丈夫と言っています。


そして,子どもの育ちに必要なバランスの中心は「母性」と「父性」。
これは,男女の生物としての違いによって,一般的には「母性」は母親から,「父性」は父親から与えられることが多いと思われている。
しかし,程度の違いはあるけれども,本来は,人間ひとりひとりの中に両方がある。

それを理解して,

まず「母性」をたっぷり与え,そのうえで必要な「父性」を与えることが大切。

「母性」≒子どもをありのままに認めてあげる力。許容し,承認する力。無条件に我が子を愛すること。
「父性」≒規律や規則,約束や責任を子どもに教える力。社会性を身につけさせること。


なので,佐々木先生は,保育園での相談会の際,園の先生方に,規律が守れない子どもさんこそ,さらに厳しく守らせようとするのではなくて,通常の子より丁寧に,優しく接して,母性的なものを与える努力をしてもらうようにしているそうです。
そうすると,その子どもたちはやがて規律も守って,園生活をしていけるようになるそうです。

 

少し前にはよく使われていた親権者を決めるときに言われる「母性優先の原則」。
これは,一般的には「母性」を発揮するのが女性,母親側の方が得意なことと関係して,母親が子どもが幼少の頃には不可欠,そのため,一般的には母親が親権者にふさわしい原則として,使われてきました。

しかし,「母性」が発揮できるのであれば,父親でもよいことになりますね。

 

両親が揃っている家庭であれば,「母性」「父性」の役割分担もなりたつかも知れないけれど,ひとり親の場合は,意識的に自分の中にある母性,父性を感じ取り,まずは母性から与える,次に父性,と思えば良いようです。

 

女性も男性と同じように働くようになり,早期教育に熱が入り,「父性的」要素が強くなっていることを佐々木医師は懸念しています。
私も,「ルールを守らせたい」という「父性」が強くなっている気がするので,時々バランスを注意したいと思いました。

「子どもがいくつになっても,お母さんは子どもの教育者ではなく,保護者でいてください」というのが佐々木医師の言葉です。

 

 

2 相手に抱く負の感情を伝えない


佐々木医師は「子どもに離婚を伝えるときは,相手に抱く負の感情は伝えてはいけません」と言っています。
つまり「相手を憎んでいるから」とか「嫌っているから」「軽蔑している」という表現ではなく,「お母さんとお父さんは違う考えと生き方だった。だから,別々に生活する方がいいと思ったので離婚するんだよ」と伝える。

子どもの年齢,性格,能力にあわせて変化させ,伝えることも大事なようです。


私も,離婚のご相談を受ける際,できる限り,この点をお話ししています。


・・・しかし,現実には,自分自身が離婚問題で悩んでいる状況では,なかなかこれを実践するのは難しいな・・と思います。
相手に浮気されたり,冷たくされたりする中で,ご相談者自身が「承認」されていない,と感じるからかな,と思っています。


なので,個人的には,相手に対する非難が思わず出てしまうこともあっても・・・人間である以上,ある程度仕方ないかなと思います。
ただ,このことを頭の片隅において,思い出して,表現を変えてみる・・・ということをしてもらえたらな,と思います。


私も,子どもの頃,色々あったけれど,父のこと,嫌いにはなれなかった。
子どもさんにとっては,血の繋がった父親なので,父のことを非難されることは自分自身を非難されるような気がする・・とは私は思います。
実際に,そう受けとめている発言が離婚を経験した子どもさん達のインタビュー結果からも現れていました。

そう思ったら,ひどい父親,母親の血が流れているから自分もいい子になれるわけない・・・と自信を喪失します。
虐待事案を見ていると,どんなに自分が暴力を受けても,自分が悪かったから,親は悪くない,帰りたい,と言っている子どもたちの話も聞きくと,親を思う愛に泣けてきます。

そんな愛する親を誰かから非難されるというのは,特に自分の愛するもうひとりの親から非難される・・・というのは子どもにとっては辛いことだと思います。


お母様,お父様も好きではなくなったからこそ離婚するので,とてもたいへんなことだと思うのですが,子どもさんのために,相手のいいところ,どうして好きになったのか,等を思い出し,理性的にお話ししてもらえたらと思います。

