もめない相続は愛~終活セミナー講師

010いつもお読みいただき,ありがとうございます!
今回は,10月2日に終活セミナー講師をさせていただいたので,そのご報告です♪

テーマは,「元気な今のうちに知っておきたい!相続でもめない3つのポイント!」でした。
会場は,最近その存在を知った多治見市新富町にある「シニア・カフェ 街の灯」。
多治見に元気なお年寄りが集まれる場所があるのは,とてもすてきだな~と思いました。
・・・以前は,俳優をしていた男性もご参加なさっていてビックリ。


私の事務所は,確かに離婚事件が多いのだけれど,実は,弁護士になってからずっと「高齢者に関わる分野」には力を入れたいと思っていました。
弁護士になってから15年間,ずっと高齢者の法律問題を専門的に研究する齢者」の委員会にも入っています。
「想い」だけは通じて,ご縁をいただき,地元の東濃成年後見センターの監事をさせてもらっています。

私にとって地元のおじいさん,おばあさんは,つらいときには励まし,私の良さを認めてくれた本当に大切な方たちです・・・
父母の不仲で悩んでいたとき「アイスたべやー」と言って家によんでくれたご近所のおばあさん,私が作文で賞を取ったりすると,「すごいね。嬉しいよ」と手紙を書いて,沢山の切手と一緒に送ってくれたおばあさん。
私の作文が賞をもらって,新聞に掲載されたときにも気づいてくれて,新聞記事を切り抜いて送ってくれました・・・

私は,両親が共に働いていたので,おばあちゃん子として育ち,おばあちゃんと一緒に寝たり,お墓参りをしたり,沢山の時間を過ごしました。

そんな,地元のおじいさん,おばあさんに恩返しをしたい,と思って,この「高齢者」の委員会に入っていたのですが,なかなか直接お役に立てることはありませんでした(泣)


しかし!今回は,やっと「弁護士」として話をしながら,しかも地元のおじいさん,おばあさんと一緒にコーヒーを飲んで話せる,という機会にめぐまれて,とても嬉しかったです。

その中から

  1. 相続でもめない3つのポイントとは何か?
  2. なぜ,相続ではもめない方がいいのか?
  3. シニアカフェでのセミナーが他と違って役に立つ点は?

についてお伝えします♪


1 亡くなる方にとって,相続でもめない方がいい理由

相続人である子供たちのご相談を見る限り,もめると本当に困っています・・・
弁護士に相談に来られる相続人は,特にもめている事案が多く,悩み続けていたり,怒りをあらわしたり,泣かれたり・・・ということも,とても多いです。
これを知って,もめないように弁護士の所へ亡くなられる前に相談に来られる方も段々増えてきましたが,生前に「遺言書作って欲しい」と言えば,「財産目当てか」と言われ,言いにくい・・・というのが現状のようです。

「死んだ後のことは知らん」「みんなでいいようにしてくれ」と言われることもあるようです。

確かに,死んでしまう方にとっては,死んだ後とのことは自分にとって関係ない,とも思えます。
子どもであれば,うまく,仲良くやるべき,親の財産をあてにするな・・・という気持ちも分かる部分があります。

では,なぜ,もめない方が,亡くなった方にとってもいいのでしょうか?

この質問に対して,参加者の女性から「もめないようにしておくことが相続人に対する愛情を伝えることになる」「責任」「自分たちの子孫の幸せ」と言って下さいました。
・・・ここまでしっかり考えられている方はこれまであまりお目にかかったことが無かったので,ビックリしました。

そうなんです。

もめない相続は愛なんです

亡くなってから私たち弁護士の所に来られる相続人は,本当に真剣におかあさん,おとうさんの介護をしてきた方も多く,心からご両親を愛しています。
しかしながら・・・遺言書が無かったことで兄弟で揉めてしまうと,亡くなったご両親への愛情の気持ちはもちながらも,「なぜ,母(父)はなにも,揉めないように手続きをしてくれなかったのだろう・・・」と苦しく,悲しい思いを打ち明けられます。

中には,「ここまでもめるなら,なんでうちで費用を負担して法事をしないといけないのか分からない。お墓参りに行くのも・・・なんか辛い気持ちになります。こんなことなら無理して家でみなくて,費用を使って施設に入所してもらえば良かった」と言われる方もいます。

もし,生前に「いつも面倒みてくれてありがとう」と言ってくれていても,本当に感謝する子供たちが望むこと,つまり,揉めて苦しい思いをしないようにする「行動」がなければ,を十分に伝えられないのではないでしょうか?

