多治見ききょう法律事務所

弁護士 木下 貴子 ブログ

注意欠如・多動性障害?男性脳・女性脳

注意欠如・多動性障害?男性脳・女性脳

015みなさま,おはようございます。
今回は,長男のこと,続編です。

先日,参観日で長男の様子を見て・・・かなりのショックを受けました。
クラスに担任の先生以外に補助で先生がついてくれているのですが・・・
その補助の先生をほぼ独り占めしておりました(泣)

国語の授業でしたが・・・こんなことが盛りだくさん。

「うちの人の方にむいて音読して下さい」と言われれば,廊下に出ていこうとする
(本人は,お父さんを探すつもりだったと言っていますが)
・↑をひきとめられると,私のすぐ近くまで来て音読しようとする
・↑席に戻るように言うと,今度は,黒板の方を向いて読もうとする
・先生に何度言われても,該当ページを開こうとしない
・隣の子に「うるさい」とさけぶ
・先生の指示がある前に,勝手にプリントをやる

などなど・・・・
きりがありませんでした。
中でも一番悲しかったのは,隣の子に叫んでいたことです・・・
本人に聞くと,自分が音読しようとしているのに(隣の子が音読していて)うるさかったからと言う・・・
(ADHDだとすれば,音が気になるのも特性のようですが,理解されないですよね・・・泣)

というわけで,さすがに,これは子どもとしっかり向き合う,だけでは対応を間違える,と思いました。
その後のことを報告することで,

同じような悩みのあるお母さんの参考になったらと思います。
また,ADHDを学ぶことで気づいた「男性脳」「女性脳」の違い,
悩んでいるときにかけられたら嬉しい言葉

も実感しましたので,お伝えしたいと思います。

 


1 どこに相談したらいい?
 

このことが分かって,医師に対応を相談したいと思いました。
しかし,「子育ての仕方が悪い」などと言われたら,すごくつらい・・・
この方面に専門性の高い医師に相談したいけれど,どうしたら,分かるのだろう・・・。

ということで,まずは,私が弁護士として仕事上付き合いのある「子ども相談センター(児童相談所)」に相談しました。
虐待がなされる子どもは,発達障害などによって「育てにくさ」がある子も多いので,その場合,専門医にみてもらうこともあるだろうから,専門医について詳しいだろう,と思ったからです。

・・しかし,残念ながら回答は「特定の所はない。紹介はしていない。大きな病院(市民病院・県病院)など」という私からすると冷たいと感じる回答でした。

正直,自分の子どもが「発達障害かも知れない」って仕事上付き合いのあるところに相談するのは,かなり勇気がいる。
でも,子どものために勇気を出して聞いてみたのに・・・
学校からもらうプリントの「子育て相談先」にも記載があるんだけどな・・・。
私の悩みが漠然とした「子育ての不安の相談」でなく,「専門医師を教えて欲しい」という中身だったからかも知れません。

ただ,分かったことは,こういう相談の場合は,子ども相談センターには相談しない方がいいかなということです。
(誤解の無いように言うと,子ども相談センターは,虐待対応事案では,本当に真剣に取り組んでくれています)
保健センターとかってどうなんでしょうか?もし,相談された方がいたら,どうだったのか教えて欲しいと思います。

その後,私は知り合いの医療関係者に相談したのですが・・・
そのひと言に心から救われました。

「ぼくもこどものころ,そうだったかな,っておもうんですよね。出歩きたいのに,何で止められるのか分からないって思ってました」
「3年生の頃までは,そんな感じだったと思います・・・」

そして,医師に聞いてくれて,ある病院を教えてくれました。

専門医を教えてもらえたことも,とても嬉しかったけれど,それ以上に自分の体験を話してくれたことで,とても,とても,安心できました。
・・ああ,この方もこんな素敵な大人になっているんだから,きっとうちの子も大丈夫に違いない,と。

振り返って,自分の弁護士としてのあり方を考えさせられました。
・・・私は,ご相談者の心からの不安を解消できるような声かけが出来ているのだろうか,自分自身の体験,これまでの依頼を通じた体験など,未来に対する明るい希望を話せているだろうか・・・

遠方から電話を戴いて,ご相談者の自宅近くで,離婚事件を私のように取り組んでいる弁護士を紹介して欲しい,と言われることも多いのだけれど,なかなか紹介できていない
そのときに,誠実に対応できているだろうか・・・

これから,離婚事件について,自信を持って紹介できるような全国に,同じ志を持つ仲間と繋がっていけたらいいな,と思いました。
そして,単に法律知識を伝えるだけでなく,勇気を出して相談してくれた方の心を少しでも軽く出来るようにしたい,と改めて思いました。

 

2 担任の先生から励ましの電話

その後,担任の先生から電話がありました。
長男が,今日,こんなに頑張っていて,いいところがあるから,私に伝えたい,と・・・
その電話があるということは,ある意味,うちの子は「普通と違う」ということなので,ショックはありましたが,覚悟はしていたので,とても有り難かったです。

「黒板にある磁石を,いつも集めて一緒に片付けてくれるんです」
「給食の配膳台を途中まで一緒に運んでくれるんです。だから,配膳台係,ってなづけてるくらいなんです」
「電気を消す係もお願いしていて,消すの忘れたから消してくれる?っていうと,消しに言ってくれるんです」
「動物の絵を描くのが上手くて,本当,パンダ,すごいですよね。○○ちゃんも,どうしてそんなに上手なの?って言ってました」

