事業承継成功の鍵は?成功させる事業承継講座

12285673_912443405507633_606563659_nいつも読んで下さって,ありがとうございます!
急に最近冷え込んできましたが,みなさま,体調崩されていませんか?

今回は,岐阜成功塾を一緒に主催している西村税理士が開催した「成功させる事業承継講座」にでてきましたので,その報告です!
西村税理士は大手税理士法人トーマツに勤務しており,小規模企業者から大企業までの事業承継,株価対策に関与した経験がある頼もしいパートナーです!!

私は,弁護士としてこれまで,150件以上地元企業の倒産の現場を見てきました。

その中で,「事業承継」時に取引先の取引条件が変わって資金繰りが大変になった,融資が受けられなくなった,など「事業承継」がうまくいかなかったことを破産の原因の一つとあげている企業が少なくありませんでした。

弁護士は,その倒産の処理をすることでお仕事となって,お金をいただけるわけですが・・・
地元の企業が,倒産して,働く先がなくなったり,小さい頃にはあった地元の企業がどんどんなくなっていく様子を見るのはやはり,悲しい。
地元の中小企業が抱える「事業承継」の問題に弁護士として関われたら嬉しい,と心から思っています。

…そんな中で,ご縁を頂戴して,今は「事業承継」に関わる仕事もさせて戴いています(嬉!)。

というわけで,西村税理士の講座も興味があり,行ってきました~
事業承継は税金や株価評価など会計の問題を避けては通れないので,弁護士だけで出来ることには限界があり,税理士,公認会計士さんの力が必要不可欠です。
また,弁護士,税理士は「財産の承継」は得意とするところですが,「事業承継」には,それだけでなく「経営」「組織」の承継ノウハウも必要です。
この「経営そのものの承継」については,今回,大手コンサルティングファームの上席執行役員を経て,3000社以上の会社の経営改善,事業承継に関わってきた「川原一紀」先生からお話がありました。

講座をきいて,私が感じた「事業承継を成功するための鍵」についてお話しします♪

 

1.組織再構築!

創業時は,社長(経営者)のカリスマ性に頼った組織運営になりがち。
つまり,社長がピラミッドのトップに立ち,会社役員,一般社員に対して,同列的に指示,命令をする組織形態となっている。
しかし,2代目,3代目の社長に事業承継をしていく場合には,同じようなカリスマ性を維持しながら経営することは難しい。
そのため,人事,経理,総務,営業など部門毎にリーダーをおき,リーダーが各部門の責任を持つ,小集団,連帯責任のある組織,部門毎に今日競争の生まれるような組織に再構築する必要があるそうです。

息子である2代目社長のことを子供の頃から知っている古参社員の皆様は,「大きくなったな~。俺がお年玉あげたんだぞ。」などという気持ちで見ていることが多く,「○○!」と呼び捨てにするようなこともあるようです。

その中で,先代社長のように「指示,命令」を聞いてもらう,というのは確かに難しいと感じました。
そのため,現社長は,引継ぎをする前に,2代目社長の右腕となってくれるような信頼できるリーダーを配置し,そのリーダーと承継する予定の2代目社長との関係を構築することに力を入れる必要があるようです。

川原先生は,「事業承継の成否は社長の事前準備につきる」と言われました。
事業承継をする予定の社長の皆様,自分が引き継ぐ予定の後継者の皆様,組織再構築はすすんでいますか?

 

2.財産承継の最優先は遺言書作成!
 