反対に,言葉では十分に感謝を伝えられていなくても,「遺言書」を考えて作ってくれていれば,亡くなった後にそのおかげで本当に助かった,実は私たち子供のことを考えてくれていたのだな・・・と伝わります。

地元のおじいさん,おばあさんを自分の親,祖父母のように私は思ってしまうので,やっぱり亡くなってからも,
純粋な感謝の心だけで,子孫から喜んでお墓参りをしてもらいたい,
法事をしてもらいたい,
「本当に,いい親だったよな~」と言ってもらいたい

・・・私自身も,こどもたちから,「おかあさんは本当にいい人だったよね~」と愛され続けて,お参りも喜んできて欲しいな,と思います。
・・・そうじゃないと,なんか,成仏できない気がする(笑)。自分たちの命を引き継ぐ子どもや孫たちにも,幸せを心から感じて欲しい,と思います。

そのために,ひとりよがりではなく,もめない相続のための手当をして,本当に子どもたちが望み,を感じられるようにしてほしい,それによって,亡くなられた後も,ずっと子供たちからのが続いて欲しい・・・と思っています。

  • みなさんは,亡くなってからも「純粋に」子どもたちから愛され続けたいですか?
  • そのために,どうしたらいいのか,考えたことはありますか?


2 相続でもめない3つのポイント 

結論から言いますと・・・
このブログの「相続でもめないために今できること」シリーズ記載の通りで,以下の3点になります。

  • 自分の事案が相続でもめる可能性の高い事案かどうかを知る(類型:Part1,具体的事例:Part3,Vol.1~3)
  • 相続でもめないためにできる法的対策をする(Part2)
  • 相続でもめないためにできる感情の対策をする(part4)

弁護士をしていると,全ての相続はもめているのではないか・・・と思ってしまうこともあるのですが,おそらくそうではないですね(笑)
・・・なので,「もめる可能性がない」もしくは,「非常に少ない」場合には,「もめないための相続対策」も必要ないと思います。

ということで,まずは!「相続でもめる可能性が高い事案かを知る」ことが一番大切な最初のステップです。

もめている事例ばかりを扱っていると,「もめる相続」には,はっきりと共通点があることが分かりました。
これをできるだけ簡単に判断できるといいな~と思っていたので,チェックシート化して「相続危険度チェックシート」にしました。

セミナー当日は,実際に参加者の皆様にやっていただきました
私は○点,私は○点,と言ってもらえました。

是非,皆さまも一度チェックしてみて下さいね~♪
そして,おとうさん,おかあさんに「遺言書書いて」と言いにくい子どもの皆様も,「相続でもめないのか」を一緒に考えるツールとして利用してもらえたら嬉しいです♪

3 シニア・カフェでのセミナーの良さは?

今回のセミナー参加者は,10人以下で,アットホームな感じで進められました。
この連続「終活セミナー」を主催されている清香苑の小栗会長(女性)は,実際に葬儀の現場に関わる中で,寂しく,関わりを持たずに亡くなられる方をみて,高齢者同士のつながり,家族とのつながり「絆」を作る場所を提供したいと思われたようです。

実際この「シニア・カフェ」のお客様の殆どはご年配の方で,昭和の音楽が流れ,落ち着いた雰囲気で多くの方が集まっています。
今回のセミナーに参加された方も,お互いお知り合いとして会話も弾んでおり,単に勉強会というだけでなく,コミュニティの場,地域のつながりの場になっているのを感じます。お一人で暮らしていらっしゃる方も参加されていました。