・・・以前の私なら,正直「で?」って思っていたかも知れません。そんなの,たいしたこと?と・・・

常日頃から,それぞれ,子どもも大人も違う良さがあるから,それを見つけたい,勉強やスポーツが出来なくても,それぞれの良さがある,と言ってきましたが・・・
心のどこかで,うちの子は,勉強に対して才能がある,と勝手に思っていたような気がします。

自分の子どもの良さを,このように言われることによって,改めて,自分ってまだまだ,「子どもの良さを認める」という本当の意味が分かっていなかったな~~
と思いました。

長男は,私にこのことを教えてくれたんですね・・・ありがたいな。

「いい子でありたい」「先生に好かれるような模範的な生徒でありたい」という私の心の底にあった気持ちを打ち破ってくれる子。
そう思うと,自由で羨ましいですね・・・


そして,今の先生ってすごいですね!
子どものそういった良さを一生懸命認めてくれて,親に伝えてくれる・・・ありがたいと思いました。泣けました。
確かに,長男のパンダの絵と工作の作品は秀逸な気がする←親ばかです。

まだ,医師の診断を受けていないから分からないけれど,「普通のことが出来ない」子を持つ親としての気持ちが分かってまた成長できたと思う。
離婚相談では,子どもさんが障害を抱えているケースも多い。これでさらに,気持ちを理解して,話が聞けるかな,と思います。

 

3 注意欠如・多動性障害は男性に多い

専門医の診察は,さすがに混んでいてすぐに受けられなかったのですが,それまでの間,どう対応したらいいのか,学ぼうと思いました。
それで読んだのが,写真の本です。

その中であった興味深い内容がADHD(注意欠如・多動性障害)は,男性の方が圧倒的に多い,という事実です。

イギリスの発達心理学者であるバロン・コーエンさんは,これを
「男性脳」「女性脳」として,「性差があること」を説明しています。

言語・社会性に優れていて,全体を見通すことが得意な女性脳
立体的な知覚・論理的な思考に優れているけれど細部にこだわる男性脳


必ず,男性=男性脳,女性=女性脳というわけではありませんが,性別によって,この違いの特徴が現れることが多いようです。

そのため,女性は社会の中で生きていく能力(コミュニケーション,言語,感情,他人の立場で考えること)がずっと優れていることが多い。
男性が得意とする点は,社会の中で生きていく上ではあまり重要でないことが多い・・・とも言われているそうです。

「人間」という生物は,進化の過程で,男女という区別ができ,それぞれ脳の特徴があるとすれば,私はそれぞれ何らかの意味があるのでは無いかな・・・とは思います。
男性に割合が出やすくなっている「不注意」「多動性」「衝動性」も,何か勇断して,切り開いていく「性」として組み込まれたものなのかも・・・


これを知って,私が離婚相談を受ける中で思ってきた,どうして女性の気持ちは男性に分からないのか?という理由に自信が持てました。
多くの事案で,同じような男性からの疑問「女性の気持ちが分からない。(離婚の話が出るまで)妻は何も不満を言わなかった」ということについて,私は,男性と女性は,特徴が違うから,理解し合いにくいな・・・と思っていました。
やはり,結論を求める論理的な男性,感情,共感を大切にする社会的な女性との間でコミュニケーションの齟齬がおきている,ということは背景にありそうですね。

私自身は女性なので,女性の気持ちも分かりますが,弁護士として論理的に話すことは得意としている(つもり)なので,男性脳部分もあると思います(人によって,どちらが強いか,そのアンバランスの程度,バランスが取れているのかなど,違うようです)。
女性の気持ちによりそいつつ,バランス感覚も重視している私は,女性の感情を男性である裁判官,調停委員に論理的に伝えていくことこそ,自分の役割だな,と改めて思います。

男性も女性も,相手の脳の特徴を知って,相手は自分とは違う思考回路をしている,と気づくと,コミュニケーションの仕方が変わるかも知れませんね。
男性の方には失礼ですが・・・
男性は,雰囲気で察することは出来ないので,「○○を手伝って欲しい」など,言わなければ分からない,ともよく言われますね。


話を戻すと・・・ADHDである場合,「ほめて育てる」を座右の銘にすべし,とのことでした。
なんで,何度も言っても同じ事をするのか・・・これまで何度も長男を責めてしまいました。
しかし,「過去の間違いを記憶して行動する」メモリーが少ないため,同じ事をするので,責めても直らないのだとか・・・

そういえば,過去の失敗の記憶がないのかな?と思うような,次々チャレンジを繰り返すパワフルな男性経営者もいますよね・・・あれはもしかしたら(笑)??

色々考えてみると,性差も楽しいですね(と半分以上無理矢理,子育てを楽しもうとしています・・・)
これからは,ほめて育てる,一度に沢山言わない・・・をモットーに楽しみたいと思います。

 

まとめ

今回のことは,私にとってかなりショックだったけど・・・

おかげで沢山学ぶことが出来ます・・・子育てって最大の学びかも知れません。

ありがとう。

 

それでは,医師に受診した結果は,またご報告したいと思います。

「育てにくい」と感じる子どもさんを持つお母さまのためのヒントとなりますように♪
また,男性脳,女性脳の神秘を楽しめますように・・・

 

今回も,最後まで読んで下さって,ありがとうございました♪