西村税理士から,「経営」「事業」の承継は,課税対象となる「財産」の承継課税されない「信念」「生き方」「信頼」などの承継があると話されました。
「事業承継」は確かに,この両輪の承継で成功しなければならず,せっかく信念,ノウハウなどを承継しても株式,会社の事業用不動産などを承継していなければ,その手腕を発揮することが出来ません。

西村税理士からは,この観点から,「財産の承継」を成功させるポイントを話されました。
やはり,優先順位は

  1. 遺産分割対策・・・遺言書作成,財産を分けやすくする
  2.  納税資金準備・・・現金化しやすい財産準備,生命保険の利用
  3.  節税対策・・・手元資金をより残す

という順番と言われていました。
私もそう思っていますし,私が一緒に不動産・相続の無料相談会をしている不動産鑑定士も言っています!
弁護士として,遺産分割の紛争現場に関わっておりますが,現金で分けられる物さえあれば・・・なんとかなる,というのが実感です。
この場合に「遺言書」があれば,紛争の解決のスピードが格段に違います。

私たち弁護士は,相続で揉める現場を最も良く体験しており,その場合にどのように法的に解決されているのかがわかります。
この「財産承継」で最優先すべき「遺言書作成」は法律事務ですので,どうしたらもめないのか考えるのは,弁護士が専門とするところです

改めて,「遺言書作成」に関わることで,税理士さんとも協力しながら「事業承継対策」に関与できたら嬉しいと思いました。

みなさんは,「財産承継」の最優先ポイント,「遺言書の作成」していますか?

 

3.株価対策に持株会社の利用を

黒字の企業であることが前提ですが・・・

利益が出ている優良企業の場合,自社の株式価格が相当高い場合もあります。
この場合,株価を下げる方向での対策をしておくことも「事業承継」「財産承継」対策として必要です。

中小企業の非上場株式は,換価=現金化が困難な財産であり,かつ,経営権を把握するには手放すことの出来ないものですが,「資産」=「遺産」の一部として,預金などの他の財産と同様に評価されます。

この点で,事業用の不動産と同じようなイメージです。

こういった,換価困難な自社株式,事業用不動産が経営者の遺産(資産)の多くを占めると,以下の2点で大きな問題となります。

  1. 事業を承継しない相続人(後継者のご兄弟など)への遺産分割の際,株式,不動産の資産評価が高いので,多額の遺産を分けなければならないが,事業に必要な物ばかりで分けられる資産がない。
  2. 相続税が高くなって,納税資金に困る

そこで,利用できるのが「持株会社」です。
詳しい説明はしませんが,現制度を前提とすると,持株会社を利用することで,自社株式の評価を下げることもできるようです。
弁護士としては,議決権制限付株式の発行などの対策も,税制とは関係なく利用でき,遺留分対策にもなるので,安定性があるように思いますが・・・

その他,「持株会社」を利用することは,娘は承継する可能性はないけれど,将来孫に引き継がせたい,職員に承継させるけれど,まだ経営手腕が不安というような場合にも利用できるので,「60歳から始める事業承継対策」の一つとして考えておくといいと思います。

60歳を過ぎた経営者の皆様,「持株会社」の検討をされたことはありますか?
後継者予定の皆様,自社株の評価,されたことがありますか?今の状態で,遺産分割で揉めないでしょうか?
納税資金の準備は大丈夫ですか?

 

まとめ 専門家連携で事業承継の「両輪」を成功

私たちが,事業承継に関して話をする際には,事業承継で引き継ぐものは「人」「物」「金」「知的資産」と説明しています。
このうち,「物」「金」という「財産の承継」には弁護士,税理士などが専門性が高いと思います。
他方で,「人」「知的資産」といった組織の承継,ノウハウの承継などには,一般的に専門性がありません。
そういった承継については,コンサルティング会社など,実際に組織再構築,後継者教育に強みのある専門家と連携することで,事業承継全体としての「成功」に総合的に関わっていけたらいいな,と思います。

事業承継には,この「財産」と「ノウハウ」の両輪がうまく承継されることが必要不可欠だと思います。
その意味で,事業承継に関わった経験のある西村税理士,川原先生につながることができたことは良かったと思います。

これから私も,「事業承継の成功」のため,法的対策でお役に立てたら嬉しく思います。

そろそろ「事業承継を考えている」という方は,お気軽に相談して下さいね。

このブログが,「事業承継で失敗したくない」という経営者の皆様,後継予定者2代目社長の皆様,中小企業を支援する支援機関の皆様のお役に立てますように…

今回も最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

 

 

この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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