 

 

3 子どものプライドを守る


佐々木医師が相談を受ける中で,離婚した家庭で「子どもが非行や犯罪に走らないか」心配されることが多いようです。
この点について,佐々木医師は「子どもが親に対して安心感や信頼を抱き,家庭がくつろぎの場になっていれば」大丈夫と言っています。

非行のあった少年少女と沢山面談をする中で,いつも言われる「共通したこと」があるそうです。
それは・・・

 

「自分のプライドが親によって傷つけられた」ということ

 

だそうです。

「親のプライドを守るために,私の親は絶対に自分の考えを曲げない」
「ぼくの親は,世間体を気にして親のメンツを押しつけてくる」


この点は,あまり詳しく書かれていないのですが・・・
子どもがここは「誇りを持ってやっている」ということに対して,頭ごなしに「そんなことすると,私が恥ずかしいからやめて・・」というイメージでしょうか。

 

佐々木先生は,本来,親の方が「子どものプライドを守るために,自分のプライドをどのように捨てるかが大事」「それさえきちんと対処していれば,子どもは決して非行などには走りません」と言っています。


私は,母がしてくれたことで覚えていることがある。
私は,あまり先生に叱られることがなかったのですが(笑),ある日,自分なりには「理不尽」と思えることで叱られた。
それを母に話したところ,「そんなら,今から電話して直接先生に言ってみなさい。それでダメなら,お母さんが話したる」(というようなこと)と言われた。
先生からしたら,今で言うモンスターペアレント?なのかも知れないけれど,私にしたら,母はいつでも私の味方,私が傷つくこと,私のプライドを最大限に守ってくれる,

とすごく安心したのと同時に,だからこそ,嘘を言ったら大変だ,・・・おおごとになる,と心底思った。


母はそれを自然と出来る人だったけれど,私は,自分が恥ずかしくて,学校に乗り込んで言う,なんてなかなかできないな・・と思ってしまいます(父性の強さかな)。
でも,本当に子どもが間違ったことをしていないか,その確認は必要だけれど,確かに子どもが言うことも,もっともだと思ったら,そのときは,私も子どものプライドを守るために,自分のプライドはかなぐり捨てて行動しなければ,と意識しています。

子どものことを最後に守れるのは,親しかいないと思うので。

 


まとめ

「子どもには離婚による環境の変化やつらい状況を跳ね返す力がある」 というのが佐々木先生の言葉。

重要なのは「離婚してからの対応」。
と,いっても,難しいことではなく,
「日常生活を親子で自然に,淡々と営むこと」
「離婚を選択した親が,そうした自分の生き方に自信を持ち,子どもの前でそれをしっかり示すことが出来ること」


つまり,

「これでよかったんだ」と親が思い,子どもと一緒に前向きに生きていくことが子どもへの何よりのメッセージであり,重要な要素

と伝えていらっしゃいます。

 

この言葉を読んで,私も,これまで「離婚することは子どもにとって悪いですか?」について,説明は間違っていなかったかな,と思います。
変化に弱いのは,むしろ,柔軟性がなくなり,チャレンジすること,これまでの生活習慣を変えるのが怖くなってきた大人の方・・・なのかもしれませんね。


大人が,意識して,この選択が間違いなかったと生きていければ,子どもの方がより,つらい状況を跳ね返す力はありそうです。

浮気などで相手に傷つけられた,大事にされなかった,と感じる離婚も多いので・・・相手を恨んでしまうことも多いのが現実です。
それでも,相手のせいで離婚させられた,というのではなく,自分の意思で,離婚する方が自分にとっても子どもにとっても良かったんだ,という気持ちをもてたらいいな,と思います。

 

この本を紹介して下さった方が「前を向いて息子と楽しく生活していけるよう、母親として頑張りたいです」といっていらっしゃるように・・・

 

このブログを読んで下さった皆さまが「子育て」,特に「ひとり親での子育て」で気をつけると良いポイントに気づき,安心して,子育ての出来るヒントとなりますように…


今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

 

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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