また,多すぎない人数,というのも大規模な講演会と違ってよい,という意見もいただきました。
講演会では聞くだけだけれど,「少人数制なので,身近に感じられて質問もできる」「他の方の体験,発言が実際の問題解決のヒントになる」という話も出ました。
私自身も,受講者の方から「感情対策といっても,みんなの意見を聞いていたら切りがない。やっぱり,遺言書がまずは大事だよね。書かれていれば,仕方ないとおもうもんな・・・」 という意見を頂戴して,とても参考になりました。

この方はご自身の相続の体験も踏まえたご意見で,説得力がありました。

やはり,感情対策よりもまずは「法的対策」,なかでも重要なのは「遺言書作成」ですね。

「シニアカフェ 街の灯」は,終活セミナーだけではなく,ギター,カラオケ,和手紙,和人形作りなど色々な教室やセミナーが開催されており,楽しく勉強や活動をしながらお友達も出来る素敵な活動の場だと思います♪

65歳以降になってからの「お友達」は大切ですよね。
うちも母は,コパンスポーツクラブ,父は卓球で仲間を作っているな~と感じます。
「認知症」専門医の長谷川先生も,認知症を予防するには,歳をとってからは外に出たほうがいい,誰かと話す方がいいと言われていました。

大規模なセミナー,勉強会の参加だけでは,なかなか親しくなるのは難しいですよね。
シニアカフェでのセミナーのよさは,勉強をして,人生を豊かにする知識を得ながら,かつ仲間もできるという良さと,質疑応答もしやすく,仲間の意見も聞けてより,自分自身の問題について深く考えられる,という点だと思いました!

まとめ  ひとりひとりが終活サポーター

小栗会長が最後に「みなさんがこれからは終活サポーターとなって,今回得た知識を広めていって下さい」と言われました。
そうですね,他の参加者からも話が出ていましたが,「学んだ一人一人が,さらに伝えて行くことで大切な知識が広がる」のですよね。

私は,「もめない相続対策」を早めにとって欲しい,と常々思っていますが,これが本当に必要な方にはなかなか届かない・・・
相続人から言われれば,「お金目当てか」と思って,素直に聞くこともできない・・・
かといって,全くの他人である弁護士が「もめない相続対策が必要です」と言っても,「うちの何を知っているのか。うちがもめるはずはない。仕事にしたいだけ?」などと思われがちです・・・

しかし!今回学んで下さった参加者の方々が,ご近所のお友達,サークルの仲間などに伝えてくれれば,何の利害関係もなく純粋に「友達」として心配しているのが分かるので,「少しは考えてみようかな~」と思ってくれる気がします。

・・・「何を言うか」よりも「誰が言うか」で,やはり,響き方は違いますね!

こういう小規模での終活セミナーを通じて,少しずつでも「もめない相続対策の必要性」が広まっていったら嬉しいな~と思います。


「もめない相続対策」はなにかこう・・・少しネガティブな響きがするので
私の想いをそのままに,今後は「思いやり相続」という呼び方で広めたいと思いました。

思いやり」の気持ちを持って適切な相続対策をしてくれた先祖があり,そしてその子孫がその思いやりの気持ちを感じ取って,先祖に対して「愛情」を持ち続けられる関係になるように,私も機会をいただける限り,「思いやり相続」ノウハウを伝えて行きたいと思います。

65歳になったら,一度,「相続危険度チェックシート」やってみて下さいね。

このブログが,「子々孫々まで思いやりの伝わる相続のポイント」「仲間と共に学ぶ,遊ぶことのよさ」を気づく,きっかけになりますように。

最後まで読んで下さって,ありがとうございました!

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この記事を書いた弁護士

木下貴子
木下貴子
岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり18年目。
岐阜県立多治見病院など地元事業者の顧問弁護士を務め,法律のみならず経営に関するアドバイスも行っています。
個人のお客様には,離婚,相続,不動産案件を多く取扱っています。
著書「離婚調停は話し方で変わる」は,Amazonランキング「法律」部門ほか5部門で第1位を獲得。
相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーとしています。お気軽にご相談ください。

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